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メールマガジン「週刊KU-MA」 第16号          [2008.10.15]
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■目次----------------------------------------------------------------
(1)YMコラム
     「大型火星ミッションへ執念を見せるNASA」

(2)ワンダフル宇宙
     「小川三夫さんのこと」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」
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■YMコラム(16) 2008年10月15日
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 大型火星ミッションへ執念を見せるNASA
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 火星に生命の可能性を探り、人間が住めるかどうかを調べるNASA(米国 航空宇宙局)の大型の火星ミッションMSL(Mars Science Laboratory:火星 科学実験室)は、相次ぐ開発の遅れと予算の超過により延期あるいはキャン セルは必至と見られていました。しかし先週金曜日に開かれた検討会議の 結果、ここにきてNASAは執念を見せ、来年(2009)年秋の打上げを追求 することに意欲を見せています。ただし、そのために追加の予算がどれぐ らい必要か、その予算をどうやって工面するかについては、「米国議会に 期待する」とだけ述べるにとどまっています。

 NASAの宇宙科学部門を率いるエド・ワイラーの言葉を引用すれば、「や めるとか先延ばしするとか言うのはたやすいことだけど、われわれはこれ までに19億ドル(2000億円)も注ぎ込んできたのだし、この科学ミッショ ンは最高に洗練されたものですからね。火星探査のまさに旗艦ミッション をそう簡単にあきらめるわけには行きませんよ」ということです。地球と 火星の相対位置の関係で、火星への打上げチャンス(打上げの“窓”)は 約2年に1度やってきます。次の打上げ窓が開くのは来年の9月15日から10月 15日までです。その窓をめざすとすれば、さらにお金がかかることは当然 なので、ここは思案のしどころですね。

 その追加予算は、議会で新たに認めてもらうか、NASAの他のプログラム から持ってくるかのどちらかですが、NASAの足元としては、まず火星予算 を眺めることが最初で、それが駄目ならもっと広く惑星探査全体を精査す ることになるのが順序というものでしょう。火星の将来ミッションとして は、すでにこのコラムでも紹介したばかりの火星気象ミッションMAVENが あり、また2020年ぐらいまでに火星からサンプルを持って帰る国際共同ミ ッションも検討されています。MSLの費用を捻出するために、現在大幅に 延長ミッションを火星表面で続行中の「スピリット」と「オポチュニティ」 を中止しようという案も出されましたが、これは却下されました。

 一体あとどれぐらいかかるのかを正確に算定する努力が、推進母体の JPL(ジェット推進研究所)において大急ぎで続けられているところです。 来年の打上げ窓を逃すと、次の窓は2011年末になってしまいます。ハード ウェア面でもソフトウェア面でも未解決の問題を抱えているだけに、ここ はJPLを中心とする技術陣も必死ですね。今の時点で技術的に一番頭の 痛いのは、ロボットアームを駆動したりローバーの車輪を回したりするた めのアクチュエーター(モーター)の問題です。このアクチュエーターは、 火星表面の掘削に用いるドリルやローバーが集めた表面のサンプルを移動 したりするのにも使われるだけに、決してなおざりにはできないわけです。

 アクチュエーターはいくつかあるのですが、中には部品の数を600個も 含むようなものもあり、たとえ予算が確保されても、技術的に間に合うか どうかについては予断を許さない厳しいスケジュールになっています。ア クチュエーター内部にあるチタン合金の歯車の強度が足りないので、これ をステンレス・スティールに交換する作業をニューヨークの会社で進めて きており、その歯車は11月にカリフォルニア・パサデナのJPLに到着す る予定になっています。

 またJPLでは、着陸時に用いるレーダーシステムのソフトウェアにも 若干の問題を抱えており、さらに昨年11月に取り替えた火星突入時のカプ セルの熱遮蔽、着陸の際に開くパラシュートのテストの不調などなど、結 構たくさんの課題もあるので、夜討ち朝駆けで懸命の追い込みをやってい るようです。ただし、アクチュエーターの問題以外は解決の見通しが立っ ているとのことなので、11月末から始まるJPLでのテストが、土壇場の カギを握るものとなるでしょう。

 アメリカは、火星の着陸に際しては、着陸のショックを和らげるために、 逆噴射のエンジンを使う方式とエアバッグを使う方式とを採用してきたわ けですが、スピリットやオポチュニティの4倍以上の1トン近くの重量を持 つMSLでは、これらを組み合わせた新しい方式を採用しており、その成 否も注目を集めています。 いずれにしろ、来年の1月には、グリフィン長 官がミッション担当者と会って評価を下すことが予定されているので、J PL関係者がそれまでに現在の技術的な諸問題をどこまで解決してその会 合に臨めるか、楽しみにしていましょう。

 たとえば、以下をクリックしてご覧ください。

  http://www.space.com/news/0801010-mars-sciencelab-update.html

(YM)

■ワンダフル宇宙(16) 2008年10月15日
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 小川三夫さんのこと
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 宮大工の小川三夫さんの鵤(いかるが)工舎を訪問 → つくば竹園 高校での30周年記念講演 → 広島で「水の惑星シンポジウム」講演  → 同じく広島でのコズミックカレッジ → 愛知県一宮でのコズミッ クカレッジ → 岐阜県大垣での「宇宙の学校」下打ち合わせ。1週間で これだけ旅をすると、さすがにバテましたね。いちいち前の晩の準備が 要りますから、旅の間はずっと睡眠不足も伴うわけですからね。

 小川三夫さんは、11月22日に小牧で開催される、「リレー講演」に 「匠のこころ」の真髄を聴かせていただくためにご登場願うわけで、そ の打ち合わせも兼ねて出かけたのですが、まあ徹底的にお世話になって しまいました。あんなに尊い人の時間を1日半も独占してしまって、あ ちらは得るものは何もないでしょうに……。もったいなくも実に感動的 な2日間でした。

 ひょっとして御存知ない方もいらっしゃるでしょうが、小川三夫さん は、最後の法隆寺大工であった西岡常一さんの唯一のお弟子さんです。 今はもう宮大工の棟梁、それも棟梁の棟梁といった存在なので、「大棟 梁(大統領?)」と言った方がふさわしいかもしれませんね。現在、栃 木と奈良で鵤(いかるが)工舎をやっておられます。各地から寄せられ る寺社仏閣の類の注文を忙しくこなしておられますが、それを宮大工と しての青年たちの修行と併せて工舎で実行されているわけで、その徒弟 教育の様子を目の前で見せていただき、まことに清々しく心が洗われま した。

 ちょうど国土安穏寺というところの本堂を建築中で、その柱を作って いました。四角から八角、十六角、三十二角と順々にお弟子さんたちが 削っていく角柱が、最後にまんまるになっていく一連の作業が、まるで 夢のようでした。若い人ばかりです。小川さんの工房は、30歳定年を原 則としているそうで、30歳をめどに、外へ出して「取り仕切り」を覚え させるのだそうです。そうしないと本当の意味での宮大工の「ものをつ くる心」は獲得できないと。角材の表面をいとおしそうに撫でながらカ ンナを使っていく様子が、なんとも心を温かくしてくれます。ああこの 人たちは木を愛しているんだなあとつくづくと見入りました。

 夕食も申し訳ないことにこのお弟子さんたちが要領よく準備してくれ ました。何だかチャンコみたいな雰囲気の中で、おいしくいただきまし た。小川さんによると、料理をやらせればその人間が段取りがうまいか どうかはすぐ分かるんだそうで、それは大工の仕事も全く同じだという ことです。「チャンコ」の後で、お弟子さんたちがすぐに散って行った ので、「みんなどこへ行っちゃったの?」って訊ねたら、「そりゃあ明 日の仕事の準備をしなきゃあいけないから」と、当たり前のような顔で 小川さん。いやあ修行とは言え、厳しい生活ですね。「でもオレの修行 時代ほど厳しくすると、みんなやめちゃうよ」とのこと。

 高校時代、小川さんは学業成績がビリから2番目だったんだそうです。 なぜビリじゃなかったのかと訊くと、「一人だけ試験の時に欠席したヤ ツがいてなあ」と言って大口を開けて愉快そうに笑っています。親も先 生もそして自分も、これじゃあ卒業してからが思いやられると思ってい たそうで、そんな小川さんが高校の修学旅行で奈良へ行きました。法隆 寺の五重塔を見学に行って、みんなが説明を聞きながら法隆寺について 「歴史の勉強」をしている時、小川さんは、その五重塔が数百年以上も 前に作られたと聞いて、胸がつぶれんばかりに驚いたそうです。

 そんな昔に、こんなに大きくて堂々とした美しい建物を、一体どうや って作ったんだろうと想像している時、突如小川さんの背筋をビリビリ ッと電気が走ったそうです。「考えてみると、あの瞬間にオレの一生は 決まったんだな」と。「あの時オレは心から、こんな建物を作る仕事を してみたい」と決意したそうです。後先の考えもなく、高校卒業後すぐ に西岡棟梁の家を訪ね、すげなく断られてからの波乱万丈の展開は、Go ogleで「小川三夫」とでも牽けば、いくらでも感動的な話を探り当てる ことができるでしょう。その人間的な魅力とともに、ぜひ楽しみながら お読みください。たとえば、

  http://www.sun-inet.or.jp/~qze13054/menu%20599-93.html

 数日後、広島で友人たちと食事をしている夜更けに、私の携帯電話が 鳴りだしました。小川三夫さんでした。酔っ払っているようでもありま す。「オレの仲のいい棟梁を紹介するぞ。あの錦帯橋の工事を仕切った 男だ」「え? あの岩国の?」「そうそう、あんた、お兄さんが岩国に 住んでいたって言ってたろ」──なんて律儀な! ひとこと言ったこと を記憶にとどめておいてくれていたんですね。そして急に電話を替わら れて、お互いにどぎまぎ。最後に再び登場した小川さんは、「KU-MAの ために匠のことなら助けてくれるヤツはいっぱいいるからな。でもそっ ちがいい加減じゃなくきちっとしていなきゃ駄目だけどな」と。私はな んて素敵な友人を持ったんだろう、と思わず目頭が熱くなりました。

 小川さんとは、島根県で大学入試センターが開いた「夢塾」とかいう 催しで数年前に知り合ったのです。数百人の高校生たちに、「人生の先 輩」から何でもいいからアドバイスしてくれという趣旨。その前の日の 打ち合わせを兼ねた夕食会で、私の正面に座った小川さんと、なぜかい っぺんに気が合ったのです。少し遅れて顔を出した入試センターのセン ター長だった丸山大作先生が、一眼見て、「なんだ、二人は知り合いだ ったの?」と言った瞬間、声をそろえて「いや、今知りあったばかりで す」と答えたら、丸山さんが腑に落ちない表情でした。それからもなぜ か偶然に出会うことも多く、他人のように思えない感じになったのです。

 その島根で小川さんは、受験を前に張り切る彼らに向かって声高に言 い切りました。「勉強なんかするとロクなことにはならないよ!」

■宇宙茫茫ヘッドライン
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【081013-01】ロシア、ISSへ向けて3人搭乗のSoyuz TMA-13の打上げ成功
【081013-02】ISSで一時セーフモードへの切り替わり発生…トイレの故障の再発も
【081013-03】NASA、水星探査機MESSENGERの水星フライバイ時の画像を公開
【081013-04】Orbital Sciences、NASAのIBEXの打上げを10月19日に予定
【081013-05】インド、月探査機Chandrayaan-Iの打上げを10月22日に予定
【081013-06】ILS、SES ASTRAのASTRA 1Mの打上げを10月31日に予定
【081013-07】Arianespace、EutelsatのHOT BIRD 9とW2Mの打上げを11月末に予定
【081013-08】NASA/ATK、Orion用のUltraFlex Solar Arraysの初期試験終了
【081013-09】SpaceDev、Dream Chaserの推進系の予備設計審査終了
【081013-10】NASA、Mars Science Laboratoryの2009年打上げキープの方針を確認
【081013-11】ESA、リエントリ実験機“IXV”の飛行試験のアニメーションビデオ公開
【081013-12】インド、7年後の有人宇宙飛行実現に向けて動き出す
【081013-13】Space Systems/ Loral、SESの衛星Sirius 5を受注
【081013-14】SpaceX、Siemens PLM Softwareの製品ライフサイクル管理ソフトを導入
【081013-15】Orbital Sciences、アリゾナの工場拡大・カリフォルニアに新オフィス開設
【081013-16】Google Lunar X PRIZEに特別協力企業と新規参加2チーム
【081013-17】JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク
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【081013-01】 ロシア、ISSへ向けて3人搭乗のSoyuz TMA-13の打上げ成功
 
関連記事:【080929-08】
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 10月12日、ロシアはバイコヌールからISSの第18次長期滞在クルーと民 間人のISSへの短期訪問者を乗せたSoyuz TMA-13の打上げを行いISSへ向か う軌道への投入に成功した。ISSとのドッキングは2日後に予定されている。

 搭乗者は、第18次長期滞在クルーの米国人コマンダーMike Finckeとロ シア人フライトエンジニアYuri Lonchakov及び、短期訪問者としての米国 人Richard Garriottである。

 Richard Garriottは、NASAの宇宙飛行士Owen Garriottの息子であり、 ロールプレイングゲーム“ウルティマ・シリーズ”などを手がけた著名な ゲーム開発者で、現在、韓国の大手オンライン・ゲーム運営会社NCSoftの 北米地域担当CEOである。Owen Garriottは1973年にSkylab II/SL-3で60日 間、1983年にSTS-9/Spacelab-1で10日間の宇宙滞在を経験している。

 Richard GarriottのSoyuzによるISS短期訪問は米国のSpace Adventures が斡旋した6人目の商業ベースの宇宙旅行である。

  http://en.rian.ru/russia/20081012/117687621.html

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【081013-02】ISSで一時セーフモードへの切り替わり発生…トイレの故障の再発も
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 10月10日にISSで2つの問題が発生した。

 一つはテレメトリシステムの異常が検知され、自動的にISS全体が“生 き残りモード”に切り替わったことで、原因については直ぐにISSのロシ ア製の部分にある電気ボックスであることが突き止められ、地上からの指 令によりバックアップに切り替えられて、通常状態に戻っている。

 しかしながら、一旦“生き残りモード”になったことで、最低限必要な 部分を除いて電源が自動的に落とされており(セーフモード)、クルー及び 地上の管制官は、欧州及び日本の実験モジュールを含む全ての部分の電源 再投入を行うことに追われている。

 また、時を同じくして、ロシアのZvezdaサービスモジュールのトイレが 故障してしまい、当面ドッキング中のSoyuz TMA-12のトイレを使わなくて はならない状況となっている。

 Zvezdaのトイレは2008年6月にも故障し、急遽STS-124ミッションのクル ーにより部品の交換が行われているが、今回の故障も前回と同じ気液分離 装置と見られている。

  http://www.floridatoday.com/article/20081011/NEWS02/810110337/1007/news02

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【081013-03】NASA、水星探査機MESSENGERの水星フライバイ時の画像を公開
 
関連記事:【081006-06】
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 10月6日、NASAの水星探査機MESSENGER(MErcury Surface, Space, ENvi- ronment, GEochemistry and Ranging)は水星スイングバイを無事に終了し、 その際高度200kmまで接近して、鮮明な画像を取得した。

 水星の画像は1974年、1975年にMariner 10が3回の接近時に撮影している がその時カバーされた範囲は全表面の半分以下であり、2008年1月のMESSEN- GERの最初の接近で残りの部分の約20%がカバーされていた。今回は更にこ れまで撮影されていない部分の約30%をカバーする形で、1,200枚以上の画 像の取得が行われた。

 最接近の89分前に高度27,000kmから撮影された三日月状に見える水星、5 8分前に撮影された高度17,100kmからのクローズアップ、最接近の9分14秒後 に高度1,800kmから写した5つのフレームの画像(各フレーム毎に11種のフィ ルターを用いて撮影しており、合計55枚)によるモザイク画像、最接近の90 分後に撮影された高度27,000kmからの略全体像等多くの写真が公開されてい る。

 また、一部の地域に関しては、画像の取得と併せて、大気と地表面の分光 計による観測及びレーザー高度計による測定も行われており、これらのデー タの突き合わせによる詳細分析に期待が持たれている。

  http://messenger.jhuapl.edu/news_room/details.php?id=111

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【081013-04】Orbital Sciences、NASAのIBEXの打上げを10月19日に予定
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 10月11日、米国カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から、Orbi- tal Sciencesの空中発射の打上げロケットPegasus XLを胴体の下に吊した輸 送機L-1011が中部太平洋のマーシャル諸島の中のクワジェリン環礁に向かっ た。

 Pegasus XLにはNASAの星間物質観測衛星Interstellar Boundary Explorer (IBEX)が既に搭載されており、10月19日にはクワジェリン環礁から飛び立 つL-1011からの打上げが予定されている。

 IBEXはNASAの低価格・短期開発の観測ミッションの一つで、高速中性粒子 (energetic neutral atom)を検知する2台のカメラ(IBEX-HiとIBEX-Lo) を搭載した衛星を遠地点が地球半径の50倍(約32万km)、近地点が7,000km という超楕円軌道に投入し、太陽系とその外側の星間物質の関連を解き明か す画像を取得しようというミッションであり、とりまとめはSouthwest Re- search Institute(SwRI)が行っている。

 Pegasus XLは3段ロケットであるが、これだけでは質量約113kgの小型衛星 とはいえIBEXを所期の軌道へ投入することはできない。そこで、衛星側に固 定ロケットモータSTAR 27が搭載されている。

 Pegasus XLは、STAR 27を含んで458kgのペイロードを高度約200kmの円軌 道に投入してその役目を終え、その後STAR 27により遠地点を地球半径の約 40倍まで持ち上げ、更にその後は衛星本体のヒドラジン推進系により、近地 点及び遠地点の高度を上げるための加速が行われ、最終軌道に入ることとな っている。(なお、458kgはこれまでPegasusにより打ち上げられたペイロー ド中で最大である。)

  http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/oct/HQ_08-253_IBEX_Prelaunch.html

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【081013-05】インド、月探査機Chandrayaan-Iの打上げを10月22日に予定
 
関連記事:【080922-07】
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 10月6日、インド宇宙研究機関(ISRO)は同国初の月探査機Chandrayaan-I の打上げを10月22日に行うことを正式に発表した。打上げ可能日は26日ま でである。

 Chandrayaan-Iは、バンガロールのISROの衛星センタで行われていた最後 の試験を終え、10月3日にスリハリコタのSatish Dhawan Space Centreに移 されている。

 探査機の質量は打上げ時で1,304kgであるが5日半後に月に到達した時点 では590kgに減っているとされている。

 打上げに用いられるロケットは通常の極軌道衛星打上げロケット(PSLV) よりも大型の固体補助ロケットモータを装備しており、そのことからPSLV -XLと称されている。通常は6本の長さ10m、推進薬質量9トンの固体補助ロ ケットモータであるが、-XLは長さ13.5m、推進薬質量12トンとなっている。

  http://timesofindia.indiatimes.com/India/Chandrayaan-
  I_clears_all_tests_for_Moon_odyssey/articleshow/3575585.cms


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【081013-06】ILS、SES ASTRAのASTRA 1Mの打上げを10月31日に予定
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 10月8日、SES ASTRAはDirect-to-Home (DTH)サービス用の衛星ASTRA 1M を10月31日に打ち上げることを明らかにした。

 打上げはInternational Launch Services (ILS)により、バイコヌールか らProton/Breeze Mにより行われる。

 衛星はEADS Astrium製で、同社のEurostar 3000プラットフォームをベー スとしている。

  http://www.ses.com/ses/siteSections/mediaroom/Latest_News/index.php?
  pressRelease=/pressReleases/pressReleaseList/08-10-08/index.php


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【081013-07】Arianespace、EutelsatのHOT BIRD 9とW2Mの打上げを11月末に予定
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 10月6日、Eutelsat CommunicationsはArianespaceとの間で、11月末に Ariane 5 ECAのFlight 186のペイロードを何れもEutelsatの衛星である HOT BIRD 9とW2Mとすることに合意したことを明らかにした。

 ArianespaceではFlight 186のペイロードはHOT BIRD 9とSES New Skies のNSS 9とする計画であったが、NSS 9にトラブルが発生して射場到着が遅 れることが明らかとなったので、計画を変更したもの。

 この変更によりFlight 186の打上げが計画よりも遅れることとなり、年 内にもう一回行う予定だったAriane 5の打上げは来年回しとされた。また、 Flight 186に相乗り予定であったフランス兵器調達庁の赤外線を利用した 弾道ミサイルの早期警戒システムであるSPIRALE (Syst?me Pr?paratoire Infra-Rouge pour l'Alerte)のデモンストレータの衛星2基は打上げ能力 の関係で搭載できなくなった。

HOT BIRD 9はEADS Astrium製で既に9月半ばにはギアナの射場に搬入され ている。一方W2MはEADS Astriumとインド宇宙研究機関(ISRO)の共同開発 であり、インドのバンガロールから射場への搬入は10月半ば過ぎとなる。

  http://www.prnewswire.com/cgi-bin/stories.pl?ACCT=104&STORY=/www/story/10-06-
  2008/0004898544&EDATE


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【081013-08】NASA/ATK、Orion用のUltraFlex Solar Arraysの初期試験終了
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 10月9日、NASAとAlliant Techsystems(ATK)は、NASAが2005年から行っ ているNew Millennium Program Space Technology 8 Project (NMP ST8) の中の一つとして行っていたUltraFlex Solar Arraysの初期試験を無事終 了したことを明らかにした。

 NASAの新しい有人宇宙船Orionでの使用が考えられている展開型の円盤 状の太陽電池の直径約5.5mのフルスケールでの製造及び展開のデモンス トレーション並びに静的強度試験を終えたもので、Orionの設計上の問題 解決、予想されるリスクの回避等に役立つデータの取得ができた。

 このUltraFlexの技術は、2004年9月にATKが買い取ったPSI Groupの一 員であるAble Engineering Company, Inc.が保有していた技術であり、 実際のミッションでは小型のものが火星に着陸して土壌等の調査を進め ているPhoenix Mars Landerに採用されている。従来のパネル型の太陽電 池に比べて半分以下の質量で同じ発電量を確保できるとされている。

  http://atk.mediaroom.com/index.php?s=118&item=859

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【081013-09】SpaceDev、Dream Chaserの推進系の予備設計審査終了
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 10月7日、SpaceDev, Inc.は2007年6月にNASAとSpace Act Agreementを 結んで進めている地球周回軌道への往還機SpaceDev Dream Chaserの開発 で、3つ目のマイルストーンのクリアをNASAに確認して貰ったことを明ら かにした。

 NASAとの契約はNASAの出費を伴わない契約で、NASAはSpaceDevにNASAが 目標としている輸送系についての要求条件及びNASAの有人ミッション制約 条件の理解を助ける情報を提供すると共に、同社の負担で行う開発作業に 関し、マイルストーンの設定とそれぞれの節目での達成目標を設定して、 進捗状況の確認を行えるように支援し、各マイルストーン達成を確認して いくこととしている。

 今回は、Dream Chaserに用いる推進系モジュールの社内での予備設計審 査(PDR)を終えたもの。採用される推進系は同社の独自技術であるハイブ リッド推進系である。

  http://www.spacedev.com/press_more_info.php?id=284

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【081013-10】NASA、Mars Science Laboratoryの2009年打上げキープの方針を確認
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 10月10日、NASAは開発の遅れによる開発費のオーバーによって開発の継 続が危ういとの噂が流れていた大型の火星ローバであるMars Science La- boratory(MSL)に関し、2009年の9月或いは10月の打上げを目指して開発 を継続するとの確認を行ったことを明らかにした。プロジェクトの責任者 とGriffin長官との話し合いの後に公表されたもの。

 但し、2006年時点での開発費見積額16億ドルに対して既に3億ドルの超過 が想定されており、どの様にして追加の予算を確保して行くかは、未だ解 決されていない。

 現在開発上の問題として浮上しているのは、ローバーの各種のアクチュ エータに用いられている部品がローバーの重さにマッチしていないのでは ないかという問題で、NASAでは2009年の初めには地球上で火星の表面を摸 した場所で試験を行いたいとしており、担当メーカであるAeroflexでは問 題の解決を急いでいる。NASAもジェット推進研究所から技術者を送り込ん で支援をしている。

 一方で、アクチュエータには関係のない、打上げから火星に至るまでの 飛行に関するシステムのフィールドテストは11月には開始される予定とな っており、NASAではその準備は進んでいるとしている。

 2009年1月には担当部門はそこまでの状況を整理してGriffin長官に報告 の予定としており、そこで最終的な方向付けが為されるものと思われる。 2009年秋の打上げを諦める場合には次の打上げ機会は2011年となる。

  http://space.newscientist.com/article/dn14917-overbudget-mars-mission-granted-stay-
  of-execution.html


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【081013-11】ESA、リエントリ実験機“IXV”の飛行試験のアニメーションビデオ公開
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 10月9日、ESAは欧州の優れたリエントリ技術及びシステム設計技術を結 集して開発を進めているリエントリの実験機Intermediate eXperimental Vehicle (IXV)の飛行試験のアニメーションビデオを公開した。

 ESAはIXVを2012年にギアナの射場から新しい小型の打上げロケットVega により打ち上げることを目指しており、2008年11月にはシステムの予備設 計審査会が予定されている。これを終えると本格的な開発段階に移行する ことになる。

 IXVの開発は、ESAの将来の打上げロケット開発の準備プログラム(FLPP: Future Launchers Preparatory Programme)の一環として行われている。

  http://www.esa.int/SPECIALS/Launchers_Home/SEMQDO4N0MF_0.html

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【081013-12】インド、7年後の有人宇宙飛行実現に向けて動き出す
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 10月7日、インドのSathish Dhavan Space Centreの責任者は、月探査機 Chandrayaan-Iの打上げのリハーサルの機会に集まった報道陣を前にして、 有人ミッションへの取り組みについて以下の様に語った。

 インド宇宙研究機関(ISRO)では1,000億ルピーの予算規模で有人ミッショ ンへの取り組みに着手しており、既に有人宇宙飛行に関するプロジェクト レポートができあがり、政府の最終認可を待っている状況にある。

 有人ミッションは2015年には行いたいと考えており、打上げには国産の 静止衛星打上げロケット(GSLV)を改良して用いる計画で、Sathish Dhavan Space Centreniに第3の射点を新たに建設することになるであろう。

  http://www.hindu.com/thehindu/holnus/002200810071758.htm

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【081013-13】Space Systems/ Loral、SESの衛星Sirius 5を受注
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 10月9日、SES S.A.は、SESグループのための多目的衛星Sirius 5をSpa- ce Systems/ Loral(SS/L)から調達することを明らかにした。SS/Lへの発注 はSESグループの衛星リース会社SES Satellite Leasing Limitedが行う形 である。

 Sirius 5は、SS/Lの1300プラットフォームをベースとし、搭載するトラ ンスポンダはKuバンド36本、Cバンド24本で、東経5度の赤道上に静止して Direct-to-Home (DTH)サービス及び双方向通信サービスに用いられる。

  http://www.ses.com/ses/siteSections/mediaroom/Latest_News/index.php?
  pressRelease=/pressReleases/pressReleaseList/08-10-09/index.php


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【081013-14】SpaceX、Siemens PLM Softwareの製品ライフサイクル管理ソフトを導入
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 10月9日、Siemens PLM Softwareは、同社の製品ライフサイクル管理(Pro- duct Lifecycle Management:PLM)ソフトウェアである“NX”と“Teamcen- ter”が、独自に打上げロケットの開発を進めているSpace Exploration Te- chnologies(SpaceX)によって標準システムとして採用されたことを明らかに した。

 Siemens PLM SoftwareはSiemens Industry Automation Divisionのビジネ スユニットであり、世界をリードするPLMプロバイダである。

 SpaceX では、包括的なデジタル製品開発ポートフォリオである“NX”を 使用して、設計から製造までの全プロセスの統合を推進すると共に、新製 品の追加開発に合わせデジタルライフサイクル管理ソリューションである “Teamcenter”を用いて設計データと仕様の効果的な管理を目指すとして いる。

 これらのソフトウェアの導入に際してSpaceXはSiemens PLM Softwareと、 その認定プラチナビジネスパートナであるSaratech のサポートを受けるこ ととなる。

  http://www.plm.automation.siemens.com/en_us/about_us/newsroom/press/press_release.cfm?Component=67736&ComponentTemplate=822

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【081013-15】Orbital Sciences、アリゾナの工場拡大・カリフォルニアに新オフィス開設
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 10月6日、Orbital Sciences Corporationは同社のロケット関係の主力事 業所があるアリゾナ州チャンドラー(Chandler)に対する長期のコミットメ ントを表明した。

 一つは現在の工場に隣接して新たな工場を建設すること、もう一つは現 在の工場の土地のリースを11年間延長することの2つを明らかにしたもの。

  http://www.orbital.com/NewsInfo/release.asp?prid=671

 また、Orbital Sciencesは、カリフォルニア州ハンチントンビーチ(Hun- tington Beach)に新たにオフィスを置き、当面40人、将来的には150人を雇 用する計画を明らかにした。

 ハンチントンビーチには、McDonnell Douglas(現在はBoeing)の工場があ り、曾てはDeltaロケットの製造が行われていたが、現在はロケット製造が 他に移っており、仕事と一緒に動くことを嫌った技術者が残っているとさ れている。Orbital Sciencesの狙いはこれらの技術者及びハンチントンビ ーチの近くにあるBoeingのシールビーチ工場(衛星関係技術者のレイオフが 行われる可能性大)に勤めている技術者で、この様なアリゾナ州チャンドラ ーでは得られない高い質の技術者をハンチントンビーチで雇用することに ある。なお、ハンチントンビーチオフィスではTaurus IIロケット関係の業 務を行う予定としている。

 http://www.redorbit.com/news/business/1580282/orbital_
sciences_coming_to_huntington/index.html


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【081013-16】Google Lunar X PRIZEに特別協力企業と新規参加2チーム
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 10月7日、X PRIZE FoundationはGoogle Lunar X PRIZEの特別協力企業 と新たに参加を表明した2チームを公表した。

 特別協力企業はコンピュータでのモデリング及び表示用のソフトウェア を専門とするAnalytical Graphics, Inc.(AGI)で、各参加チームに対して、 20万ドル相当のソフトウェアの無料提供及び技術支援を行うとしている。

 今回のX PRIZE Foundationの発表は、10月7日から9日にシカゴで開催さ れたAGIのユーザー会議の場で行われたもの。

 また、新たに参加を表明したチームは、フロリダの大学生のチームOmega Envoyとマレーシアからの2つ目のチームとなるIndependence-X Aerospace で、これらのチームを加えて、参加チーム数は14となった。

 Google Lunar X PRIZEはGoogleがスポンサーになり、民間のチームを対 象として、月に最初にローバを軟着陸させて、月面を500m走行した上で、 動画、画像、データを地球に送ることに成功したチームに2,000万ドルを 与えるというもの。その他にボーナスの設定もあり、賞金総額は3,000万 ドルである。

  http://www.marketwire.com/press-release/X-Prize-Foundation-907631.html

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【081013-17】JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク
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10/6 月の名所紹介コンテンツ「月の歩き方」
10/7 ISASニュース2008年9月号
10/7 「ひので」太陽極冠プロミネンスのダイナミックな姿を観測
10/7 「きぼう」船外実験プラットフォーム、船外パレットが米国に到着
10/7 ISS・きぼうウィークリーニュース第313号
10/9 パンフレットダウンロード
    「国際宇宙ステーション(ISS)」「きぼう」日本実験棟」リーフレット改定

10/9 「第30回JAXAタウンミーティング in 館林」開催報告
10/9 GOSAT 太陽電池パドルの展開衝撃試験を実施
10/9 月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)による
    「満地球の出」撮影について

10/9 種子島宇宙センター保管のH-II ロケット7号機が「未来技術遺産」に登録
10/10 宇宙連詩:第7詩が選ばれました
10/10 シーズンレポート2008年7月−9月
10/10 第1回宇宙医学生物学ワークショップ開催
10/10 準天頂衛星L-アンテナ正弦波振動試験を実施
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