KU-MA 認定NPO法人子ども・宇宙・未来の会

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教材開発物語 ホバークラフト



 2002年頃、東電の渋谷電気館の工作コーナーで、発泡スチロールの板を機体にし、スカート部分を紙テープで巻いた状態のホバークラフトを作成・競技する企画があった。
 江崎、中村茂など教材開発委員のメンバーが渋谷電気館の別の企画で関係していたとき、そのホバークラフトに出会ったのである。



 紙テープのスカートであったため、小さなデコポコがあると機体の底から空気が均一に吹き出さなくなり、浮力を失い動かなくなるなど、問題点が多くあった。当時、国分寺の科学センターに勤務していた山下が、ジップ付きのポリ袋をスカートにして浮上させるものに改良した。科学センターのプログラムである並列回路の学習に併せて、浮上用のモーターと推進用のモーターをつなぐ必要のあるホバークラフトづくりを取り入れた。この設計図をJAXA宇宙教育センターとYACで発行していた「ジュニアサイエンティスト」に掲載したところ、中部新聞社社会事業部からの依頼があり、2006年7月6日付けで、「のりものワールド展のホバークラフト」に教材開発グループのクレジット付きで活用していただくことになった(資料1)。

 このホバークラフトは、国分寺の科学センターで教材として使われていたが、宇宙教育教育センターの教材として公になったのは、2006年10月17日釧路で行われたコズミックカレッジ・エデュケーターコースの教材として、山下が講師となり、作成・試走したのが始めててある。

 現在は、いくつかの「宇宙の学校」、コズミックなどで使われている(図1)。スイッチを入れると、底につけたポリ袋がふくらみ、浮上する。進む速度は、子どもが駆けても追いつかないほどである。親子共々、夢中なるほどであるが、一機当たりの材料費が千円を超えてしまうため、全部の学校で実施できるという標準教材になっていない。
 そこで、教材委員会では、単価を半分ぐらいにするための改良を続け、何台かの試作機をつくってきた(図2、3)。

 

 改良機はスピードが少し落ちるため、直進することが苦手であったが、図3では、山下、並木が軽量化、重心の位置などに改良を加え、全ての宇宙の学校に提供できるものとした。