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メールマガジン「週刊KU-MA」 第33号          [2009.2.18]


■目次

(1)YMコラム
     「平尾邦雄先生逝く」

(2)ワンダフル宇宙
     「高度800キロの交通事故」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム(33) 2009年2月18日

 平尾邦雄先生逝く

 かけがえのない人が旅立ってしまわれました。平尾邦雄先生、さまざま な意味での私の恩人です。東京大学宇宙航空研究所の時代(1964〜1981)、 その後の宇宙科学研究所の時代を通して、常に宇宙研とそこで働く人々を 心から愛し、またみんなから尊敬され慕われつづけた先生でした。日本の 宇宙科学の草分けとなった先生が、また一人去られました。

 さる2月13日(金)22時15分逝去。1月5日に脳梗塞で倒れ、埼玉の病院 に入院されていましたが、最終的には肺炎で亡くなられたものです。たっ た今電話でうかがった奥様によると、入院後は非常にお元気で、大好きな タバコも吸っておられたようです。だから、リハビリの準備も整えて、い つ退院かと言っていた矢先の出来事だったようです。まことに残念でなり ません。

 先生は、大正11年1月21日に富山県でお生まれになり、昭和17年に東京 帝国大学地球物理学科を卒業、郵政省電波研を経て、東京大学宇宙航空研 究所教授、文部省宇宙科学研究所教授として、小田稔先生、大林辰蔵先生 らとともに日本の宇宙科学の草創期を作り上げた功労者であります。87歳 でした。

 太陽系プラズマ物理学の専門家として、日本の最初の本格的宇宙観測で あった1957-1958年の国際地球観測年(IGY: International Geophysical Year)に活躍、その後、カッパロケット、ラムダロケットなどの観測ロケ ットによる宇宙観測、「おおすみ」に始まる科学衛星による科学観測にお いて、常に宇宙研のグループをリードされました。とくに1985年から翌年 にかけてのハレー彗星探査計画のリーダーとして、世界的な業績を挙げら れました。

 また平尾先生は、闊達なお人柄で、研究所の後輩たちやロケット・衛星 グループの誰からも愛された稀有の人気者でありました。私ごとになりま すが、ロケットの発射場のある内之浦においては、定宿「福之家」が一緒 だったので、食事時間は必ず一緒。アルコール漬けで数々の有意義で忘れ られない話を無数にお聞きしました。

 1981年に東京大学宇宙航空研究所から文部省直轄の宇宙科学研究所に改 組された時、当時目黒区の駒場にあった宇宙研の45号館という建物の4階 の先生の居室に呼ばれ、改組された宇宙研の機関誌を発行しようじゃない かと相談され、当時宇宙研にいたX線天文学の牧島一夫くんも語らって、 今や知る人ぞ知る宇宙研の機関誌「ISASニュース」を立ち上げたのも、懐 かしい思い出です。

 暴飲暴食を重ねていた私に対し、「お前の葬儀委員長は私がやる」と常 々おっしゃっていました。思いもよらず私よりも早いご他界となったため、 この度の告別式に当たっては、不肖私が逆に葬儀委員長を務めさせていた だくことになりました。

 あの豪快な笑い声と磊落なご尊顔を偲びつつ、数々の思い出を胸に、ま た今夜も禁酒です。涙が止まらなくて、だんだんスクリーンが見えなくな ってきたので、これにて失礼。

(YM)

■ワンダフル宇宙(33) 2009年2月18日

 高度800キロの交通事故

 さる2月11日午前1時55分(日本時間)、シベリアの上空約800 kmで、ア メリカとロシアの人工衛星が衝突しました。この衝突で数百個のスペース デブリ(宇宙ごみ)が広範囲に飛散した模様です。衝突したのは1997年に 打ち上げた米国の衛星電話用の通信衛星イリジウム(560 kg)と、1993年に 打ち上げたロシアの通信衛星「コスモス2251」(900 kg)です。ロシアの衛 星の方は、打上げの3年後から使用不能に陥っていたようです。でも宇宙 の軌道には優先道路という考え方がないので、「喧嘩両成敗」なのです。

 宇宙での大型の衝突としては、1997年、フランスの通信衛星セリーヌが、 ロケットの大きな破片と軌道上でぶつかり、一瞬のうちに機能を停止した ことがありましたし、衛星と小さなスペースデブリとの衝突もたびたび起 きてはいます。しかしこの規模の衛星どうしの衝突は、過去には記憶があ りません。

 今回の衝突によって破片が飛び散った範囲は、高度400〜3000 kmにわた るとみられています。日本も実験棟「きぼう」で参加している国際宇宙ス テーションの軌道は高度400 kmなので、NASA(アメリカ航空宇宙局)は、 地球観測衛星や国際宇宙ステーションなどへの影響を慎重に調べていると ころです。

 なお、イリジウム社は、「イリジウム衛星」66基を運用して、世界デジ タル衛星携帯電話サービスを展開しており、今回の衝突で失われた1機の ための影響はそれほどないそうですが、代わりの衛星を準備しています。

 地球周回軌道をめぐっている衛星のうちでも、人間の乗っているものは、 特に注意しなければなりません。宇宙飛行士が船外活動をしている場合は なおさらですね。これら有人宇宙活動に関係のあるものについては、地上 から特別の注意をはらっていて、衝突のために深刻な危険が予測されると きは、いったん軌道を変更して回避しているのです。スペースシャトルの 場合、スペースデブリとの衝突を避けるために、一回のミッションで5、6 回の回避行動をとっているそうです。

 宇宙でも交通整理は大変ですね。

 ところで、今回の衝突でクローズアップされているスペースデブリ(宇 宙ゴミ)について、少々ご紹介しておきましょう。

 1957年に当時のソヴィエト連邦によって、世界初の衛星スプートニクが 軌道に乗せられて以来、人類が軌道に送った衛星は6000個を超えています。 でもこれらの衛星は、初めに乗せられた軌道にいつまでも留まっているわ けではありません。

 地球を囲む大気は、通常は100 kmくらいまでと言われていますが、実際 には薄くなりながらももっともっと遠くにもあるのです。衛星はその薄い 大気の中にずっと浸かりながら運動しているので、大気の抵抗のために少 しずつエネルギーを失って、軌道の高さが落ちていきます。そして100 km から150 kmくらいの高さまで落ちてくると、大気が濃いために急激に地球 に向かって落下を始め、そのほとんどは大気中で消滅してしまいます。

 でも、故障したり、太陽電池の寿命が尽きたり、制御用の燃料がなくな ったりして、もう衛星として役に立たなくなったものも、「粗大ゴミ」と して軌道に残っているものは多いのですね。おまけに衛星を運んできたロ ケットや、宇宙でのいろいろな出来事によって軌道に放出された部品や破 片が、いっぱい軌道上を高速で「うろついて」います。

 アメリカ戦略司令部(SATCOM)の統合宇宙オペレーションセンターの発表 では、現在実際に仕事をしている衛星は約800個あるそうです。それ以外 の人工の軌道上物体は、いわば「ゴミ」なので、それらを総称して「スペ ースデブリ(宇宙ゴミ)」と呼んでいます。それらは非常に高速で飛んで いる為に、わずか1 cmの宇宙ゴミでも衛星を破壊し、10 cmの塊になると スペースシャトルでさえも破壊してしまう可能性があります。そのため、 SATCOMは、常に1万3000個くらいの物体の追跡を行っているそうです。

 http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200902121034&photo=zoom

 これまでの観測・研究によると、大きさが10 cm以上あって地上から観 測できるゴミは約7000個、1〜10 cmのものは約20万個、もっと小さな1 mm 以上のゴミを含めると実に350万個に達するそうですよ。ゴミならば回収 した方がいいに決まっているんですが、宇宙のゴミはなかなかいい方法が 見つからないんですね。でも、打上げの時はできるだけゴミを増やさない ように工夫することも含めて、世界中の人々によって、スペースデブリを 減らす努力は続けられています。

 ここ数年、毎年100個前後の衛星が打ち上げられており、宇宙開発の進 歩に伴ってスペースデブリの量も急速に増えてきています。今回は、NASA が、衝突を起こす潜在的危険性は年々増してきていると警告したばかりの 衝突事件でした。

 オーストラリア、シドニー発――老朽化したロシアの宇宙ステーション 『ミール』が来月地球に落下させられるが、その落とし方たるや、まるで バスケットボールをリングに向けて放り投げるようなものだ――ニュージ ーランドとチリの間の誰もいない広大な海がミールのリングとなる。

 1972年のこと。ニュージーランドの南島に、重さ約14キロの謎のチタン 製ガス容器が4個落下したことがあります。現地の科学者は、キリル文字 が刻み込まれたこの球形容器は、ロシア(当時ソ連)の宇宙探査機のもの であると判断しました。落下のタイミングから見て、おそらく金星に向か った探査機のものだと推定されたのです。そこに使われているチタン技術 の先進性に、アメリカの専門家たちは驚きました。当時のアメリカが有し ていた技術よりも明らかに優れていたからです。当時の宇宙法のもとでは、 ニュージーランドにはその容器を旧ソ連に返還する義務があったのですが、 肝腎の旧ソ連がそれらを認知しようとせず、所有権も拒否したため、ニュ ージーランドは取り扱いに苦慮しました。結局のところ、落下したのが農 地であり、そこに住んでいた農民が記念に欲しがったので、やむを得ず農 民に返したといいます。

 つづいて1978年には、原子炉を積んだ旧ソ連の軍事衛星「コスモス954 号」がカナダに落下し、放射能を帯びた破片が散乱し、周囲が汚染される 事故が起きています。

 そして1979年には、スカイラブの一部がオーストラリアのパース郊外か ら遠く離れた砂漠地帯に落下しています。当時17歳だったスタン・ソーン トンくんという青年が、自宅の屋根に突き刺さったスカイラブの破片数個 を見つけ、サンフランシスコ行きの飛行機に飛び乗りました。そして『サ ンフランシスコ・イグザミナー』紙の編集室へ駆け込んだソーントンくん は、誰よりも早く編集室に宇宙ステーションの破片を届けたことへの褒賞 として、1万ドルを獲得したのです。

 最近では、2001年3月23日に大気圏に突入したロシアの宇宙ステーショ ン「ミール」は、地上の大騒ぎをよそに、計画通り無人の南太平洋上に制 御落下されたことは記憶に新しいところですね。あの騒ぎをコントロール していた私は、落下後の記者会見で、「世の受験生の苦労を尻目に、落ち る落ちると言い続けた大人たちを、受験生諸君、許してください」とやっ て喝采を浴びたのでした。あれから8年も経ったのですねえ。

(YM)

■宇宙茫茫ヘッドライン

【090216-01】 ロシア、Progress M-66の打上げとISSへのドッキング成功
【090216-02】 ロシア、バイコヌールからProton-Mによる通信衛星2基の打上げ成功
【090216-03】 Arianespace、ギアナからHot Bird 10、NSS-9、Spirale-A、-Bの打上げ成功
【090216-04】 NASA、STS-119ミッションDiscoveryの打上げを2月27日以降に延期
【090216-05】 Iridium 33とCosmos 2251、高度788kmの軌道上で衝突
【090216-06】 NASAのスーパープレッシャー気球、空中滞留記録を更新
【090216-07】 NASA、ブラックホール発見を目指すNuSTARをPegasus XLで打ち上げ
【090216-08】 米景気対策予算でNASAに10億ドル配分
【090216-09】 ESA、Mars ExpressとVenus Express及びClusterの運用期間を延長
【090216-10】 ESA、ロケットと気球による実験テーマの公募結果10チームを選定
【090216-11】 ISU年次シンポジウム…“Space for a Safe and Secure World”
【090216-12】 SES、Space Systems/LoralからQuetzSat-1を調達…EchoStarにリース
【090216-13】 NASA、MSFCにおける安全・ミッション保証関連の業務支援の契約を延長
【090216-14】 インド空軍、2010年半ばには偵察用の衛星の打上げを計画
【090216-15】 イラン、2021年までに有人ミッションの打上げを計画
【090216-16】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【090216-01】
ロシア、Progress M-66の打上げとISSへのドッキング成功

 2月10日の現地時間11:49(14:49JST)、ロシアはバイコヌールからSoyu- z-Uにより、無人の物資補給船Progress M-66(ISSへの飛行計画上の番号 は32P)を打ち上げ、ISSへ向かう軌道への投入に成功した。

 http://en.rian.ru/russia/20090210/120063797.html

 その後、Progress M-66は順調に飛行を続け、2月13日のモスクワ時間10 :18(16:18 JST)にISSとのドッキングに成功した。

 今回は全部で2.4トンの物資や燃料等を搭載しており、その中には、JAXA の軌道上遠隔医療の技術検証実験で使用するホルター心電計等が含まれて いる。また、2007年にJAXAが宇宙日本食として認定した28品目のうち20品 目が若田宇宙飛行士及びその他の第18/19次長期滞在クルー用に搭載され ている。

 http://en.rian.ru/russia/20090213/120118415.html

【090216-02】
ロシア、バイコヌールからProton-Mによる通信衛星2基の打上げ成功

 2月11日、ロシアはバイコヌールからProton-M/Breeze-Mにより、Express シリーズの通信衛星Express-AM44及びExpress-MD1を打ち上げ、静止軌道 への投入に成功した。

 今回の打上げではProtonの段間結合部のグラファイトエポキシ製のもの への変更、上段のBreeze-Mの推進薬タンクの数の削減等の改良を行って打 上げ能力向上を図ったロケットが用いられており、Protonとしては初めて Breeze-Mとの組み合わせで、質量2,560kgのExpress-AM44及び質量1,140kg のExpress-MD1の合わせて3,700kgの衛星の(遷移軌道への投入ではなく)静 止軌道への投入に成功した。

 Express-AM44はReshetnev Co.(以前はNPO PMと称されていた)製、Exp- ress-MD1はKhrunichev製であるが、これらの衛星の通信機器は何れもTha- les Alenia Spaceが提供している。衛星の運用にはRussian Satellite Communications Co.(RSCC)が当たる。

 Express-AM44は2008年2月のExpress-AM33に続くシリーズ2基目の衛星で、 ロシア全土や東ヨーロッパ、アジア太平洋地域などに衛星通信、テレビ放 送、インタネットサービスを提供する。Express-MD1はシリーズとしては 新しい小型の衛星でロシア西部等の限られた地域の安全な通信を確保する 目的を持っている。

 http://www.spaceflightnow.com/news/n0902/11express/

【090216-03】
Arianespace、ギアナからHot Bird 10、NSS-9、Spirale-A、-Bの打上げ成功

 2月12日、Arianespaceはギニアの射場からAriane 5 ECAによるEutelsat のHot Bird 10、SES NEW SKIESのNSS-9、及び2基のフランスの軍用の早期 警戒システムのデモンストレーション衛星Spirale-A、-Bの打上げを行い 所期の軌道への投入に成功した。

 この打上げはArianespaceの2009年初の打上げであり、Ariane 5としては、 43回目の打上げで、29回連続成功を記録したことになる。

 Hot Bird 10はEADS Astrium製で質量4,892kg、NSS-9はOrbital Sciences Corporation製で質量2,290kgである。

 Spirale-A、-Bは、CNESが開発した小型の衛星バスMyriadeをベースとし た衛星でEADS Astriumが製造に当たっており、他の2基の衛星の静止軌道 への遷移軌道である35,880km×603kmの楕円軌道上で運用される。

 http://www.arianespace.com/news-press-release/2009/02-12-09-hotbird10-nss-spirale-launch.asp

【090216-04】
NASA、STS-119ミッションDiscoveryの打上げを2月27日以降に延期

 2月13日、NASAはISSへ向かうSTS-119ミッションDiscoveryの打上げを最 短でも2月27日まで遅らせることを明らかにした。

 Discoveryの打上げターゲット日は2月12日とされていたが、射点に移動 後に行われた液体水素タンクの圧力を適正な範囲に保つシステムを構成し ている3個のFlow Control Valve(FCV)の交換作業に関連した確認作業に時 間を要するとして、2月6日に2月22日以降とするとの決定を行っていたが、 更に遅れることを明らかにしたもの。

 正式な打上げターゲット日は2月20日に予定されている飛行準備審査会 で決定されることとなる。

 現在Discoveryの3個のFCVは、これまでに何回もDiscoveryに装着されて 飛行実績のあるものに交換されているが、もし、2008年11月のEndeavour の打上げ時に発生したのと同じ事態…ポペットの損傷…となって破片生じ 水素ガスの加圧ラインに入った時に問題が起こらないか否かの判断のため の解析、実験に更に時間が必要とされている。

 http://www.spaceflightnow.com/shuttle/sts119/090213meeting/

【090216-05】
Iridium 33とCosmos 2251、高度788kmの軌道上で衝突

 2月11日、衛星電話サービスの提供をしているIridium Satellite LLCは、 同社が運用している66基の衛星の中の一つIridium 33が軌道上でロシアの 衛星と衝突して破壊してしまったことを確認した。

 この衛星同士の衝突については、NASAが米国防省のSpace Surveillance Networkの観測結果に基づいて情報提供を行っており、それによると2月10 日の16:55GMTにシベリアの東経98度、北緯72.5度の上空約788kmの地点で、 Iridium 33とロシアのCosmos 2251が衝突したもの。衝突により多くの破 片が生じている。

 Iridium 33は1997年に打ち上げられた質量560kgの衛星で、軌道傾斜86.4 度とほぼ地球の両極の上空を回る軌道上で運用されており、Cosmos 2251は 1993年に打ち上げられた質量900kg、軌道傾斜は74度の衛星であるが打上げ 後2年で機能を停止していた。

 この衝突の様子については明らかにされている軌道情報を用いてAnaly- tical Graphics, Inc.が直ちにシミュレーション計算を行っているが、そ れによると中央アジアから北極方向へ向かいつつあったIridium 33に進行 方向左側から、北欧から北極海を抜けて来たCosmos 2251がほぼ直角に衝突 している。その時の相対速度は毎秒約11.8kmであった。

 http://www.agi.com/corporate/mediaCenter/news/iridium-cosmos/

 Iridiumでは、この事故のユーザに対するサービスへの影響を最小限に 押さえるために、1ヶ月以内に予備の衛星をIridium 33の位置へ移動させ るとしている。

 地球の周りの軌道上には多くの衛星が周回しており、且つ運用停止とな った衛星を含む多くの不要物…宇宙デブリ…が存在するが、衛星同士の衝 突が確認されたのは初めてのことである。なお、Space Surveillance Net- workは、常に18,000個以上の人工の物体を監視している。

 http://www.space.com/news/090211-satellite-collision.html

【090216-06】(関連記事:【090112-03】)
NASAのスーパープレッシャー気球、空中滞留記録を更新

 2月8日、NASAは気球の滞空日数の記録を更新した。昨年12月28日に南極 大陸のマクマード基地から放球した新設計のスーパープレッシャー気球が これまでの記録42日を更新し、引き続いて高度33.8kmで安定した状態を保 っている。

 Ultra Long Duration Balloon(ULDB)の実用化を目指した実験で、気球 は南極点を中心として常に西風が吹いている極渦(polar vortex)に乗って 南極点を中心とした円を描いて動いている。

 ULDBのプロジェクトでは滞空日数100日を目標としているが、今回の実 験では極渦が乱れる時季を迎えるので、その前に観測機器を回収すべく、 100日へのチャレンジは行わないとしてる。

 今後の予定としては、2009年6月にスウェーデンで今回と同じ大きさの 気球の実験を行い、2009年末には南極で今回の2倍の大きさの気球の実験 を行い、2010年には更に南極で、今回の3倍の大きさで1トンの機器を搭載 できる気球で100日間の滞空を目指す。

 http://www.sindhtoday.net/world/61176.htm

【090216-07】
NASA、ブラックホール発見を目指すNuSTARをPegasus XLで打ち上げ

 2月9日、NASAは開発中のNuclear Spectroscopic Telescope Array (Nu- STAR)の打上げをOrbital Sciences CorporationのPegasus XLで行うと決 めたことを明らかにした。

 打上げは2011年に、太平洋のクワジェリン環礁にあるRonald Reagan Ba- llistic Missile Defense Test Siteから飛び立つ航空機から行われる予 定とされている。

 NuSTARはカリフォルニア工科大学(Caltech)とジェット推進研究所(JPL) が推進する高エネルギーのX線によるブラックホールの発見を目指す衛星 で、Orbital ではこの衛星の設計、製造も受注している。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/feb/HQ_C09-004_NuSTAR_contract.html

【090216-08】
米景気対策予算でNASAに10億ドル配分

 2月13日に米議会の上下院で可決された7,870億ドルの景気対策法案に、 NASAの予算として10億ドルが含まれている。

 上下院での採決の結果が異なる中で両院での一本化が図られた結果とし て予算額が決定したもの。

 これより先の両院の採決におけるNASAの予算は上院が13億ドルであった のに対し下院は6億ドルであって、最大の相違点はスペースシャトルの引 退と次期有人打上げシステムの開発完了のギャップを縮めるための予算を 上院は4億5,000万ドルとしていたが下院は入れていなかった点にあった。

 一本化の結果として、このギャップを縮めるための予算が細目は規定せ ず“exploration”というだけの項目で4億ドル含まれることとなった。 NASAとしては大統領の署名後60日以内に使途を明確にすることが求められ る。

 その他としては、4億ドルが地球科学等の科学プログラムに、1億5,000 万ドルが航空関係のプログラムに、5,000万ドルが2008年中にNASAの施設 が受けたハリケーンの被害の修復に割り当てられている。

 http://www.chron.com/disp/story.mpl/space/6261269.html

【090216-09】
ESA、Mars ExpressとVenus Express及びClusterの運用期間を延長

 2月10日、ESAは3つの探査ミッションの運用期間延長を決めたことを明 らかにした。

 火星周回軌道上のMars Expressと金星周回軌道上のVenus Express及び 地球周りの19,000km×119,000kmの極軌道のほぼ同じ位置にあって地球の 磁場に関する観測を行っているClusterの4基の衛星群(Rumba、Salsa、 Samba、Tango)の運用期間を2009年末まで延ばすことにしたもの。

 2003年に打ち上げられたMars Expressと2000年に打ち上げられたClu- sterは3回目の、2005年に打ち上げられたVenus Expressは2回目の運用期 間延長となっている。

 http://news.yahoo.com/s/afp/20090210/sc_afp/spaceeurope;_ylt=AlJc7AJmBKmrTKVbfyRiiauHgsgF

【090216-10】
ESA、ロケットと気球による実験テーマの公募結果10チームを選定

 2月12日、ESAの教育オフィスは2008年9月に開始したロケットと気球に よる実験テーマの公募REXUS/BEXUS (Rocket/Balloon EXperiments for University Students)の選定結果を明らかにした。(選定結果の詳細は記 載省略…源泉資料参照方)

 20件の応募の中から書類審査の結果で絞られた大学生・大学院生の15 のチームが2月3日〜5日にESTECで行われたワークショップで提案につい てのプレゼンテーションを行った後、最終選考会が開かれて、ロケット 実験REXUSに3チーム、気球実験BEXUSに7チームの計10チームが選ばれた もの。

 審査にはESA、スウェーデン国家宇宙会議(SNSB)、スウェーデン宇宙公 社(SSC)及びドイツ航空宇宙センタ(DLR)の専門家が当たっている。
 
 審査の結果を受けて、各チームは実験装置の製作に入ることとなる。 実験は気球が2009年10月、ロケットが2010年3月に行われる予定である。

 http://www.esa.int/esaCP/SEMZ3R05VQF_index_0.html

【090216-11】
ISU年次シンポジウム…“Space for a Safe and Secure World”

 2月18日〜20日の3日間、フランスのストラスブール郊外にある国際宇宙 大学(ISU: International Space University)において13回目の年次シ ンポジウムが開催される。

 今年のテーマは、“Space for a Safe and Secure World”で、このテ ーマの下で、半日ずつの予定で以下の6つのセッションが行われ、各国か らの専門家の講演と、そのセッションの講演者によるパネルディスカッシ ョンが行われる。

* International Goals and Perspectives on Security
* Civil Security
* Homeland and National Security
* Military Space and Dual Use
* Space Assets and the Space Environment
* Making Earth Safer and More Secure

 http://www.isunet.edu/index2.php?option=com_docman&task=doc_view&gid=660&Itemid=26

【090216-12】
SES、Space Systems/LoralからQuetzSat-1を調達…EchoStarにリース

 2月11日、SES S.A.はSpace Systems/Loralとの間で高出力の通信衛星 QuetzSat-1の製造契約を締結したことを明らかにした。

 この衛星の調達はSES傘下のSES Satellite Leasing Limitedが行う形で、 静止位置は西経77度の予定で、静止後は衛星全体を米国のEchoStar Corp- orationの子会社EchoStar 77 Corporationにリースする契約が結ばれてい る。

 この衛星の32本のTVの直接放送サービス用のトランスポンダの中の8本 はEchoStarとメキシコの資本の合弁のメキシコ企業Dish Mexicoがメキシ コ向けの直接放送サービスに用い、残りはEchoStar 77からDISH Network Corporationの子会社であるDISH Network L.L.C.に提供されて中南米向け に用いられることとなっている。(注:DISH Network CorporationとEcho- Star Corporationは2008年1月に分かれた会社で、今でも両社は共通の個 人株主の影響を受けている。)

 QuetzSat-1が打ち上げられる西経77度からの直接放送サービスの権利は 2005年にSESの資本が入っているメキシコ企業QuetzSat S. de R.L. de C.V. に対してメキシコ政府から与えられているものである。

 http://www.ses.com/ses/siteSections/mediaroom/Latest_News/index.php?pressRelease=/pressReleases/pressReleaseList/09-02-11/index.php

【090216-13】
NASA、MSFCにおける安全・ミッション保証関連の業務支援の契約を延長

 2月13日、NASAはマーシャル宇宙飛行センタ(MSFC)における安全・ミッ ション保証(Safety and Mission Assurance)関連の業務支援の契約を延長 したことを明らかにした。

 2007年1月にHernandez Engineering Inc.と契約をしたものであるが、 その後同社がBastion Technologies Inc.と合併したことにより、Bastion Technologiesが契約の当事者となっている。

 今回の延長は契約のオプションの適用によるもので、これで契約の期間 は2010年1月31日までとなり、契約総額は追加分3,330万ドルを含んで1億 ドルとなった。今後全てのオプションが適用されると契約は2017年まで続 き、契約額は3億7,600万ドルになる。

 Bastion TechnologiesはMSFCの安全・ミッション保証部に対して、同セ ンタで行う設計・開発・試験に関する安全性・信頼性・保全性に係る技術 支援作業並びに安全・ミッション保証に関する管理情報、品質保証及び品 質技術、独立評価支援及び文書化、プロジェクト保証及びリスクマネジメ ントを提供する。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/feb/HQ_C09-005_MSFC_contract.html

【090216-14】
インド空軍、2010年半ばには偵察用の衛星の打上げを計画

 2月12日、インドのメディアはインド空軍の高官が2010年の半ばまでに 監視と攻撃能力の向上のために軍事目的の衛星を打ち上げる計画であると インドで開かれていた国際航空ショーであるAero Indiaの会場での記者会 見で語ったことを伝えている。

 インド宇宙研究機関(ISRO)が、2010年の半ば頃に極軌道衛星打上げロケ ット(PSLV)によりスリハリコタの射場から空軍の衛星を打ち上げることが 決まっているとしている。

 ISROでは2001年10月に既に1,108kgの軍事目的の試験衛星を打ち上げて おり、この時分解能1mの映像の取得及びユーザへの映像の速やかな配信を 実証していたが、このことは公表されないで来ていた。

 新しい衛星では、2009年中に整備されるインド空軍のIntegrated Air Command and Control Systemへの必要な映像の迅速な配信機能が求められ ている。

 http://www.thaindian.com/newsportal/uncategorized/dedicated-satellite-for-iaf-by-2010-to-enhance-surveillance-capabilities_100154335.html

【090216-15】
イラン、2021年までに有人ミッションの打上げを計画

 2月12日、ロシアの国営通信RIA Novostiはイランの航空宇宙局長がイラ ンのメディアに対して、2021年までに国産のロケットによる有人ミッショ ンの打上げを行うことを考えて既に研究を開始していると語ったと報じて いる。

 中国とインドは研究開始から15年で有人ミッションに到達するか到達し ようとしているが、イランはそれよりも短期間で目的を達成することがで きると自信を示しているとしている。

 また、通信情報相は、現在イランでは7基の新しい衛星の製造に取りか かっており、その内4基は低軌道衛星で質量は100kgまでであると語ってい るとしている。

 http://en.rian.ru/world/20090212/120103731.html

【090216-16】
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