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メールマガジン「週刊KU-MA」 第5号          [2008.7.28]


■目次

(1)YMコラム
(2)ワンダフル宇宙(5)
     「周期ゼミの世界(その3)」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム(5) 2008年7月28日

 物理学者のびっくりエピソード

 暑い暑い……最近は挨拶代わりの言葉です。夜、汗をびっしょりかいて目 が覚めると、どんなに気温の高い時でも熟睡できた子どもの頃をよく思い出 します。物理学者と称する人には、起きていても外から見ると寝ているよう な人がいます。何か一つのことに集中しているのです。

 たとえばアイザック・ニュートン──ある日彼を台所で見かけた人がいま す。彼の前には鍋があってお湯が沸騰しています。お湯の中では時計がぐら ぐら煮え立っています。ニュートンは?といえば、当惑したような表情で卵 を手にして立ち尽くしていたそうです。

 こんな話もあります。ニュートンが友人を夕食に招きました。それを忘れ てしまったのですね。友人が彼の部屋を訪ねると何か考えにふけっているニ ュートンの前に一人分だけ夕食が運ばれてきました。友人を招待したのを忘 れたわけだから、運ばれてきたのはニュートンのものだったらしいですが、 友人は考えているニュートンの邪魔をしないように、素早く食事を済ませま した。瞑想から覚めたニュートンが何て言ったと思います?──「目の前の 動かぬ証拠がなかったら、僕はまだ食事を済ませていないと言い切るんだけ どね」。

 私の周囲にも似たような話はあります。以前、宇宙科学研究所の所長をし ておられた西村純先生。冬の寒い朝にコート(当時は「オーバー」と呼んで いましたね)を着て研究室に入って来た西村先生──オーバーを脱ぐと肩の あたりからゴトンと落ちたものがあります。ちょうど部屋には並木道義君と いう私の友人がコーヒーを飲んでいる時でした。床に落ちた物体をすばやく 確認した並木君が「あ、先生、ハンガーが……」。西村先生がどんな反応を 示したと思います? 普通ならはずかしがるでしょう。家からずっとハンガ ーつきで車を運転してきたんですから。ところが先生、慌てず騒がず、ハッ タとハンガーを睨みつけて、「あ、そうか。道理で今日は肩が凝ると思った 。」

 しかも聞けばそれは針金でできた軽いハンガーではなく、きちんとした木 のハンガーだったそうですからね。もし私が西村先生に「木のハンガーとは すごいですね?」と訊ねたら、西村先生は言うに違いありません。「そうな んだよ。針金ならそれほど肩が凝らないと思うんだけどね」。ちょっとずれ ていると思うけど……。西村純先生には、ネクタイを2本して来たとか、他 にもいろいろとエピソードがあります。私の大好きな先生です。この文章を 読んでおられないことを希望します。

 今日はあまり暑いので、肩の張らない話題にしました。あしからず。先週 から起きたことと言えば、テレビ神奈川の出演は、行ってみると生放送だっ たので、前日の水ロケット大会で真っ赤っかになっていた私は慌てました。 番組の最初にキャスターの女性から「随分といい色に焼けておられて……」 と声をかけていただき、「ええ、酒ではありませんが」と誤魔化しました。 木曜日には、これまた私の大好きな友人である宮大工の小川三夫さんが、訪 ねてきてくれました。町田の焼鳥屋「炭小屋」で久し振りでゆっくりと積も る話をしました。

 小川さんによれば、竹という素材は、その節の部分を切る時期が大事なん だそうです。なんでもあの節のところはペコンペコンと上下に動いているん だそうで、しっかりと水平な形になっているのは、1年のうちで「旧暦8月の 闇夜」だけなんだそうです。ですから宮大工の間では「竹の節は旧暦8月の 闇夜に切れ」という言い伝えがあるんだそうです。ところがその時期が、今 は1か月ぐらい後ろにずれてしまっているというのです。地球温暖化という のは、こんなところにまで影響が及んできているんですねえ。

(YM)

■ワンダフル宇宙(5) 2008年7月28日

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 周期ゼミの世界(その3)

 一番最近の氷河期の時代、寒冷化にともなって、祖先ゼミたちは、成長に 必要な養分がとれない日が増え、成長がどんどん遅くなっていき、それまで 6〜7年で成虫になっていたのがアメリカ南部では12~15年、寒い北部では14 〜18年ぐらいかかるようになってしまったことを述べました。そしてますま す厳しくなっていく寒冷化の中で、絶滅の危機を迎えたセミたちの中に、辛 うじて生き延びた仲間がいました。北アメリカの中西部から東部にかけて散 在していた、氷河の影響を決定的には受けなかったところ(レフュージア) のセミたちです。

 この地中生活が長くなったセミたちに何が起こったか想像してみてくださ い。この狭いレフュージアだけで現れてくる仲間だけを交尾の相手として選 ぶことになるので、彼らはすっかり故郷から離れなくなってしまいました。 たまに冒険心の溢れたヤツが出てきても、遠くへ飛んで行くと交尾の相手が 見つからず死んでしまったことでしょう。自然に同じ場所にいっぱい群れて、 交尾のチャンスを思い切り増やそうという傾向が出てきたのは、環境の厳し さを考慮すると当然のことだったでしょう。こうして狭い地域に大量に出現 する「周期ゼミ」の性質が形づくられていきました。

 最後に残る問題は、12〜15年、14〜18年という長い地中生活の年限の中から、 周期ゼミたちは、どのようにして13年と17年という特殊な素数だけを選択し たのかということです。

 たとえば15年ゼミと15年ゼミとがレフュージアという限られた地域で交尾 をすると、これは同じ仲間なので、生まれた卵は地下に潜り、15年後に再び 出てきて交尾をし、また15年後に大量発生という15年周期を守ります。しか したまたま15年ゼミと18ゼミの群れが同時に出てくると、その子どもたちの 発生周期は、両方の性質が混じって、地中生活も16年だとか17年だとか目茶 目茶になってしまうでしょうね。そして16年経って地上に出てきてみると、 仲間がいなくて寂しく死んで行くことになったでしょう。そのうち18年経っ て出てきたセミたちも、その数は減っていることでしょう。というのは、前 回たまたま15年ゼミと同時に発生して交尾したために、その多くの赤ちゃん ゼミたちは、16年とか17年目に地上に出てきて死んでしまったわけなのでし ょう。

 仮に15年、18年という2つの周期をもつセミが同時発生したとします。す ると、この2つが次に同時発生するのは、最小公倍数の90年目になります。 その次の同時発生はそのまた90年後、……と続いていって、上に書いたよう に、そのたびごとに数が減って行くわけですね。すると、14年ゼミから18年 ゼミまでの2つの周期を組み合わせて、それぞれ最小公倍数をみると、

()内が、14年から18年ゼミまでのそれぞれの周期
14&15(210)14&16(112)14&17(238)14&18(126)
15&14(210)15&16(240)15&17(255)15&18(90)
16&14(112)16&15(240)16&17(272)16&18(144)
17&14(238)17&15(255)17&16(272)17&18(306)
18&14(126)18&15(90)18&16(144)18&17(306)

 という結果になります。

 こうしてみると、どの周期のセミと同時発生しても、次に同時発生するま での年数が最も長いのは17年ゼミですね。他の周期のセミと同時発生する年 を迎える度に数が減って行く上記の理由を考えると、明らかに17年ゼミの仲 間の減り方が少ないことがうなづけますね。種類的には近いけれども少し異 なる仲間同士で交尾して子孫を残していくことを「交雑」といいます。人間 は、この交雑を使って、昔から牛・犬・稲・リンゴなどを見事に品種改良し てきたことは、皆さんもよく御存知のことです。

 しかし氷河時代を生きていく祖先ゼミにとって、交雑は絶滅に向かう引き 金になってしまいました。多くのセミが寒冷化の中で地中生活を長くし、何 とか生き続けたのも束の間、周期の異なるセミとの交雑の中で、子孫の数が 減っていき、やがて一つ一つと「周期ゼミ」は絶縁していったのです。その 中で、他との最小公倍数が大きくなる「素数」の周期をもつセミは、数の減 る割合が小さかった分、有利でした。辛うじて氷河期を生き抜き、その周期 を保ったまま、現代にもその奇妙で見事な13年毎や17年毎の大量発生を繰り 返しているわけです。素数の性質が関係しているなんて奇想天外とも言えま すね。

 これで「素数ゼミ」のストーリーの肝腎の部分はおしまいです。次回 (「周期ゼミ」最終回)は、この周期ゼミがこれまで生き抜いてきた秘密と、 地球環境と生命の関係から見た感慨・課題を述べることで幕を閉じましょう。

■宇宙茫茫ヘッドライン

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【080728-01】 ロシア、プレセツクからKosmos 3MでドイツのSAR-Lupeの打上げ成功
【080728-02】 ロシア、プレセツクからSoyuz 2-1bで軍事用偵察衛星の打上げ成功
【080728-03】 「かぐや」のリアクションホイールに不具合発生…ミッションには影響なし
【080728-04】 Phoenix Mars Lander、氷を含んだサンプルの取込で苦戦
【080728-05】 Aerojet、Orionの緊急離脱システムの切り離し用モータの燃焼試験成功
【080728-06】 NASA、Ares Iの1段の回収に用いるドログシュートの落下試験成功
【080728-07】 NASAのLunar Reconnaissance Orbiterの打上げ、軍事優先で遅れる?
【080728-08】 Arianespace、EUMETSATのMSG-4の打上げ契約獲得
【080728-09】 ロシアとESA、共同開発の有人宇宙船のイメージを公表
【080728-10】 ESA、地球科学分野の観測を支援する新しいプログラムを立ち上げ
【080728-11】 ESA、次のEarth Explorerの候補ミッションをピアレビューで絞ることを計画
【080728-12】 ESA、Galileoのビジネス利用のアイデアコンペの最優秀者に特別賞
【080728-13】 NASA、Internet Archiveの協力で全ての画像・映像・音声のライブラリを開設
【080728-14】 NASA、月面ローバによる月の土壌の掘削コンペ開催…地上での模擬
【080728-15】 米FCC、XM Satellite RadioとSIRIUS Satellite Radioの合併を許可
【080728-16】 メンズファッションのDKNY MEN、Rocket Racing Leagueに衣服を提供
【080728-17】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【080728-01】
 ロシア、プレセツクからKosmos 3MでドイツのSAR-Lupeの打上げ成功

 7月22日、ロシアはプレセツクからKosmos 3Mによりドイツの軍事用偵察衛 星であるSAR-Lupeの5基目の打上げを行い、所期の軌道への投入に成功した。

 2006年12月から今回までの5回の打上げで高度500kmの軌道面が異なる3つの 極軌道に5基の衛星を配置し終わり、これまでドイツ航空宇宙センタ(DLR)で 行って来た衛星のコントロールが近々軍に移管されて本格的な運用段階に移 行する。

 衛星は質量770kgで、ブレーメンにあるOHB System AGが開発したもので、 合成開口レーダの採用により天候及び時間に左右されずに地上の偵察を行う ことができる。

 http://en.rian.ru/russia/20080722/114586277.html

【080728-02】
 ロシア、プレセツクからSoyuz 2-1bで軍事用偵察衛星の打上げ成功

 7月26日、ロシアはプレセツクからSoyuz 2-1bにより、軍事用偵察衛星の 打上げを行い、所期の軌道への投入に成功した。

 衛星はロシアの新しい電気光学偵察衛星シリーズPersonaの最初の衛星で、 軌道投入後にKosmos 2441の呼称を与えられている。

 打上げに用いられたSoyuz 2-1bはSoyuzシリーズの最新のロケットで、新 しいデジタル制御系の採用、強力な3段の採用により大幅な打上げ能力の向 上が図られている。

 2006年12月にバイコヌールから初打上げが行われているが、プレセツクか らの打上げは今回が初めてであった。

 http://www.spaceflightnow.com/news/n0807/26soyuz/

【080728-03】
 「かぐや」のリアクションホイールに不具合発生…ミッションには影響なし

 7月25日、JAXAは、月周回衛星「かぐや(SELENE)」のリアクションホイ ールの1基に不具合が生じたことを明らかにした。

 「かぐや」には4基のリアクションホイールが搭載されており、姿勢制御 は正常に作動している3基を使用して安定して行われているので、ミッショ ンには影響はないとしている。

 また、不具合の発生に伴い、運用手順の見直しが必要となり、高電圧が必 要な観測機器を一時的に停止して手順の見直しを進めている。

 http://www.jaxa.jp/press/2008/07/20080725_kaguya_j.html

【080728-04】(関連記事:【080721-02】)
Phoenix Mars Lander、氷を含んだサンプルの取込で苦戦

 7月21日から22日にかけてPhoenix Mars Landerは、初めて33時間連続で大 気の状況観測、ステレオカメラによる撮影、伝導率プローブによる観測を続 けた。これは上空を周回中のMars Reconnaissance Orbiterによる観測と合わ せて行われたもので、火星表面と上空から昼夜連続のデータを採ることを目 的としたものであった。

 http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2008-139
 http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2008-142

 23日から24日にかけて行った氷を含んだ土の採取試行ではThermal and Evolved-Gas Analyzer (TEGA)に取り込むには充分な約3立方cmのサンプルを 採取することができたが、そのサンプルをTEGAの炉内に入れる段階で不都合 が生じている。

 26日の朝に地球に送られて来た画像によると殆どのサンプルがロボットア ームの先端の小型バケットにこびりついた状態で炉内には落ちていないこと が判明したもので、その状況を改善するために、サンプル採取の手順を変更 することになり、27日には新しい手順での採取を行う予定とされている。

 手順の変更点は、ヤスリの作動時間の短縮(削り取ったサンプルへの熱の流 入を減らす)、ロボットアームが動いている最中の小型バケットを揺する回数 の増加(サンプルの固まりを避ける)等である。

 http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2008-146
 http://uanews.org/node/20732

【080728-05】
 Aerojet、Orionの緊急離脱システムの切り離し用モータの燃焼試験成功

 7月22日、Aerojetは次期有人カプセルOrionの打上げ時の緊急離脱用のシ ステム(Launch Abort System:LAS)の切り離し用のモータの静止状態での燃 焼試験に成功したことを明らかにした。

 試験は7月17日にAerojetの施設内で行われたもので、4月に続いて2回目の 試験であった。

 2008年中には陸軍のホワイトサンズミサイル射場でLASのフルスケールの 試験が予定されており、今回の成功で、切り離し用モータとしては、そこへ 向けての準備が整った形となった。

 http://www.aviationnow.com/aw/generic/story.jsp?
 id=news/Jettison072208.xml&headline=Orion%20LAS%20Motor%20Tested&channel=space


【080728-06】
 NASA、Ares Iの1段の回収に用いるドログシュートの落下試験成功

 7月24日、NASAは次期の打上げロケットAres Iの1段の回収用のパラシュ ート回収システムの中のドログ(drogue)シュートの初めての落下試験に成 功したことを明らかにした。

 今回の試験は、アリゾナ州ユマの陸軍の試験場上空でマーシャル宇宙飛 行センタの指揮下で行われたもので、ドログシュートと約16トンの模擬1段 を高度7.6kmで米空軍のC-17輸送機から放出した。

 Ares Iの1段は高度約58kmで分離され、高度約4.8kmまで自由落下した時 点で、ノーズキャップが外れ、パイロットシュートが開いてドログシュー トを引き出す。このドログシュートにより降下速度が毎秒180mから94mに減 速されたところで3基のメインパラシュートが開いて最終降下状態に入る。

 このパラシュート回収システムの試験は2007年9月から2010年までの予定 で行われており、2007年9月と11月には1基のメインパラシュートの試験を行 っている

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jul/HQ_08187_Ares_drogue_chute.html

【080728-07】
 NASAのLunar Reconnaissance Orbiterの打上げ、軍事優先で遅れる?

 7月25日付けのAVIATION WEEKのAEROSPACE DAILY AND DEFENSE REPORT(ウ ェブ版)は、NASAが2008年10月末に打上げを予定しているLunar Reconnaissance Orbiter (LRO)と相乗りのLunar Crater Observation and Sensing Satellite (LCROSS)の打上げが2009年の2月か3月まで遅れると報じている。

 これらの探査機ははケープカナベラルからAtlas Vで打ち上げられる予定 となっているが、2008年11月に同じケープカナベラルからの同じロケットで の国防総省の秘密の衛星の打上げを優先させることから遅れが求められてい るとしている。但し、現状ではNASAは打上げ遅延を認めてはいないとしている。

 http://www.aviationnow.com/aw/generic/story.jsp?
 id=news/LRO072508.xml&headline=LRO%20Launch%20Delayed%20to%
 202009&channel=space


【080728-08】
 Arianespace、EUMETSATのMSG-4の打上げ契約獲得

 7月22日、ArianespaceはEUMETSAT(European Meteorological Satellite organization)との間で、2013年の前半にギアナの射場からAriane 5かSoyuz により欧州の新世代の気象衛星Mateosat Second Generation衛星の4基目と なるMSG-4の打上げに関する契約を結んだことを明らかにした。

 MSG-4はThales Alenia Space製で、質量は2,000kgである。

 Arianespaceでは2002年8月にMSG-1を、2005年12月にMSG-2を打ち上げてお り、MSG-3を2010年に打ち上げることになっている。

 http://www.arianespace.com/site/news/releases/08_07_22_release_index.html

【080728-09】
 ロシアとESA、共同開発の有人宇宙船のイメージを公表

 7月22日付けのBBC NEWS(ウェブ版)は、ロシアと欧州が共同で開発に着手 しようとしている有人宇宙船のイメージが明らかにされたと報じている。

 先のファンボロ-エアショウでロシアのRKK Energiaが公表したデザインに 基づいて、ロシアの航空宇宙関係のライターでグラフィックデザイナーの Anatoly Zakが完成予想図を起こしたもの。

 ロシアが用いている有人宇宙船Soyuzの後継機として計画されているもので、 低軌道へ6人、月へ4人を運ぶことを目指しており、米国のAres I/Orionシス テムと完全に競合する仕様となっている。

 設計の考え方で特徴的なことは、地球帰還の際に、これまでのカプセル型 の宇宙船では用いられたことがないスラスタによる減速を行い、脚を用いた ソフトランディングを行うとしていることである。

 ロシアと欧州の分担については、ロシアがクルーが搭乗するカプセル、欧 州が推進系、制御系等を備えたサービスモジュールとの合意がほぼできたと されている。

 http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7519723.stm

【080728-10】
 ESA、地球科学分野の観測を支援する新しいプログラムを立ち上げ

 7月15日付けのプレスリリースでESAは、地球科学分野の観測を支援する新 しいプログラムを立ち上げることを明らかにした。

 ESAは1990年代の半ばからLiving Planet Programmeを推進し地球科学に関 係する衛星からの観測に関してその分野の科学者達と密接な関係を保ちつつ 適切なミッションを実行する体制を確立してきた。

 2006年には地球システムとそれに与える人類の活動の影響への理解を更に 深めるためにLiving Planet Programmeの方向性を定める新しい科学戦略を 明らかにした。

 戦略には25のキーとなる科学的チャレンジが含まれており、それらはESAが 内部のEarth Science Advisory Committee (ESAC)の指導の下で、外部の科学 者集団の助言を受けつつ行う地球を理解するための幅広い能力の開発の方向 付けを行うものとなる。

 この状況下で、戦略の強化と研究者や企業に対するESAの科学的支援を強化 するために、今回、Earth Observation Envelope Programme (EOEP)の新しい 要素として、Support to Science Element (STSE)をスタートさせた。

 STSEは、進行中及び将来のミッションに対する先見性を持った科学的側面 からの支援を行い、新しいミッションのコンセプトの提案や関連する科学的 課題の明確化等の面で役に立つことを考えている。

 このプログラムの推進には5年間で2,500万ユーロの予算が割り当てられて おり、ESAは今後以下の4つのAction Lineに沿って研究機関及び企業の研究 開発活動をカバーする様なInvitations to Tender (ITT)を発して行く。

 (1)Future Mission Concept
 (2)Novel Observations and Products
 (3)Support to Earth Science
 (4)Strategic Actions

 http://www.esa.int/esaCP/SEMPK1THKHF_index_0.html

【080728-11】
 ESA、次のEarth Explorerの候補ミッションをピアレビューで絞ることを計画

 7月17日、ESAは2005年に実施したCall for Core Earth Explorer Ideasへ の24件の応募の中から選ばれて初期検討を行って来た6件の提案について、 次の段階に進むための評価の重要なステップとして観測データを利用する人 達が集まるEarth Explorer User Consultation Meetingにおいて意見を聴取 する予定であることを明らかにした。

 この会合は2009年1月20日と21日にリスボンで開催されることになってい るが、ここでこれまでの検討結果の発表を行い、ユーザの意見を聞くこと を次のステップであるフィージビリティスタディに進む3件を選定するため のピアレビューの重要なステップと位置付けている。

 6件の候補ミッションのタイトルは以下の通りであり、この中からフィー ジビリティスタディが終わった段階で、1件が選ばれてGOCE、CryoSat、SMOS、 ADM-Aeolus、Swarm及び EarthCAREに継ぐ7つ目のEarth Explorer ミッショ ンとして採用されることとなる。

 (1)A-SCOPE
 (2)BIOMASS
 (3)CoreH2O
 (4)FLEX
 (5)PREMIER
 (6)TRAQ

 http://www.esa.int/esaCP/SEM6W4THKHF_index_0.html

【080728-12】
 ESA、Galileoのビジネス利用のアイデアコンペの最優秀者に特別賞

 7月21日、ESAは2008 European Satellite Navigation Competition (ESNC) の最優秀者であるGalileo Master 2008に与えるESAの特別賞“Inovstion Prize”の内容を明らかにした。

 ENSCは、欧州が開発している測位衛星システムGalileoのビジネスへの活 用法に関するアイデアを競うもので、ドイツのAnwendungszentrum GmbH Oberpfaffenhofen が主宰しており、ESAはスポンサーとなっている。

 Galileo Master 2008には、2万ユーロの賞金が授与され、且つ、6ヶ月間 無料で欧州内の望みの事業育成センタの中にオフィススペースが貸与され、 新規事業開始のためのコンサルテーションのサポートが与えられる。

 これに加えて、ESAの用意している賞は、最優秀者にESA Business Incubation の特別な支援…資金及び経営ノウハウ…を提供しそのアイデアの事業 化を促進しようというものである。

 http://www.esa.int/esaCP/SEMX8JWIPIF_index_0.html

【080728-13】
 NASA、Internet Archiveの協力で全ての画像・映像・音声のライブラリを開設

 7月24日、NASAと非営利のデジタルライブラリ事業を展開するInternet Archive は、NASAの画像などを集めたWebサイト“NASA Images”を公開した。

 これまでNASAでは、歴史的なフィルムや音声、動画、画像を21のコレクシ ョンに分けて保存してきたが、今回これらを1ヵ所に集め、ネットで検索で きるようにしたことで、より利用し易いものとなった。

 今回のサイト開設は、NASAとInternet Archiveの5年間に及ぶ提携関係の 第一歩であり、今後、更に数百万の画像、何千時間もの動画、音声コンテン ツが追加され、これらが容易に検索できる様になり、新たな機能も追加され る予定であるとしている。

 今回、NASA Imagesで公開された画像には、アポロ計画の画像の他、ハッ ブル宇宙望遠鏡で撮影したものや、NASAが開発した実験用航空機の画像など が含まれている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jul/HQ_08173_NASAIMAGES_rollout.html

【080728-14】
 NASA、月面ローバによる月の土壌の掘削コンペ開催…地上での模擬

 8月2日と3日に、カリフォルニア工科大学サンルイスオビスポ校で、NASA のCentennial Challengesプログラム課題の一つであるRegolith Excavation Challengeの競技会が開催される。

 この競技は自動の掘削機を製作して、月面に模した砂場で、30分間にどれ だけの“月の土壌”を掘って所定の場所まで運ぶことができるかを競うもの で、最低量として150kgを達成しないと採点の対象にならない。

 昨年の大会ではどのチームもこの最低量をクリアできず、賞金の25万ドル が今年に繰り越しになっているため、今年の賞金は1位に50万ドル、2位に25 万ドルとなっている。

 昨年は4チームだけの参加であったが、今年は25チームが参加している。 殆どが個人の資格での参加であるが、中にはおもちゃの会社及びIT関係の会 社のエントリーもある。また、4つのチームが大学と組んでいる。

 Centennial Challengesは新しい宇宙探査計画のサポートとなる様な技術 ブレークスルーに少額ではあるが賞金を出すことで、技術開発意欲と若干の 名誉欲とを刺激し、NASAとして効果的に新しい技術を手に入れようという考 え方で、2005年度に予算が認められてスタートしている。

 各種の競技の運営はそれぞれ何れかの企業または団体がボランティアで行 うのが通例となっており、今回の競技会の運営にはThe California Space Education and Workforce Instituteが当たる。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jul/HQ_08186_regolith_challenge.html

【080728-15】
 米FCC、XM Satellite RadioとSIRIUS Satellite Radioの合併を許可

 7月26日、米連邦通信委員会(Federal Communications Commission:FCC) は、米国の衛星ラジオ放送事業者の最大手のXM Satellite Radio Holdings と第2位のSIRIUS Satellite Radio Incの合併を許可する決定を下した。

 両社は2007年2月に2007年末までに合併することで合意したことを発表し ており、それ以来、17ヵ月を要した官側の検討が漸く終了したもの。司法省 は2008年3月に、合併による経営合理化の恩恵が見込めること等を根拠に、 合併によって消費者に不利な状況が生ずる可能性は低いとの見解を示して合 併を承認している。

 FCCの決定は委員5人の投票で3対2で行われたもので、条件として、両社の これまでの事業の進め方の不適切さに対して科せられている約2,000万ドル の罰金を支払うことが付されている。

 http://www.washingtonpost.com/wp-
 dyn/content/article/2008/07/25/AR2008072503026.html?hpid=topnews


【080728-16】
 メンズファッションのDKNY MEN、Rocket Racing Leagueに衣服を提供

 7月24日、有名メンズファッションブランドの“DKNY MEN”(Donna Karan New York Men)は、エンターテイメントとしてのロケットのレースをプロモ ートするRocket Racing League (RRL)に衣服を提供する公式スポンサーとな ったことを明らかにした。
 DKNY MENはレースに参加するパイロットと地上クルーのフライトスーツ及 びRRLの役員の制服をデザインして製作し提供する。

 その見返りとして、RRLではレースに使用する全てのロケットプレーンの 翼にロゴマーク “DKNY”を大書することとしている。

 なお、DKNY MENはレースに参加するチームの一つであるBridenstine Roc- ket Racingのスポンサーにもなっている。

 http://www.fibre2fashion.com/news/apparel-news/newsdetails.aspx?news_id=60266

【080728-17】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

7/22  ISS・きぼうウィークリーニュース第303号
7/22  JAXA宇宙飛行士活動レポート2008年6月
7/22  国際宇宙ステーション搭乗宇宙飛行士候補者の書類選抜結果について
7/22  大学等連携推進室のページを開設しました
7/22  流体物理実験の紹介ページを開設しました
7/22  受動積算型宇宙放射線線量計(PADLES)の詳細ページを開設しました
7/23  18回帰K&Cモザイクプロダクトの公開
7/23  第2回「きぼう」有償利用テーマ募集の進め方について
7/23  S-310/S-520/SS-520 プロジェクトマネージャから
7/23  広報誌「空と宙」No.25(PDFファイルが開きます)
7/24  「きぼう」日本実験棟 第2回有償利用説明会の開催について
7/24  地球が見える:かつて長安と呼ばれた古都、西安
7/24  特集:太陽観測衛星「ひので」
7/24  宇宙教育情報誌“宇宙(そら)のとびら”第4号発行について
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