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メールマガジン「週刊KU-MA」 第14号          [2008.10.1]
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■目次----------------------------------------------------------------
(1)YMコラム
     「神舟7号、船外活動を終えて無事に地球帰還」

(2)ワンダフル宇宙
     「赤い大地に雪が降る」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」
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■YMコラム(14) 2008年10月1日
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 神舟7号、船外活動を終えて無事に地球帰還
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 さる9月28日のこと。「スリランカ展」を見るべく上野の国立博物館へ 出かけた。博物館の表慶館の入り口で切符を切ってもらって、さあ入ろう と足を展示室に踏み入れた途端に、「チャーラーラーラーララ」と、携帯 電話が着メロの「ふるさと」をズボンのポケットで奏で始めた。「なんと まあ最悪のタイミング」と感じる間もなく、会場の女性スタッフが「携帯 使用阻止」のために駆けつけてくる。「はいはいはい」とばかりに心得顔 で会場の入り口まで後退して、携帯に耳を当てたところ、なつかしいNH Kの松永記者の声。

 「ああよかった、つかまった。実はですね。今日の夕方に中国が船外活動をするのでですね。
 スタジオまでちょっとお越し願えれば……」

 「あれ、松永さん、宇宙担当を離れたんじゃなかった?」

 「ええそれはそうなんですが、これは一般番組のニュースの枠なので」

 「なるほど。でもボク、いまスリランカ展を見たいんだけど」

 「そうですか。でも時間は少し余裕がありますので」

 「でもボクいまトレーナーを着ているから、ちょっとこのままではNHKには行けないから」

 「ではそこまで車を回しますから、それに乗ってご自宅経由でNHKへということで」

 と、結局大急ぎでスリランカの歴史的財宝の数々を見てまわり、いつも の強引な手で誘拐されました。

 先週お伝えした中国3回目の有人宇宙飛行は、さる9月29日に、すべて のスケジュールを果たして地球に帰還しました。船外活動の一部始終は、 「誘拐」されたおかげでNHKの一室においてゆっくりと楽しむことがで きました。タク志剛(初めの字は洗濯の濯からサンズイを省いたものです。 タクとかテキとか読みます。先週の記事は間違いです。すみません。)飛 行士がハッチから姿を現したときは、やはり感動的でした。人類の宇宙へ の道が多様になっていくこと自体は歓迎すべきことです。同時に、なぜこ の日本が有人飛行にもっと本格的に取り組めないのかと、解説をしながら だんだんと寂しくなっていく自分に気づきました。

 それはさておき。タク志剛飛行士は、中国の国旗を振ったり、宇宙船に 打上げ前から取り付けてあった試験用の固体潤滑剤の箱を回収したりしな がら、非常に慎重にガイドレールにつかまりながら宇宙船の周辺を徘徊し、 15分間で船内にひき上げました。そして9月29日午後6時40分(JST)、3人 の飛行士を乗せた神舟7号は、68時間のミッションを終え、無事地球に帰 還しました。これで中国は、自身の言っている有人飛行計画の第一段階を 終了したことになります。次の第二段階は、小さな実験室作りを通じての ドッキング技術の習得、第三段階は大型の宇宙ステーションの建設です。 この第二段階の小型実験室を、中国は2010年に建設するつもりのようです。 以下のページとそれにつづくページに、沢山の写真が載っていますよ。し ゃくだけどご覧ください。優勝チームの胴上げを見る相手チームの選手っ て、きっとこんな感じなのでしょうね。

  http://news.xinhuanet.com/english/2008-09/28/content_10128407.htm

 有人飛行のような計画は、トップダウンでないと決して実現しません。 宇宙基本法の後に来る総理大臣を長とする戦略本部の動きに期待する向き も多いようですが、現在聞こえてくる限りでは、軍事とGXロケット復活 という議論だけが華々しいようで、全般的な政治の傾向と同様に、世界と 人類の現段階を踏まえて、この経済大国がどのような歴史的貢献をするか という気概は伝わってきません。もうじき発足する専門委員会にそのよう な大局的長期的観点からの戦略作りを、切に希望するものです。私として は、そのようなたくましさと知性と野心に溢れた次世代の育成に、多くの 仲間のみなさんと邁進するつもりです。最近の政局を見ていれば、現在の 政治にすべてを賭けるのは危険な気がしますからね。

(YM)

■ワンダフル宇宙(14) 2008年10月1日
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 赤い大地に雪が降る
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 NASAの火星探査機「フェニックス」が、火星の空に雪を確認したとの報 告が入った。レーザーを使って火星の大気と地表との相互作用を調べるた めに搭載されている機器の快挙である。着陸地の上空4 kmで舞う雪は、地 上に届く前に蒸発してしまったとのこと。この機器の主任であるヨーク大 学のジム・ホワイトウェイ博士は、「今度こそ地上に到達する姿をとらえ たい」と張り切っている。いやあロマンチックですなあ。

 また「フェニックス」からは、炭酸カルシウムの発見につながる分析も 報告されている。炭酸カルシウムは、ご存知のようにあのチョークの主成 分であり、その粒が粘土を形作る。地球上では液体の水がなければ生成さ れない。この成果は、前にも触れたTEGA (Thermal and Evolved Gas Analyzer) とMECA (Microscopy, Electrochemistry and Conductivity Analyzer) という二つの機器が成し遂げたものである。なお、「フェニック ス」が撮影した火星の粘土状の表面が、以下のページに掲載されている

  http://uanews.org/node/21737

 火星探査機「フェニックス」は、寿命3ヶ月の予定で打ち上げられたが、 すでに5ヶ月を経過しており、太陽電池の出力も低下しつつあるので、今 年の末までには機能を停止するだろうと見られている。着陸してから3ヶ 月間は、太陽が地平線の下に沈むことはなかっただろうが、それ以後は少 しずつ夜が入るようになり、今ではおそらく1日に4時間ぐらいが夜になっ ているだろう。ということは、太陽電池の出力がどんどん落ちているはず であり、10月末くらいにはロボットアームを起動するパワーさえ供給でき なくなると思われる。チームは、機能停止の前にマイクロフォンを立ち上 げて、火星表面の音をモニターしたいと考えているようである。

■宇宙茫茫ヘッドライン
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【080929-01】 中国、3人乗りの“神舟7号”の打上げ・船外活動・回収に成功
【080929-02】 NASA、STS-125と-126の打上げターゲット日を4日遅れに変更
【080929-03】 NASAの火星ローバOpportunity、11km先の新たな目標に向かう
【080929-04】 Sea Launch、海上からZenit-3SLによりIntelsatのGalaxy 19の打上げ成功
【080929-05】 ロシア、バイコヌールからProton Mにより3基のGlonassの打上げ成功
【080929-06】 SpaceX、“四度目の正直”でFalcon 1の初飛行に成功
【080929-07】 ESAのATV“Jules Verne”、大気圏再突入でミッション終了
【080929-08】 ロシア、Soyuz TMA-13の搭乗員を承認
【080929-09】 ロシア、Soyuz TMA-11の分離不具合はプラズマ環境が原因との見解
【080929-10】 米議会でNASAの予算関係審議に進展
【080929-11】 Rocketdyne、Delta IV Heavyの能力増強用エンジンの初の燃焼試験成功
【080929-12】 Sea Launch、O3b Networksの衛星の打上げ契約獲得
【080929-13】 IridiumのGHL Acquisitionによる買収決定…Iridium Communicationsに
【080929-14】 ESA、新宇宙飛行士候補の選定第2段階へ…192人に絞られる
【080929-15】 NASA、月探査関連の初期概念検討の結果の報告会開催
【080929-16】 NASA、“Send Your Name Around the Earth”キャンペーン…Gloryに搭載
【080929-17】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク
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【080929-01】中国、3人乗りの“神舟7号”の打上げ・船外活動・回収に成功
 
関連記事:【080922-05】
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 9月25日21:10(北京時間、以下同じ)、中国国家航天局(CNSA)は、タク 志剛(Zhai Zhigang)、劉伯明(Liu Boming)及び景海鵬(Jing Haipeng)の3人 を乗せた“神舟7号”を甘粛省の酒泉衛星発射センタから長征2Fにより打ち 上げ、高度約340kmの軌道への投入に成功した。
  http://news.xinhuanet.com/english/2008-09/25/content_10111476.htm

 中国では、有人宇宙プログラムを3段階で進めるとしており、第1段階の 無人の宇宙船の打上げを経て、第2段階で既に2回の有人打上げを成功させ ているが、今回は第2段階の中での重要課題とされている船外活動を行うこ とが最大の目的とされている。第2段階では更に軌道上でのドッキング技術 の確立が目標に掲げられており、これは後続のミッションに残されている。 最終的な目標は、恒久的な宇宙研究室を構築することとされている。

 なお、船外活動以外の今回の目的として、宇宙空間で使用する固体潤滑 剤と太陽電池パネルの試験、小型のモニタ用の衛星の放出とその軌道制御、 宇宙から地上へのデータリレーの試行が上げられている。

  http://news.xinhuanet.com/english/2008-09/26/content_10112553.htm

 9月27日には船外活動が行われた。16:35にハッチが開けられ、中国製宇 宙服“飛天”を着用した?志剛は16:43に船外に出て、約20分間船外に居て、 先ず中国国旗を振った後、船外に取り付けてあった固体潤滑剤のサンプル を回収した。船外活動の様子は宇宙船の外部に取り付けられたビデオカメ ラで撮影され、地上に生中継された。

 タク志剛の船外活動の間、劉伯明と景海鵬はロシア製のOrlan宇宙服を着 用してサポートを行った。劉伯明はハッチから上半身を出して?志剛に国旗 を渡す、回収した固体潤滑剤を受け取る等のサポートを行い、景海鵬は船 内で指示の役割を果たした。

  http://news.xinhuanet.com/english/2008-09/27/content_10121998.htm

 船外活動の終了後に、質量約40kgの小型の衛星を放出し、宇宙船との相 対運動の制御、外部からの宇宙船の映像の取得を行った。小型衛星には2基 のカメラを搭載しており、宇宙船からの距離4mから2kmの範囲で鮮明な映像 を得ることができる。

  http://news.xinhuanet.com/english/2008-09/27/content_10123015.htm

 神舟7号は9月28日16:30に軌道離脱噴射を行い、17:19にパラシュート を開き、17:29に中国の内モンゴル自治区の予め定められた着陸場所に無 事着陸した。着陸の10分後にはヘリコプタが着陸地点に到着し、直後にク ルーは自力で船外に出て元気な姿を見せた。

  http://news.xinhuanet.com/english/2008-09/28/content_10128407.htm

※タク志剛のタクは洗濯の濯からサンズイを省いたもの

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【080929-02】NASA、STS-125と-126の打上げターゲット日を4日遅れに変更
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 9月24日、NASAはSTS-125ミッションでハッブル宇宙望遠鏡のメンテナン スに向かうスペースシャトルの打上げのターゲット日を10月10日から4日 遅らせて14日とすることを明らかにした。14日の打上げ予定時刻は22:19 EDT(15日11:19JST)とされている。

 この延期の主たる理由は、ハリケーンIkeの影響でジョンソン宇宙センタ が9月11日から約10日間閉鎖されたことによるクルーの訓練の遅れ、即ち、 7日分の訓練ができずに、ハッブル宇宙望遠鏡のメンテナンスのための大型 水槽の中での船外活動の訓練を行うことができなかったためとされている。 また、9月17日から22日に掛けて生じたペイロードコンテナに関するトラブ ルのための射点での作業遅れ(関連記事:【080922-03】)も理由の一部とさ れている。

 今回のSTS-125の打上げターゲット日の変更に伴い、11月12日とされてい たSTS-126の打上げターゲット日も16日に変更された。

 なお、STS-125の飛行準備審査会は、これまでの予定通り10月2日、3日に 開催されることとなっており、STS-125の打上げ日はここで決定される。

  http://www.spaceflightnow.com/shuttle/sts125/080924newdates/

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【080929-03】NASAの火星ローバOpportunity、11km先の新たな目標に向かう
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 9月22日、NASAは火星ローバOpportunityの新たな目標を明らかにした。 OpportunityはVictoria Craterの内側の探査を終えて平地に戻ったところ で、あちこちに点在している丸石の詳細観察を行うとされていたが(関連 記事:【080901-04】)、更に、新たに大きなクレーターに向かい、その縁 から内側を観察することを目指すことになったもの。

 目標とするクレーターはOpportunityとSpiritを運用しているチームが “Endeavour”と称している直径22kmの大きなもので、Opportunityの現在 位置からは約11km離れており、この距離は2004年1月の火星への着陸以来 これまでの4年半余りの間に走破した距離に匹敵する。

 これは、想定されていたミッション期間を遙かに超えて運用されている Opportunityにとっては厳しい目標ではあるが、2005年から2006年に掛け て約21ヵ月を要してVictoria Craterへの約6.4kmの移動を行った時に比べ て2つの点で、確実なルート選定ができる状況が整っており、目標地点到 達への期待が持たれている。

 一つは2006年に火星周回軌道に入ったMars Reconnaissance Orbiterに 搭載されているHigh Resolution Imaging Science Experiment (HiRISE) カメラで、上空から地表の詳細な情報が得られること、もう一つは更新 されたソフトウェアにより、自律的に障害を避けてルートを設定できる 様になっていることである。

  http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/sep/HQ_08240_Mars_Rover_to_move.html

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【080929-04】Sea Launch、海上からZenit-3SLによりIntelsatのGalaxy19の打上げ成功
 
関連記事:【080915-04】
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 9月24日、Sea Launch Companyは西経154度の赤道上の海上発射台Odyssey から Zenit-3SLによりIntelsatの衛星Galaxy 19の打上げを行い、所期の軌 道への投入に成功した。

 衛星は、Space Systems/Loralの1300シリーズのプラットフォームをベー スとして、52本のトランスポンダを搭載しており、質量は4,690kgである。

 西経97度に静止予定で、北米大陸からメキシコに掛けての地域にサービ スを提供する。

  http://www.sea-launch.com/news_releases/nr_082409.html

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【080929-05】ロシア、バイコヌールからProton Mにより3基のGlonassの打上げ成功
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 9月25日、ロシアはバイコヌールからProton Mにより、測位衛星システム GLONASSを構成する3基のGlonassの打上げを行い、所期の軌道への投入に成 功した。

 GLONASSは最終的には24基の衛星で構成されることとなっており、2008年 1月に3基の衛星が打ち上げられた時にはその時点で軌道上の衛星は18基とな ったとされていたが、今回の打上げ前の情報では軌道上にあるのは16基でし かもその内3基は実用に供されていないとされており、ロシア連邦宇宙局の Anatoly Perminov長官は、9月5日に、Glonass は2011年までには現在の16基 から30基に増えると語っている。

  http://en.rian.ru/russia/20080925/117094792.html

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【080929-06】SpaceX、“四度目の正直”でFalcon 1の初飛行に成功
 
関連記事:【080922-06】
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 9月28日、Space Exploration Technologies Corp. (SpaceX)は、Falcon1 の初飛行成功を目指して4回目の挑戦となる打上げをマーシャル諸島のクワ ジェリン環礁の射場から行い、漸く打上げに成功した。

 9月19日の時点では23日に打上げ予定とされていたが、20日に行った射点 での1段エンジンの燃焼試験の結果、液体酸素の供給配管の変更を行った方 が良いとの判断が下され、遅れていたもの。

 Falcon 1は低軌道へ570kgの衛星を打ち上げる能力を持つとされているが、 今回は165kgのダミー衛星を搭載しての打上げであった。投入された軌道の 詳細情報は明らかにされていないが、SpaceXでは、300kmから500kmの範囲 の所期の軌道への投入に成功したと発表している。

 SpaceXは、インターネット上の取引の決済に使われるソフトの開発を行 うPayPalの共同設立者であるElon Musk(関連記事:【030420-12】)が2002 年6月に興した会社で、高信頼性・低価格の打上げ手段提供を目指すとして、 その後PayPal をeBayに売却した資金をつぎ込んで全く独自にロケットの開 発を行って来た。

 今回の打上げにより、SpaceXは創立から6年半余りで、世界で初めて全く の民間資金と技術による人工衛星打上げ用の液体燃料ロケットの開発に成 功したことになる。

  http://www.space.com/missionlaunches/080928-spacex-falcon1-fourthtest.html

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【080929-07】ESAのATV“Jules Verne”、大気圏再突入でミッション終了
 
関連記事:【080908-06】
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 9月29日に、ISSを9月5日に離れて以来単独飛行を続けていた欧州補給機 Automated Transfer Vehicle (ATV)の初号機“Jules Verne”は、大気圏に 再突入の時を迎えた。

 大気圏再突入に際しては、Jules Verneは大気による荷重と大気との摩擦 による高温下の強度低下の影響で破壊し、燃えながら落下し殆どが焼失す るが、一部が燃え尽きずに地表まで到達する。この落下物による危険を避 けるために、落下点がニュージーランドの東2,500km、イースター島の南 2,500kmの太平洋上になる様にコントロールされ、危険海域はこの地点を中 心とした長さ2,700km、幅200kmの範囲とされている。

 大気圏再突入は29日の13:31GMT (22:31JST)の予定とされており、この ための第1回目の減速は10:00GMTから6分間行われた。その後、2回目の減 速が12:58GMTから15分間行われ、13:31GMTに高度120kmで大気圏に再突入 した。

 大気圏再突入の様子はISSから観察されたが、その他に2機の特別な観測 機器を搭載した航空機(Gulfstream VとNASAのDC-8)もタヒチから飛び立っ て再突入の状況をモニタした。

 http://webservices.esa.int/blog/blog/1/

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【080929-08】ロシア、Soyuz TMA-13の搭乗員を承認
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 9月23日、ロシアの連邦宇宙局は、ISSの第18次長期滞在クルーのメイン クルー2人と民間人のISS短期訪問者が飛行前の最終の試験と医学チェック をパスしたことを受けて、ISSに向かうことを承認した。

 メインクルーはロシア人のYuri Lonchakovと米国人のMike Fincke、短 期訪問者は米国人のRichard Garriott であり、3人は10月12日にSoyuz TMA-13でISSへ向かうこととなっている。

 Richard Garriottは6人目の民間のISSの短期訪問者であり、その費用と して3,000万ドルを支払っている。

  http://en.rian.ru/russia/20080923/117041226.html

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【080929-09】ロシア、Soyuz TMA-11の分離不具合はプラズマ環境が原因との見解
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 9月22日付けのaviationweek.comは、ロシアの専門家がNASAの高官に対 し、Soyuz TMA-11のISSからの帰還が弾道飛行となったことの原因である と特定されている帰還用のカプセルと推進モジュールを分離する爆発ボル トの不作動が生じた原因の究明結果を伝えたと報じている。

 ロシアの専門家によれば、爆発ボルトの不作動の最も可能性が高い原因 は、ISSの周辺のプラズマ環境の影響により、ボルトの点火器のワイヤが 劣化して、作動しなかったことであるとしている。

 現在ISSにドッキング中のSoyuz TMA-12については、7月に原因とされた 分離用の爆発ボルトと同じ位置の爆発ボルトを船外活動によって除去して おり、同じ問題は発生しないとしている(関連記事:【080714-02】)。ま た、10月12日に打ち上げるSoyuz TMA-13に対しては必要な再発防止策が施 されている。

  http://www.aviationweek.com/aw/generic/story.jsp?
  id=news/BOLT09228.xml&headline=Russia%20Sets%20Fixes%20For%20Soyuz%20Reentry%
  20Glitch&channel=space


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【080929-10】米議会でNASAの予算関係審議に進展
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 9月24日、米議会の下院は、大統領交替時期を迎えることから、政府機 関の運営が途切れない様にするための暫定予算の継続決議(continuing resolution)を可決した。

 この決議の中には、米国がロシアから宇宙関連の機器或いはサービスを 調達することを禁じている法律“Iran, North Korea and Syria Nonproliferation Act of 2000” (INKSNA)の適用の例外処置の継続(2012年1月1 日から2016年7月1日まで)が含まれている。

 米議会は2005年に2011年までの期限付きでINKSNAの適用例外を認め、NASA がロシアにISSへの人員及び物資の輸送を委ねる対価として有人宇宙船Soyuz と物資補給船Progress の製造費を負担することを認めて来ている。

 NASAでは2010年にスペースシャトルをリタイアさせることとしていて、 2007年にロシアとの間で交わした契約で2011年までのSoyuz、Progressに よる人員及び物資の輸送枠は確保しているが、2012年にSoyuzを利用する ためには2009年早々にも製造に着手できる様に契約を結ばなければなら ない状況となっており、INKSNAの適用例外が認められなければ、それが 不可能となる状況であった。

 この8月のロシアのグルジア侵攻以来、米議会でINKSNAの適用例外がNASA に対して認められるか否かが危惧される状況となっていて、2012年以降ロ シア以外の国はISSへの人員輸送手段を失う懸念が示されていたことから、 NASAのGriffin長官も、下院での議決にほっとしていると伝えられている。 しかし、本件は今後上院で認められなければならないので、予断は許され ない状況ではある。

  http://www.spaceflightnow.com/news/n0809/24soyuz/

 これと並行して、9月25日、米議会の上院はNASAの予算の枠組みを規定す る法案NASA Authorization Act of 2008 を承認した。

 この法案では、NASAの2009年度の予算枠を、202億ドルとしている。これ は大統領の予算要求額を26億ドル上回っている。この上乗せ分の内10億ド ルは、スペースシャトルの後継となる有人打上げシステムの開発の加速に 用いることを規定している。

 また、スペースシャトルの引退までに計画している飛行を1回増やして、 Columbiaの事故後にNASAがISSへの取り付けを止めることを決めたAlpha Magnetic Spectrometerを復活させることを含んでいると共に、NASAの現 在のスペースシャトル打上げのマニフェストでは“contingency”と注記 されているISS建設完了後の2回のロジスティックミッションを正式ミッシ ョンとすることを含んでいる。

 更に、この法案では、NASAに対して、2009年4月30日までは、シャトルを 引退させるとしている2010年を超えて2011年以降にシャトルを運用するこ とを不可能とすることに繋がる行為を行うことを禁止し、これにより、新 大統領下の政権がシャトルの運用停止時期を判断する時間を確保している。

  http://www.space.com/news/080926-senate-nasa.html

 議会の下院ではこの法案を6月17日に承認しているが、若干の違いがある ことから差し戻され、翌26日に再度採決が行われ上院の法案に沿った形で の承認が行われた。今後、大統領の署名を待って正式の法律となる。なお、 この法案は、通常何年間かに亘るNASAの活動に関する議会としての基本的 な要求を示すと共に予算の枠組みを規定するものであるが、今回は大統領 交替の時期となっているので、予算枠については2009年度のみを規定して いる。

  http://gop.science.house.gov/PressRoom/Item.aspx?ID=124

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【080929-11】Rocketdyne、Delta IV Heavyの能力増強用エンジンの初の燃焼試験成功
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 9月25日、United Launch Alliance(ULA)はDelta IV Heavyの能力増強の ために開発を進めているPratt & Whitney Rocketdyne製のロケットエンジ ンRS-68Aの初めての燃焼試験に成功したことを明らかにした。

 試験はNASAのステニス宇宙センタで行われたもので、計画通りの40秒間 の燃焼を無事に終了した。試験結果の詳細な評価には数日を要するとして いる。

 このエンジンは現在Delta IVに用いられているRS-68に対し推力と比推力 のアップを図ったもので、推力は300トンから318トンに6%の向上を見込ん でいる。

 エンジン確性のための燃焼試験は今回を初めとして、3基のエンジンを用 いて今後約1年間に亘って行われる予定で、開発完了は2010年中頃、このエ ンジンを装備した増強型Delta IV Heavyの打上げは2011年の早い時期とさ れている。

  http://sev.prnewswire.com/aerospace-defense/20080925/AQTH08825092008-1.html

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【080929-12】Sea Launch、O3b Networksの衛星の打上げ契約獲得
 
関連記事:【080915-09】
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 9月23日、Sea Launch Companyは、多数の衛星による、途上国地域への 低コストのブロードバンドサービスの提供を目指しているO3b Networks Ltd.との間で、中高度の衛星群を構成する衛星の打上げを2回行う契約を 締結したことを明らかにした。最初の打上げは2010年の秋以降の予定と されている。

 赤道上の海上から打ち上げるZenit-3SLで、高度7,825kmの赤道上の円軌 道に1回の打上げで8基の衛星を投入するもので、1基の衛星の質量は約700 kgとされている。O3bでは16基の衛星群を考えており、2回の打上げで衛星 群の構築を終えることができる。

 この契約を受けて、Sea Launchでは新たに8基の衛星を順次分離してい く装置の開発を行うこととしている。

 http://www.sea-launch.com/news_releases/nr_082309.html

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【080929-13】IridiumのGHL Acquisitionによる買収決定…Iridium Communicationsに
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 9月23日、Iridium Holdings LLCは、投資銀行Greenhill & Co. Inc.が 株式の17.5%を所有している企業買収を目的とする企業GHL Acquisition Corp.により買収されることが決まったと公表した。買収額は5億9,100万 ドルとされている。

 Iridium Holdings LLCは、現在66基の衛星を運用して地球全体をカバー する音声とデータの移動体通信事業を行っているIridium Satellite LLC の親会社である。この買収によって、Iridium Satelliteは、次世代の衛 星群の開発に向けて資金面の自由度を持てる。

 買収終了後の会社はIridium Communications Inc.と名前を変えるが、 旧経営陣がそのまま経営に当たるとされている。

  http://phoenix.bizjournals.com/washington/stories/2008/09/22/daily27.html

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【080929-14】ESA、新宇宙飛行士候補の選定第2段階へ…192人に絞られる
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 9月24日、ESAは6月から始めた新たな宇宙飛行士の選定作業の中間状況 を明らかにした。

 5月19日からの1ヵ月間にESAのウェブサイト上で10,000人以上が応募の 手続きを行ったが、条件を満たして応募が受理された人数は8,413人であ った。

 その中から書類選考によって918人が第1次の心理学的テストに進むこと になり、8月末からコンピュータにより認知能力を評価するための、記憶 力、精神運動性、マルチタスキング能力、言語能力、様々な視覚に基づく 行動等の項目で構成されたテストが行われて来た。

 その結果192人が次のステップに進むことになった。これらの候補者は 9月15日から12月半ばまでの間、ドイツのケルンにある欧州宇宙飛行士セ ンタで、第2段階の心理学的テストを受けることとなっている。ここでは 心理学者及びESAの専門家の監督の下でインタビュー、コンピュータシミ ュレーション、グループ活動、ロールプレーイング、行動テスト等が行 われる。

 このテストの結果で約80人に絞り込み、2009年1月から2月に綿密な医学 的検査を行い、最終面接に進む40人が選ばれる。2009年の夏までに面接を 経てその中から最終的に4人が宇宙飛行士の候補者として選定され、Euro- pean Astronaut Corpsのメンバーとなって欧州宇宙飛行士センタ基本的な 訓練に入るとされている。

  http://www.esa.int/esaCP/SEMZQPQ4KKF_index_0.html

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【080929-15】NASA、月探査関連の初期概念検討の結果の報告会開催
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 9月25日、NASAの探査システム局は、広く産業界、学界及び報道陣を対 象として、ここ9ヵ月間に実施してきた月探査関連の初期概念検討の結果 を報告し、理解を求めるとと共に、2009年初頭に発する予定の提案要請 (RFP)の予告を行った。

 報告の内容は、月への打上げロケットAres Vの概念、月着陸船Altair の概念、月面基地の概念、及び直近の契約予定項目であり、それぞれの プレゼンテーション資料は以下のNASAのサイトの中からのリンクにより ダウンロードすることができる。

  http://www.nasa.gov/directorates/esmd/home/lunar_id.html

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【080929-16】NASA、“Send Your Name Around the Earth”キャンペーン…Gloryに搭載
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 9月25日、NASAは2009年6月に打ち上げ予定の地球大気中のエアロゾルと 太陽活動の変動が地球の気候に与える影響を調べるための衛星Gloryに個 人の名前を記録したマイクロチップを搭載する計画を明らかにした。

 希望する人は誰でも、“Send Your Name Around the Earth”の応募用 のサイトから応募でき、受付の証拠としてNASAから印刷可能な証明書が電 子データで送られて来る。

 Gloryは高度705km、軌道傾斜98度の軌道に投入されているA-Trainと称 される衛星群に加わり、地球大気をあらゆる角度から観測しようというプ ロジェクトに参画する。

  http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/sep/HQ_08242_GLORY_Mission.html

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【080929-17】JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク
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9/18 APRSAF-15ポスター・コンテスト日本代表作品選出について
9/19 宮城工業高等専門学校及び仙台電波工業高等専門学校と
    JAXA宇宙教育センターとの宇宙教育活動に関する協定の締結について

9/19 国際宇宙ステーションを利用した科学実験 この夏より本格的に開始!
9/24 「JAXA関西生まれの商品」を更新しました
9/24 平成20年9月理事長定例記者会見
9/24 平成20年度宇宙教育指導者育成セミナー北陸信越地区の参加申込み受付を開始
9/24 広報誌「空と宙」No.26
9/24 地球が見える:北極海の海氷 観測史上2番目の小ささに
9/25 「きぼう」の利用状況と今後の予定
9/25 国立大学法人筑波大学との連携協力協定
9/25 「SELENE(かぐや)」の月レーダサウンダー(LRS)の観測運用の停止について
9/26 宇宙連詩:第5詩が選ばれました
9/26 宇宙連詩:宇宙連詩の本が刊行されました
9/26 岐阜県及び岐阜県建設研究センターとの衛星画像の防災利用実証実験結果

 イベント予告

9/30〜10/3  第59回国際宇宙会議(IAC2008)
10/1〜10/5  2008年国際航空宇宙展
10/6〜10/7  第21回マイクロエレクトロニクスワークショップ
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