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メールマガジン「週刊KU-MA」 第6号          [2008.8.6]
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■目次----------------------------------------------------------------
(1)YMコラム
     「アメリカの「ファルコン1」ロケット、3度目の打ち上げ失敗」

(2)ワンダフル宇宙(6)
     「動物の「いのち」は「器物」か?〜動物のいのちも大切に〜」
     「周期ゼミの世界(その4)」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」
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■YMコラム(6) 2008年8月6日
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 アメリカの「ファルコン1」ロケット、3度目の打ち上げ失敗
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 ハワイの南西4000km、中部太平洋のクウァジャレイン環礁(Kwajalein Atoll)にOmelekという島があります。

 http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/17/Kwajalein_Atoll.png

 この島のアメリカ陸軍レーガン発射基地から、さる8月3日午後11時34分 (米国中部時間、国際標準時午前3時34分)に、「ファルコン1」ロケッ トが打ち上げられました。1段目は完璧な飛翔を見せ、管制室が沸きまし たが、発射後2分39分、段間の分離がうまくいかず、2段目は1段目をくっ つけたまま海上に落下してしまいました。このロケットには、国防総省の 衛星Trailblazer、NASAの小型実験室PRESat、同じくNASAのソーラーセイ ル実験機NanoSail-Dが搭載されていましたが、すべて海の藻屑となりまし た。

 「ファルコン1」ロケットは、アメリカが民間ロケットとして財政援助 をしているものの一つで、IT長者エロン・マスクが2002年に設立した 「スペースX社」が開発を進めています。

 http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4e/SpaceX_falcon_Washington_DC.jpg

 2006年8月、「ロケットプレーン・キスラー社」とともに、100社を越す 候補の中なら商業用ロケットの開発担当会社に選定された「スペースX社」 は、現在この小型の「ファルコン1」と同時並行で中型の「ファルコン5」 と大型の「ファルコン9」というロケットも開発中で、いずれも2段式液 体ロケット。燃料には液体酸素とケロシンを使用しています。1段目をパ ラシュートを使って海上で回収するため、大幅なコストダウンが望めます。

 ファルコン1とファルコン5は小型衛星の打ち上げ市場に殴り込みをか け、ファルコン9は、「デルタ」や「アトラス」など、ボーイング社やロ ッキード・マーティン社などの大企業とつばぜり合いをしていこうという ものです。その志やよしというところです。ところで、空軍士官学校の衛 星FalconSatを乗せてファルコン1が最初に打ち上げられたのは2006年3月 25日のこと。発射後29秒後、ファルコン1ロケットは燃料漏れが原因エン ジンが停止し、失敗。次いで2007年3月に発射された2号機は、2段目の燃 料のスロッシングが起きてスピンに異常を来し、衛星軌道に到達せず。満 を持して打ち上げた今回の打ち上げも失敗してしまいました。スペースX 社のCEOであるマスクさんは、「大丈夫、大丈夫、金はいくらでもある」 と胸を張っていますが、「着眼大局、着手小局」で乗り切ってほしいもの です。

 現在国際宇宙ステーション(ISS: International Space Station)とい う馬鹿でかい宇宙建造物を組み立てている最中であることは、みなさん御 存知でしょう。これは2010年の完成をめざしているものですが、このため に人員やら物資やらを運んでいるのが、アメリカのスペースシャトルとロ シアのソユーズ・ロケットです。そしてスペースシャトルの方は、何と言 っても老朽化をしているので、2010年にISSを完成させたら引退すること になっています。その後はアメリカの宇宙輸送はどうなるのでしょうか。 まず、スペースシャトルの後の宇宙輸送を担わせようとNASAが考えている のが「オライオン・プロジェクト」です。オライオン・プロジェクトは、

  Ares I(アレース1):中型ロケット。人間を運ぶ。使い捨て。
  Ares V(アレース5):大型。貨物運搬用。使い捨て。
  Orion(オライオン): CEVの愛称。有人宇宙船。ISSへ、 さらに月・火星への飛行。

 の3つから成ります。

 当初、このうちの有人宇宙船CEV(Crew Exploration Vehicle)のことを Antares(アンタレス)とかArtemis(アルテミス) と呼んでいたこともありましたが、いまではOrion(オライオン)が、プロ ジェクトの名前と有人宇宙船の名前の両方に使われています。ちょうど19 60年代にApollo(アポロ)という名が、プロジェクトと有人宇宙船の両方 に使われていたのと同じですね。なお、「オライオン計画」または「オリ オン計画」というのは、オリオン計画またはオライオン計画 (Project Orion) は、アメリカで1950年代から60 年代にかけて行われた、核パルス 推進を動力源とする宇宙船の最初の工学的な研究開発計画の名でもありま すので、混同されないように。

 というわけでNASAは「オライオン・プロジェクト」の完成を急いでいる わけですが、その本格運用は2015年をめざしているのです。となると、 ISSの完成する2010年から5年間の空白期間が生じますね。今のままだと、 この空白期間はロシアのソユーズが人間を運んでくれなければ、アメリカ は月に行くための乗員の輸送手段を失うわけです。上に書いた「アレース」 ロケットが本格始動するまでは、何とか我慢しなければ……。そのどさく さに割って入ろうとしているのが「スペースX社」です。アメリカ政府が スペースX社に期待するのは、?「オライオン」のように、月や火星をめざ すビッグでリスキーなプロジェクトは国がやるので、

 (1)地球周回の小型衛星などは民間で取り組んでほしい
 (2)空白の5年間のISSへの物資輸送を受け持ってほしい
 (3)宇宙旅行についての人々の欲求を満たすための事業をリードしてほしい

 などです。

 今回のフライトで1段目に使った「マーリン1C」というメインエンジン は、ファルコン9にも用いるもので、この新型エンジンが極めて立派に働 いたので、スペースX社では「大きな前進」と考えているでしょう。

 http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/9c/SpaceX_falcon_in_warehouse.jpg

 それにしても段間分離などという最近はあまり耳にしない事故で軌道に届 かなかったとは、ちょっと残念ですね。まあ、初めから順調よりも色々と 苦労する幕開けのほうがいいとは思いますがね。NASAが援助している会社 のロケットが、初号機から3つ続けて打ち上げに失敗したとなると、ライ バルだったボーイングやロッキード・マーティンなどは強い批判を浴びせ るでしょうし、スペースX社のロケットによる宇宙旅行に不安を抱く人も 多くなるでしょう。民間の開発は信用第一ですから、早く事故の分析結果 を見たいものですね。

(YM)


■ワンダフル宇宙(6) 2008年8月6日
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 動物の「いのち」は「器物」か? 〜動物のいのちも大切に〜
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 東京からの新幹線の電光板に“44歳の男が、チワワが怖いからと蹴り殺 し、器物損壊罪で逮捕された”のテロップが流れた。動物の「いのち」が、 器物扱いされていることに強い抵抗感を覚えた。文明開化から150年経ち、先 進国の仲間入り日本が、いまだ信じられないような法律を墨守していること に愕然とする。

 隣町に犬のリハビリテーションセンターがある。ときどきお邪魔する。そ こで見聞きすることは、動物の「いのち」が大切にされていないと感じるこ とばかりである。真っ暗な部屋で長期間飼育されたため、失明してしまった 犬、暴行で腰が立たなくなった犬など、飼育放棄など虐待で肉体的・精神的 障害を負った犬がたくさんいる。アニマルヒーリングとかコンパニオンアニ マルと持てはやされる陰で、利益を生まず、経費がかかるペットは捨てられ るか殺されるかの運命にある。まさに器物並みの取扱である。人間の身勝手 さによる犯罪行為だと思う。

 H13年に “動物の愛護及び管理に関する法律”(略称:動物愛護法)が改 正された。動物取扱業者の規制、罰則の強化などが盛込まれたが、実態は動 物を虐待から守る法律として機能しているとは言いがたい。法律を適正かつ 有効に機能させる組織(例えば、動物愛護団体)が弱いことが理由にあげられ る。英国は、130年も前に動物虐待防止法を制定し、動物愛護に努めてい る。現在、動物保護専任の警察官−アニマルポリス−が動物を虐待から守っ ていると聞く。動物愛護に対する我が国の取組みが、いかに遅れているかが 分かる。先ずは、刑法上、動物に対する殺傷行為は、器物損壊罪ではなく、 動物傷害罪とすべきである。恒久的には、動物愛護法が機能するような制度 の検討を望みたい。

 KU-MAは、設立の趣旨において、“日本の子どもたちが「故郷の星」と 「いのち」への限りない愛情を育んでいくこと”を謳っている。みずから 「いのち」を絶つ、他人の「いのち」を奪うニュースがない日はない。そ のような世情を反映して、「いのち」の尊厳や大切さを訴えている記事も 多い。しかし、動物の「いのち」が、器物扱いでは、その訴えも空しい。 「子どもたち」も大人の身勝手さを感じている。大人が変わらなければ、 子どもは変わらない。KU-MAは、未来を担う子どもを育むための会である。 同時に大人を変える/大人が変っていく会でもあると思う。

KU-MA監事 佐橋 克己


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 周期ゼミの世界(その4)
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 素数ゼミの話が思いもよらず長くなってしまいました。今回で終わりです。 それにしても10センチに満たない「いのち」が、なぜこんなに気にかかるの でしょうか。え?「セミのおしっこは木にかかるもんだ」って? 冗談冗談。

 素数ゼミたちが生き延びている間に、数万年の歳月が経ち、氷河時代も終 わって、地球は暖かくなってきました。すると素数ゼミの生きていく環境も 良くなってきたので、死亡率も減っていき、成虫もどんどん増えていったこ とでしょう。13年ぶりとか17年ぶりとかに出現するような虫を餌にするよう な物好きな鳥などはなかなかいませんし、大量に発生しすぎるので、食べき れないという事情もありました。

 しかしここで疑問が一つあります。暖かくなってくると、幼虫の成長は早 くなっていくでしょう。だったら7~9年ぐらいで羽化できるようになるので はないでしょうか? でも素数ゼミたちは、早く育っているにもかかわらず、 13年とか17年後まで羽化を待っているようなのです。早く育ったからといっ てすぐに地上に出ていっても、交尾の相手が見つからないと困るからでしょ うか。あるいは、生存競争が厳しい中で生き抜くために、一度に圧倒的な数 で出現するという「武器」を守り抜いたセミたちだけが、何とかその「血」 をつなぐことができたのでしょうか。

 アフリカに発した人類が、アジア、シベリアを経て、(おそらく陸続きだ った)ベーリング海を渡って北アメリカの地へ移住して行ったのは、約1万 年前のことでした。とすれば、この人類の先祖たちも、この素数ゼミの突然 の大量の出現に、肝をつぶしたことがあったかも知れませんね。大きな大き な環境の変化をたくましく生き抜いてきた素数ゼミたちに、私は心から大き な拍手を送りたい気持ちです。それにしても、現在の地球環境の急激な変化 は、この星の今を生きている生き物たちに劇的な変化を及ぼすに違いありま せん。せっかく氷河時代の厳しさを乗り越えた素数ゼミたちが、今後も生き 続けられるよう、気をつけていかなければならないのは、他ならぬ人間ども です。いのちの系譜を知っているのも私たちだけなんですから。

 ちょっと長い連載になってしまいました。次回からは、できるだけ読み切 りで切れのいい「ワンダフル宇宙」にしましょう。近日中にNASAが火星につ いて劇的発表をするとの噂が流れています。間に合えば次週はそれをとりあ げましょう。

                                                         的川 泰宣

■宇宙茫茫ヘッドライン
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【080804-01】 JAXA、観測ロケットS-520-24号機での結晶成長実験に成功
【080804-02】 Phoenix Mars Lander、火星の土壌サンプル中の氷の存在を確認
【080804-03】 SpaceX、Falcon 1の3回目の打上げにも失敗
【080804-04】 SpaceX、Falcon 9用のエンジンMerlin 1Cの9基同時の 燃焼試験に成功
【080804-05】 ロシア、DneprでタイのTHEOSを8月6日に打上げ予定
【080804-06】 ロシア、RockotでESAのGOCEを9月10日に打上げ予定
【080804-07】 NASA、2008年中の2回のシャトル打上げの3日繰り上げを検討
【080804-08】 米空軍、無人の有翼宇宙機X-37B Orbital Test Vehicleの飛行試験を計画
【080804-09】 世界9ヵ国の宇宙機関、月科学探査に関する国際会合を開催
【080804-10】 NASA、将来月面に展開するシステム関する概念検討契約を締結
【080804-11】 ESA、11月の宇宙関係閣僚会議で宇宙プログラムの方向性セット
【080804-12】 Virgin Galactic、SpaceShipTwoの母機“WhiteKnightTwo”を公開
【080804-13】 Rocket Racing League、レースに用いるRocket Racerの飛行を公開
【080804-14】 Lockheed Martin、オンライン教育プログラム“Orion's Path”を立ち上げ
【080804-15】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク
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【080804-01】 JAXA、観測ロケットS-520-24号機での結晶成長実験に成功
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 8月2日、JAXAは内之浦宇宙空間観測所から観測ロケットS-520-24号機を打 ち上げ、所期のデータの取得に成功した。

 今回の打上げは、ロケット飛行中の微小重力環境を利用した結晶成長のメ カニズム解明を目的としており、発射後55秒の開頭の後、結晶成長実験を開 始し、発射後274秒で最高高度293kmに達し、全ての実験を終え、内之浦南東 海上の予定された海域に落下した。この間、搭載された2種類の結晶成長実 験の機器は全て正常に動作した。

 ファセット結晶成長実験では発射後95秒から開始した結晶成長の様子を共 通光路型顕微干渉計および結晶成長制御・温度測定装置により観察した。

 ダイヤモンド合成実験では、通電加熱式ダイヤモンド合成装置および超小 型分光器により、結晶成長過程のリアルタイム計測を行った。

 http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/topics/2008/0802.shtml

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【080804-02】 Phoenix Mars Lander、火星の土壌サンプル中の氷の存在を確認
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 7月31日、NASAはPhoenix Mars Landerが火星の土壌サンプルの中に水の氷 が存在していたことを確認したと公表した。

 これまでの何回かの試行の後、漸くThermal and Evolved-Gas Analyzer (TEGA)に取り込んだサンプルを加熱して、発生したガスを分析した結果、水 蒸気を検出したというもの。

 火星に氷が存在することは2002年の周回軌道上からのMars Odysseyによる 観測や、6月半ばにPhoenixが撮影した画像の中で確認された変化から確かだ とされていたが、直接証拠を得たのは初めてである。

 また、NASAはこの成果の公表と同時に、着陸後90日間としていたPhoenix の主ミッションの期間を5週間延長して9月30日までとする予算措置を行った ことを明らかにした。

 今後は、水が液体の状態で存在したことはあるのか、また生命の形成に欠 かせない有機物を含んでいるのかを追求し、火星はこれまでに生命を育むこ とが可能な状態であったことがあるのかという点について確証を得ることが 最大の目標となる。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jul/HQ_08_195_Phoenix_water.html

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【080804-03】 SpaceX、Falcon 1の3回目の打上げにも失敗
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 8月2日、Space Exploration Technologies Corp.(SpaceX)は、マーシャル 諸島のクワジェリン環礁の射場からFalcon 1の打上げを行ったが、発射後約 2分半の時点で不具合が発生し、打上げは失敗に終わった。

 Falcon 1はこれまでの2回(2006年3月、2007年3月)の打上げで、最初は打 上げ直後の1段エンジンの爆発、2回目は1、2段分離時の機体の接触が引き金 となった2段の推進薬のスロッシングによる2段の早期燃焼終了という不具合 で、初打上げに完全に成功したとは言えない状況にあり、今回の打上げでの 成功を目指していたが、3回目も成功に至らなかった。

 同社の公式発表では、1、2段の分離が行われなかったことを認めているが、 これまでのアブレーティブ冷却方式の1段エンジンMerlin 1Aに変わって今回 初めて用いられた再生冷却方式の改良型エンジンMerlin 1Cについては完璧 な性能を発揮したとしている。

 また、同社のCEOであるElon Muskは、この際伝えたい最も重要なメッセー ジとして、「事業の進展は全く留まることはない」とのメッセージを発して いる。同社は現在4機のFalcon 1の打上げ準備が殆ど整った状況にあり、5機 目も早晩それに続くとしており、6機目の製造に取り掛かる指示を既に発し ているともしている。

 さらにMuskはSpaceXでは、今回の打上げの前に、万一の失敗にも耐えられ る様に新たに高額の投資を受け入れており、社内資金と合わせて、今後、 Falcon 1の打上げ、Falcon 9とDragonの開発に充てる資金は充分にあり、同 社として信頼さるべき宇宙輸送システムの実現を決して諦めることはない、 としている。

 http://www.spaceflightnow.com/falcon/003/

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【080804-04】 SpaceX、Falcon 9用のエンジンMerlin 1Cの9基同時の燃焼試験に成功
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 8月1日、Space Exploration Technologies Corp. (SpaceX)は、大型ロケ ットFalcon 9用のエンジンMerlin 1Cの初の9基同時の燃焼試験を7月30日に 行い良好な結果を得たことを明らかにした。

 続いて8月1日にも再度燃焼に成功し、これによりNASAの下で進めている Commercial Orbital Transportation Services (COTS)の主要マイルストー ンの一つを予定より2ヵ月早くクリアしたことになる。

 5月末に成功した5基同時の燃焼試験を踏まえて行われたFalcon 9の実機コ ンフィギュレーションでの試験で、合計推力は約377tonfを達成した。

 なお、同社では現在進めている燃料ポンプの性能向上により推力は約430 tonfに向上し、Falcon 9は米国の歴史上最強のロケットとなるとしている。

 http://www.spacex.com/press.php?page=45

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【080804-05】 ロシア、DneprでタイのTHEOSを8月6日に打上げ予定
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 8月4日、ロシアの戦略ミサイル軍(SMF)は、8月6日にウラル地方南部の Yasnyの射場から大陸間弾道ミサイルRS-20を転用した打上げロケットDnepr により、タイの地球観測衛星THEOSを打ち上げる予定であることを明らかに した。

 打上げに関する契約は2004年にロシアとウクライナの合弁企業ISC Kosmotras とタイの科学技術省の間で結ばれており、当初は2007年後半に打ち上げ られる予定であったが、打上げロケットの使用済みの段の落下点に関するロ シアとウズベキスタンの間での合意形成の遅れから2度に亘って延期されて いた。

 衛星はEADS Astrium 製で、質量750kg、高分解能のパンクロ望遠鏡と広範 囲をカバーするマルチスペクトラル装置を装備し、高度822km、軌道傾斜98. 7度の太陽同期軌道に投入される予定。タイではGeo-Informatics and Space Technology Development Agency (GISTDA)が運営し、農業、林業、天然資源 開発、国防などに利用する予定となっている。

 ISC KosmotrasはDneprでの打上げを1997年以来行っており、Yasnyからの 打上げは、2006年7月のGenesis I、2007年6月のGenesis II (何れも米国の Bigelow Aerospaceの軌道上で膨らませることにより形をなす構造体の実験 機)の打上げに続き、3回目となる。

 http://en.rian.ru/russia/20080804/115674633.html

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【080804-06】 ロシア、RockotでESAのGOCEを9月10日に打上げ予定
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 7月30日、ロシアのKhrunichev State Research and Production Center は、9月10日にプレセツクからRockotにより、ESAの地球の重力場の精密計 測を目的とした衛星GOCE (Gravity field and steady state Ocean Circulation Explorer mission)の打上げを行うことを明らかにした。本件は5月 27日に既にESAが明らかにしていたが、ロシアサイドとして初めて明らかに したもの。

 http://en.rian.ru/russia/20080730/115250193.html

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【080804-07】 NASA、2008年中の2回のシャトル打上げの3日繰り上げを検討
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 7月29日にFLORIDA TODAYは、NASAが2008年中の2回のスペースシャトルの 打上げターゲット日をそれぞれ3日ずつ早める検討を行っていると報じてい る。

 10月8日のAtlantisによるSTS-125ハッブル宇宙望遠鏡のメンテナンスミッ ションを10月5日に、11月10日のEndeavourによるISSへのSTS-126ミッション を11月7日にするというもので、8月14日に責任者の会合で決定される予定と している。

 この変更は、11月25日から12月17日の打上げとなった場合にはISSと太陽 との位置関係からシャトルがドッキングしている間に必要な電力が得られな いことからその間にはSTS-126の打上げを行うことができないこと、更には その後のクリスマスから新年の間にも打上げを避けたいことから、年内の打 上げ可能日を11月24日までとした上で、打上げターゲット日を可能な限り前 倒ししておこうという考え方によっている。

 http://www.floridatoday.com/apps/pbcs.dll/article?
 AID=/20080729/NEWS01/807290342/1006/news01


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【080804-08】 米空軍、無人の有翼宇宙機X-37B Orbital Test Vehicleの飛行試験を計画
 
関連記事:【080728-07】
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 7月29日付けのAVIATIONWEEK.COMは、先にNASAのLunar Reconnaissance Orbiter (LRO)と相乗りのLunar Crater Observation and Sensing Satellite (LCROSS)の打上げが、国防総省の秘密のミッションを優先させることか ら2009年の2月か3月まで遅れるとしていたが、そのミッションの具体的な内 容を報じている。

 国防総省の秘密の衛星ではなく、米空軍とBoeingが共同開発を行っている 無人の有翼宇宙機X-37B Orbital Test Vehicle (OTV)の初の飛行試験が計画 されているとしている。

 X-37Bは、2004年9月にそれまでNASAの管轄の下で空軍及びBoeingと進めて 来たX-37技術実証プログラムを国防総省の研究機関Defense Advanced Research Projects Agency (DARPA)の管轄に移したことを受けて、その後空軍と Boeingで進められているプログラムで、今回は11月に質量約5トン、長さ約 8.2m、翼幅約4.6mの機体をケープカナベラルからAtlas Vで軌道上に打ち上 げ、地球周回後にバンデンバーグかエドワーズの空軍基地に無人で着陸させ る実験を行う。

 空軍では軍事目的の宇宙利用の幅を広げるために、地上の滑走路に戻って くるまでに多くのミッションをこなすことができる有翼の宇宙機に期待を寄 せており、今回の実験は開発のリスク軽減、再利用可能な宇宙機の運用コン セプトの開発等を目的としている。

 http://www.aviationnow.com/aw/generic/story.jsp?
 id=news/SPACE07298.xml&headline=USAF%20Sets%20Orbital%20Spaceplane%20Test%
 20Flight&channel=space


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【080804-09】 世界9ヵ国の宇宙機関、月科学探査に関する国際会合を開催
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 7月29日、NASAは前の週にエイムス研究センタ(ARC)において9ヵ国の参加 の下に、新たな月科学探査の立ち上げに関する会合を開催したことを明らか にした。

 参加したのは、カナダ、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、韓 国、英国及び米国の宇宙機関で、International Lunar Network (ILN)と称 される国際活動提案に関する議論が行なわれた。

 ILNは、月面に6-8基の固定式または移動式科学拠点を段階的に設置する計 画で、月の表面や内部構造を研究するため、アポロ計画時代に残された初期 の探査機を受け継いで、第2世代の無人科学ネットワークを構築することが 考えられており、NASAは2013年から2014年頃に最初の2基の着陸機を打ち上 げる計画を持っている。

 ILN構想は、NASAの科学局が、2007年にNational Research Council (米国 国家研究評議会)が出したレポートに応える形で推進しているもので、その レポートでは、月がもたらす“甚大な科学的価値”と“月活動を広範な科学 及び探査活動に応用する”ことに言及している。

 この会合では、参加した9ヵ国の宇宙機関がILNへの参加についての関心表 明文書への署名を行っており、これによりILN活動の具体的な第一歩が踏み 出された。

 当面、参加機関は着陸地点の候補地、相互運用性のある周波数帯と通信標 準、特定された観測のための中核となる科学観測機器等の検討を進めるとさ れている。

 今後もILNに参加したい国(機関)があれば、計画的及び資金的に目処がつ いたところで参加可能とされており、参加の対象は着陸機、周回機、搭載 機器または重要な設備(地上設備や月の夜間に必要な電源供給も含む)等 が考えられている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jul/HQ_08190_NASA_hosts_ILN.html

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【080804-10】 NASA、将来月面に展開するシステム関する概念検討契約を締結
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 7月28日、NASAのConstellation Programは将来月面に展開するシステム関 する概念検討(Concepts of Lunar Surface Systems)の契約を締結する相手 を選定したことを明らかにした。

 11の企業と1つの大学が単独、或いは共同で6項目の課題について、180日 間の検討を行うことになる。契約額は総額で約200万ドル、個々には最大25 万ドルである。

課題と担当機関は以下の通り

 代替のパッケージング方法:Oceaneering Space Systems

 電子機器:Honeywell International, Inc.

 エネルギー貯蔵:ATK Space Systems Group、Battelle Memorial          Institute、及びHamilton Sundstrand

 居住に必要な最低機能:The Boeing Company、ILC Dover及びメリーランド大学

 レゴリス移動方法:Astrobotic Technology Inc.及びHoneybee Robotics

 ソフトウェア:The Charles Stark Draper Laboratory, Inc.及びUnited Space Alliance

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/jul/HQ_C0848_Lunar_surface_contract.html

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【080804-11】 ESA、11月の宇宙関係閣僚会議で宇宙プログラムの方向性セット
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 7月31日、ESAは2008年11月にオランダのハーグで開かれる、ESAメンバー 国とカナダの宇宙関係を所掌する閣僚の会合に向けての準備状況について明 らかにした。この会合では、今後のESAの宇宙プログラムの方向性をセット することを目指している。

 ESAのプログラムの主目的は、宇宙を欧州の独立と安全そして発展のため に基本的に重要な戦略的に価値あるものとして確たるものにすることにある。

 この目的を見据えて、閣僚達は以下の5つの視点を中心にプログラムのあ り方について議論することになる。

 欧州の公共政策、企業、市民に役立つ宇宙の応用
 欧州の安全と防衛のニーズへの対応
 競争力のある先進的な産業の育成
 知識ベースの社会への貢献
 独立と協力のための技術、システム及び能力へのアクセスの保証

 この様な幅広いプログラムを実現するためには新しESAの施設の建設が必 須であり、メンバー国との間で、宇宙分野の高度なニーズの応える最も効率 的なインフラは如何にあるべきかの交渉が進められている。

 この様な交渉の1つの例として、ここ2、3ヵ月英国とESAが気候変動、統合 的アプリケーション、ロボットによる探査の3つの分野を対象として英国に ESAの拠点を設けることができないかを話し合っている。

 http://www.esa.int/esaCP/SEM4568N9JF_index_0.html

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【080804-12】 Virgin Galactic、SpaceShipTwoの母機“WhiteKnightTwo”を公開
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 7月28日、米国カリフォルニア州のモハーベ砂漠にあるScaled Composites の格納庫において、英国のVirgin Groupの総帥Sir Richard Bransonは、自 ら興したVirgin Galacticが目指す宇宙空間への弾道観光飛行を行うロケット SpaceShipTwoの母機である航空機“WhiteKnightTwo”を初めて公開した。

 WhiteKnightTwoはVirgin Galacticからの発注を受けて、Scaled Composites の創設者で著名な航空機設計家のBurt Rutanが設計・開発したもの。

 Burt Rutanは、今回のSpaceShipTwo/WhiteKnightTwoの組合せのプロトタ イプとなるSpaceShipOne/ WhiteKnightの組合せで、2004年10月に民間資金 の下で民間によって開発されたロケットによる初の高度100kmへの飛行に成 功し、Ansari X Prizeを獲得している。

 WhiteKnightTwoは、2人の乗務員と6人の乗客を乗せて高度100kmまでの弾 道飛行を行うハイブリッドロケットエンジンを装備したSpaceShipTwoを、地 上から高度15,240m(5万フィート)まで懸架して運び上げるカーボン複合材を 用いた軽量構造の4発ジェットの双胴の航空機である。

 BransonとRutanはWhiteKnightTwoを単なるSpaceShipTwoの母機に終わらせ るのではなく、衛星の打上げや、地上での緊急事態発生時の救援物資の輸送 にも用いることが可能としている。

 http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7529978.stm

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【080804-13】 Rocket Racing League、レースに用いるRocket Racerの飛行を公開
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 7月29日、ロケットのレースをプロモートするRocket Racing League (RRL)は、初めてそのレースに用いるRocket Racerの飛行を公開した。

 初の公開飛行は米国ウィスコンシン州オシュコシュの空港で開催されてい たエアショウEAA AirVenture 2008の中で行われたもので、曽てスペースシ ャトルに2度搭乗してリタイア後、RRLのテストパイロットになったRichard A. Searfossが操縦して、約10分間行われた。

 このRocket Racerは、機体はVelocity Aircraft製、エンジンはXcor Aerospace 製であり、DKNYがスポンサーとなっているBridenstine Rocket Racing がレースに使用する予定のものであった。

 Rocket Racerのエンジンは液酸/ケロシンを推進薬とするXcor Aerospace 製のものと、液酸/エタノールを推進薬とするArmadillo Aerospaceのものが あり、今回の公開飛行では当初、両方のエンジンを着けたRocket Racer 2機 によるデモレースが予定されていたが、Armadillo製のエンジンに対して連 邦航空局(FAA)の飛行許可が下りずに単独の飛行となったもの。なお、Xcor 製のエンジンは飛行中に停止、再起動が可能で、今回の飛行でもそれを行っ ている。一方Armadillo製のエンジンは可変推力機能を有している。

 http://www.nytimes.com/2008/07/30/sports/othersports/30rocket.html?
 _r=2&ref=othersports&oref=slogin&oref=slogin


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【080804-14】 Lockheed Martin、オンライン教育プログラム“Orion's Path”を立ち上げ
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 7月28日、Lockheed MartinとSpace Foundation及びSpaceClass Inc.は、 “Orion's Path”と称するオンライン教育プログラムを立ち上げたことを明 らかにした。

 Orion's Pathはウェブ上での教育プログラムを提供しているサイトSpace Classの中の1つの双方向性の授業であって、ビデオやバーチャルな科学実験 室を用いて、教師と生徒とNASAのConstellationプログラムとを結びつけて、 生徒達を宇宙探査のために行われている研究に引き込むものである。

 宇宙船Orionはすばらしいビデオに収められており、生徒達は機体の状況 を詳しく知ったり、どの様な働きをするかを知ることができる。また、月面 居住区の専門家や宇宙服の専門家の話を聞いたり、宇宙飛行士から月探査の 重要性についての話を聞いたりすることもできる。更に、月の資源を使って 酸素や水を作る方法を学び、最後にはOrionに乗って火星にまで行って、火 星と月の地質、重力、温度等の比較を行うことができる。

 Orion開発の主契約者であるLockheed Martinは資金の提供と技術面での貢 献を為し、Space Foundationはサイトを利用する教師達が求める様々な宇宙 科学のトピックについての詳しい情報の提供を行う。そして、プログラムの 配信はSpace Classのウェブサイトで行われる。

 http://biz.yahoo.com/prnews/080728/aqm534.html?.v=10

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【080804-15】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク
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7/28  四川省地震における「だいち」データ提供への中国政府機関からの感謝状について
7/28  航空科学技術に関する研究開発の評価について
7/28  「だいち」による岩手県沿岸北部の地震の緊急観測結果について(2)
7/29  リーフレット「宇宙オープンラボ実例集2008」掲載
7/29  ISS・きぼうウィークリーニュース第304号
7/29  星出彰彦宇宙飛行士帰国報告会開催レポート
7/30  国家基幹技術「海洋地球観測探査システム」衛星観測監視システムへの取り組み
7/30  きく8号(ETS-VIII)実験の状況
7/30  衛星軌道上不具合分析・検討の状況
7/30  地球が見える:神々の島・バリ島
7/30  「かぐや」レーザ高度計(LALT)の観測で得られた月地形図を公開
7/31  宇宙教育センターは「創造性の育成塾」に協力しています
8/1  H-IIBロケット第1段厚肉タンクステージ燃焼試験の結果について
8/1  第3回子ども衛星アイデアコンテストの審査結果について
8/1  機関誌JAXA’s 021号
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