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メールマガジン「週刊KU-MA」 第41号          [2009.4.15]


■目次

(1)YMコラム
     「姿を現したインドのスペースシャトル」

(2)ワンダフル宇宙
     「海はなぜ青いのか?」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム(41) 2009年4月15日

 姿を現したインドのスペースシャトル

 インド版スペースシャトルの小型テスト機が、ティルーヴァナンタプラ ムのヴィクラム・サラバイ宇宙センター(VSCC)に、ついにその姿を見せま した。この機体は、再使用型打上げ技術試験機(RLV-TD: Reusable La- unch Vehicle-Technology Demonstrator)と呼ばれています。

 http://www.hindu.com/2009/04/01/stories/2009040161821100.htm

 この有翼機は、1980年代に打ち上げられた衛星打上げ用ロケットSLV-3 の1段目(S-9: 約9トン)の上に鉛直に鎮座して、発射されます。もちろ ん、ブースター・ロケットが途中まで運んで切り離し、有翼機だけが宇宙 へ行き、大気圏に再突入して海上に帰還し、回収するわけです。

 http://www.hindu.com/2009/04/01/stories/2009040152201100.htm

 すでに2008年12月には、ブースターの地上燃焼試験を行っています。こ れから1年ぐらいをかけて、有翼機のさまざまな構造機能試験をこなして いき、打上げにこぎつける予定となっています。

 インドでは、1980年代の末から1990年代の初めにかけて、「ハイパープ レーン」と呼ばれる有翼機を使い捨てロケットで打ち上げる計画を標榜し ていましたが、後にAvatar RLVという単段式のスペースプレーン(SSTO: Single Stage to Orbit)にとって代わられました。しかしこの計画も現 在は棚上げされ、現在では、使い捨てのGSLVロケットで2014-2015年に有 人宇宙船を打ち上げる計画が主流となっています。今回お目見えしたスペ ースシャトル型の有翼機は、その主流の計画の基礎データを習得する狙い もあると見られます。

 RLV-TDのフライトでは、再突入・降下・回収という3つの技術課題があ るわけですが、1年後の最初のテスト・フライトでは、コストの問題もあ って回収は行わず、データはすべてテレメータで獲得することになってい ます。インドにとっては、有翼機の空気力学と機体の制御技術の習得がカ ギになってくるでしょうが、何と言っても上昇時と下降時のDAP(Digital Auto-Pilot)が問題でしょう。

 空気力学的には、再突入時の熱の問題をどう処理するかが最大の見所で す。すでに一昨年の国際会議でインドを訪れた際にも、かなり精力的に開 発に取り組んでいた形跡があります。1年後に迫ったテスト飛行で、その 後に向けて大きな成果が得られるよう期待しつつ、一向に有人輸送の動き が加速しない日本の宇宙戦略を叱ることにしましょう。

(YM)

■ワンダフル宇宙(41) 2009年4月15日

 海はなぜ青いのか?

 海が青い理由は非常に複雑です。実は、次の3つの光が一緒になって海 の色になっているのです。

●空の青が海面に映って青く見えるということ、
●海に入って来た青い光が海中に浮かんでいるゴミやプランクトンなどで  散乱されること、
●青い光が海底で反射すること。

(1)まず海面からの反射について考えてみましょう。夕日が海面で反射 して金色に輝いているのを見たことがあるでしょう。水面での光の反射は、 思ったよりも強いんですね。同じように、空の色が青い時、その青い光を 海面が反射して、海は青く見えます。でも空が青くない時もありますよね、 全天が曇っている時などは。そんな時は、海の色もどんよりとはしてきま すが、やはり青っぽいことは青っぽいです。その理由は他の二つの原因で 説明できそうです。逆に、そんな時に鮮やかな青っぽさが海から消えてし まうこと自体が、空の色の海面での反射がいかに強いかを証明するものと なっていると言えます。

(2)光は海水の中にも入っていきますね。海水にゴミやプランクトンな どが浮いていない限り、光はどんどん深いところに進んでいきます。その 際、水は赤っぽい光を吸い取る性質があるので、水に吸い取られない青っ ぽい光だけが残りながら進んで行くのです。だからこそ海に潜った人は、 美しい青い世界を楽しんでいるんですね。もしもその青い光が、ゴミやプ ランクトンなどによって散乱されると、その散乱された青い光のある部分 は、海面まで届くでしょう。そして海面の外へ出て、私たちの目に入るこ とになります。

(3)青い光でも、ゴミやプランクトンなどによって上方へ散乱されなか ったものは、もっと深いところに進んで海底に達します。そして海底がサ ンゴ礁のように白いと、光はそこで反射して、再び海面に出てきます。も っとも、海底が黒い泥だったり非常に深い海だったりしたら、海底からの 反射はなくなってしまいますがね。これで、海の色が青い理由が分かった でしょうか? ただし、コップの水は透き通っていて青くは見えないし、 浅い海も青くはないので、光が海に入ってすぐに赤い光がなくなってしま うほど、水が赤っぽい光を猛烈に吸収しているわけではないことも分かり ますね。水は少しずつ光の中の赤を吸い取っていきます。海中に入ってい った太陽の光は、徐々に青っぽくなっていくんですね。ダイビングの好き な人は、その海中の色の微妙な変化の様子を、親しくお分かりでしょう。

 水って本当に感動的な不思議さをもつ物質ですね。

■宇宙茫茫ヘッドライン
【090413-01】 ISSから3人を乗せSoyuz TMA-13が無事に帰還
【090413-02】 月周回衛星「かぐや」、6月10日に月面に制御落下の予定
【090413-03】 Sea Launch、イタリア国防省のSICRAL 1Bの打上げを4月19日に実施予定
【090413-04】 インド、イスラエル製の偵察衛星の打上げを4月20日に実施予定
【090413-05】 ESA、Herschel/Planckの打上げを5月6日に実施予定
【090413-06】 Delta IVによるGOES Oの打上げ、リハーサル時のLOX漏れで遅れ
【090413-07】 カザフスタン、政府資金での宇宙飛行士のISSへの送り込み無期限延期
【090413-08】 NASA、Node 3の名称を4月14日にTV番組中で発表
【090413-09】 NASA、Orionの耐熱シールドの素材としてAvcoatを採用
【090413-10】 Rocketdyne、LOX/ケロシンの小型宇宙用エンジンの燃焼試験実施
【090413-11】 ロシア、新しい有人宇宙船の開発に着手
【090413-12】 ロシア、新しい有人宇宙船を打ち上げる新しいロケットの開発に着手
【090413-13】 米国政府、新たな偵察衛星の調達と画像データ購入量増大にGO
【090413-14】 韓国、KSLV-1の打上げに向けてGTVによる試験開始
【090413-15】 南京で中国宇宙開発史上最大規模となる航空宇宙展開催
【090413-16】  Pete Conrad Spirit of Innovation Awardの最終審査終了
【090413-17】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【090413-01】(関連記事:【090406-03】)
ISSから3人を乗せSoyuz TMA-13が無事に帰還

 4月8日、ISSからSoyuz TMA-13が無事にカザフスタンの草原に帰還した。 搭乗者は、第18次長期滞在クルーの米国人コマンダーMichael Fincke、ロ シア人フライトエンジニアYuri Lonchakovと短期訪問の米国人Charles Simonyiの3人であった。

 FinckeとLonchakovは、2008年10月12日に同じSoyuz TMA-13でISSに向か い、宇宙滞在178日を記録した。Finckeは2004年4月〜10月に第9次長期滞 在クルーとして188日間の宇宙滞在を経験している。Lonchakovは、2001年 にスペースシャトルEndeavourで12日間、2002年にSoyuzによるISS短期訪 問の形で11日間を宇宙で過ごしている。なお、FinckeはISSへの往復を同 じSoyuzで行った初めての米国人となった。

 Simonyiは2007年4月に今回と同じSpace Adventuresが仲介するSoyuzに よる短期訪問者としてISSを訪れており、今回が2回目のISS短期訪問であ った。彼はハンガリー生まれの米国人で1981年にMicrosoftに入社し、ワ ード、エクセルといったプログラムの開発の中心となり、その後2002年に はIntentional Software Corp.をGregor Kiczalesと共同で設立している。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/apr/HQ_09-081_Exp18_Landing.html

【090413-02】(関連記事:【081110-06】)
月周回衛星「かぐや」、6月10日に月面に制御落下の予定

 4月8日、JAXAは同日開催された宇宙開発委員会において、月周回衛星 「かぐや」(SELENE)の後期運用についての報告を行った。「かぐや」 (SELENE)は2008年10月31日に定常運用を終了し、引き続き後期運用に入 っていたが、その運用状況と今後の計画について報告したもの。

 定常観測期間中のGRS(ガンマ線分光計)の欠測期間を補完する観測は12 月末までに終了し、2月1日からの2ヶ月間には高度50kmの軌道から月磁場、 プラズマ環境の3次元分布の観測を実施した。

 4月以降は近月点が30km以下の軌道から、月の裏側のミニ磁気圏領域 (南極エイトケン盆地)に対する月磁場、プラズマ環境の追加観測を行う 予定。

 その後、6月10日頃に月の表側(日陰)への制御落下を行う予定で、今後、 詳細な日時及び地点の情報を公開して、地上の天文台からの落下の観測の 呼び掛けを行う。

 なお、3月21日に姿勢制御に用いてきたリアクションホイール#3の摩擦 トルクが急増したために、姿勢制御をスラスタによる制御に変更している。 今後も姿勢制御の精度要求を緩和して推薬の節約を図りながらスラスタ姿 勢制御を続ける予定。

 http://www.jaxa.jp/press/2009/04/20090408_sac_kaguya_j.html

【090413-03】(関連記事:【081117-11】)
Sea Launch、イタリア国防省のSICRAL 1Bの打上げを4月19日に実施予定

 4月6日、Sea Launchは、同社の発射台Odysseyと司令船Sea Launch Co- mmanderがカリフォルニア州ロングビーチの母港を出て、太平洋上西経154 度の打上げ地点へ向かったことを明らかにした。

 4月19日にZenit-3SLによりTelespazioとの間で打上げ契約を結んでいる イタリア国防省の通信衛星SICRAL 1Bの打上げを行う予定としている。

 SICRAL 1BはThales Alenia Space製の質量3,038kgの衛星で、イタリア 軍関係の通信に供される他、陸海空の移動体通信及びNATO軍へUHF、SHFで の通信を提供する。

 なお、この打上げは当初は2009年1月に予定されていたもの。遅延の理 由は明らかにされていない。

 http://www.sea-launch.com/news_releases/2009/nr_090406.html

【090413-04】(関連記事:【090330-08】)
インド、イスラエル製の偵察衛星の打上げを4月20日に実施予定

 4月8日、インドのメディアは、先にインド宇宙研究機関(ISRO)のNair総 裁がイスラエルの関与について明確にしなかったインドが打ち上げようと している偵察衛星に関して、はっきりとイスラエル製の衛星であることを 報じている。

 4月20日にスリハリコタの射場から極軌道衛星打上げロケット(PSLV)に よって、Israel Aerospace Industries (IAI)製の、合成開口レーダーを 装備した質量300kgの衛星を高度550kmの軌道に打ち上げる予定であるとし ている。

 インドは、2007年1月にイスラエルの合成開口レーダー搭載の衛星Tec- SARをPSLVによって打ち上げており、今回のIAIからの衛星の調達は、天候 や時間に左右されず精度の良い地表の画像が取得できるTecSARの性能を高 く評価したことから同じモデルを調達したものと考えられると報じている。 インドとしては初めての合成開口レーダー搭載の衛星である。

 http://www.domain-b.com/aero/space/satellites/20090408_iai-built_spy_satellite.html

【090413-05】(関連記事:【090406-06】)
ESA、Herschel/Planckの打上げを5月6日に実施予定

 4月8日、ESAは、Herschel望遠鏡の鏡の強度余裕の再確認のために遅れ が生じていたHerschelとPlanckの打上げを5月6日に行うことを明らかにし た。打上げはギアナの射場からAriane 5によって行われる。

 ESAの監察総監を長とする外部の専門家の検討会で鏡の構造・強度に関 する技術文書を再点検した結果、強度余裕に問題が無いことが確認できた としている。

 http://www.esa.int/esaCP/SEMU8LEH1TF_index_0.html

【090413-06】
Delta IVによるGOES Oの打上げ、リハーサル時のLOX漏れで遅れ

 4月10日、NASAは4月28日に予定していたケープカナベラルからのDelta IVによる静止気象衛星GOES Oの打上げを5月12日以降に延期することを明 らかにした。

 United Launch Alliance(ULA)が行っている打上げ準備作業の中で、4月 8日に実施した“wet dress rehearsal”において、1段に液体酸素の漏れ が発見されたための処置である。(注:wet dress rehearsalとは、推進薬 の充填からエンジン点火までのカウントダウンを正規のシーケンスに従っ て行うもの。)

 漏れの発生箇所は、液体酸素の充填・排出(fill and drain)用のバルブ と見られており、少なくとも当該バルブの交換は必要とされる。

 5月12日はハッブル宇宙望遠鏡のメンテナンスに向かうスペースシャト ルAtlantisの打上げターゲット日とされている日であり、同じ日の打上げ は考えられないことから、今後、今回の不具合対策の状況及びAtlantisの 準備状況並びに射場側の対応可能性を考慮しつつ、打上げ日の決定を行う としている。

 http://www.floridatoday.com/content/blogs/space/2009/04/delta-iv-launch-postponed-until-may.shtml

【090413-07】(関連記事:【081124-11】)
カザフスタン、政府資金での宇宙飛行士のISSへの送り込み無期限延期

 4月9日、カザフスタンの国立宇宙機関の長であるTalgat Musabayevは、 先にロシアとの間で合意に達していた、カザフスタン政府が商業ベースで ロシアのSoyuz の座席を確保して2009年10月にカザフスタン人をISSに送 り込むという計画を無期限に延期することを明らかにした。

 延期の理由は、カザフスタン政府としてロシアに支払う資金を確保でき ないことが明確になったためとしている。ロシアとの契約上、幾ら支払う ことになっていたのかは明らかにされていない。

 http://news.xinhuanet.com/english/2009-04/10/content_11162590.htm

【090413-08】(関連記事:【090330-10】)
NASA、Node 3の名称を4月14日にTV番組中で発表

 4月10日、NASAは先に実施したウェブ上での一般投票の結果を踏まえて 決めたISSの新しいモジュール“Node 3”の名称を、4月14日にケーブルテ レビジョンのチャンネルComedy Centralで放映される“The Colbert Re- port(ザ・コルベール・レポー)”の中で発表することを明らかにした。

 発表は、ISSの第14次〜15次の長期滞在クルーであった女性宇宙飛行士 のSunita Williamsが番組に出演して行う。

 3月20日に締め切られた一般投票では、この番組の司会者Stephen Col- bertが自分の名前を書き込む様に呼び掛けた結果、“Colbert”がトップ の座を占めた。

 しかしながらNASAは一般投票を行うに際して、最終的に名称を何にす るかの決定権を保留するとしているので、如何なる名称が発表されるか は当日まで伏せられている。

 NASAは名称の発表は4月28日にNode 3のケネディ宇宙センタ(KSC)にお ける公開時に行うとしていたが、KSCへの搬入が5月にずれ込むことにな ったこともあり、時期を早めて、番組内での発表に踏み切ったもの。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/apr/HQ_M09-057_Node3_Naming.html

【090413-09】
NASA、Orionの耐熱シールドの素材としてAvcoatを採用

 4月7日、NASAは次期の有人宇宙船Orionの大気圏再突入に備えるための 熱防御システム(Thermal Protection System:TPS)の耐熱シールドの素材 としてApollo宇宙船に用いられていたAvcoatを選定したことを明らかにし た。

 ここ3年以上に亘って、Orion TPS Advanced Development Projectの名 の下に、8種類の候補材料について詳細な比較を行って来た結果で、最後 はAvcoatと、彗星からのサンプルリターンのStardustミッションに用いら れたPhenolic Impregnated Carbon Ablator(PICA)の2つに絞られた候補に 対して比較のための試験・検討が行われ、Avcoatの採用が決まったもの。

 本件に関しては、BoeingがFiber Materials Inc.のPICAの採用で先行し ているかの動きを示していたが(関連記事:【071119-08】)、結局Lockhe- ed Martinの下で昔の製法の再現を行ったTextron Defense Systemsの技術 が採用されることになった。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/apr/HQ_09-080_Orion_Heat_Shield.html

【090413-10】
Rocketdyne、LOX/ケロシンの小型宇宙用エンジンの燃焼試験実施

 4月6日、Pratt & Whitney Rocketdyneは、今後の月、火星或いはその先 への有人ミッションの効率化に役立つ推進系の燃焼試験を無事終了したこ とを明らかにした。

 試験はNASAのグレン研究センタで、Exploration Technology Develop- ment Program (ETDP)の下でのPropulsion and Cryogenics Advanced De- velopment (PCAD)プロジェクトの一環として行われた。

 推力は約11kgfで、試験ではガス状のメタンと酸素による冷却の効果の デモンストレーション、高空を模擬した状態での急速スタート及び停止の 実施、点火と燃焼性能についての広範囲のデータ取得が行われた。

 Rocketdyneはこのエンジンの開発の本格着手の用意ができていることの 確認ができたとしており、今後、NASAが行う液体酸素/メタンのエンジン を将来の宇宙機のベースラインとすべきか否かの判断のためのデータを提 供し支援していくとしている。

 http://sev.prnewswire.com/aerospace-defense/20090406/NE9508506042009-1.html

【090413-11】
ロシア、新しい有人宇宙船の開発に着手

 4月6日、ロシア連邦宇宙局(Roscosmos)は新しい有人宇宙船(PPTS)の開 発の予備設計の契約をRSC Energiaと交わしたことを明らかにした。契約 期間は2010年6月までで契約額は8億ルーブル(約2,400万ドル)とされてい る。

 ロシアとESAは協力して新しい有人宇宙船(Advanced Crew Transporta- tion System:ACTS)を開発することで一旦は合意し、責任分担の詰めの 段階に入っていたが(関連記事:【080603-14】)、両機関の間で技術情報 の交換に関する取り決めが結ばれていないことから、充分な技術的詰め を行うことができず、結局は別の道を進むことになり、ロシア国内では 開発担当企業の選定が行われたもので、RSC Energia とKhrunichev Sta- te Research and Production Space Centerが競合していた。

 新しい有人宇宙船は“PPTS”と称されているが、これは “Perspekti- vnaya Pilotiruemaya Transportnaya Sistema”というロシア語 (英語で Prospective Piloted Transport Systemの意) の短縮形である。

 PPTSはSoyuz宇宙船の後継として開発されるもので、極東のアムール地 域に新しく建設されるVostochnyからの打上げを前提としており、要求仕 様としては、地球周回軌道上のISS及び将来のロシア独自の宇宙基地への ミッションとしては全備重量12トンで、これまでの3人の倍の6人のクル ーと500kgの荷物を運べ、そこにドッキングして1年間留まることが可能 なこと、月へのミッションとしては全備重量16.5トンで4人のクルーと10 0kgの荷物を運べ、月周回をして戻るために14日間の単独飛行が可能で且 つ、月の基地に200日間留まることが可能なことが求められている。但し、 当面の契約の対象は、地球周回軌道へのミッション用のバージョンに限 るとされている。

 http://www.russianspaceweb.com/ppts.html

【090413-12】
ロシア、新しい有人宇宙船を打ち上げる新しいロケットの開発に着手

 4月10日、ロシア連邦宇宙局(Roscosmos)は新しい有人宇宙船(PPTS)を打 ち上げる新しいロケットの開発に係る契約を締結したことを明らかにした。 契約には極東のアムール地域に新しく建設されるVostochnyの射場のロケ ット関連の設備も含まれている。

 http://www.itar-tass.com/eng/level2.html?NewsID=13789875&PageNum=0

 新しい中型のロケット“Rus-M”のシステム・インテグレーションと射 場設備及び2段の開発をTcSKB Progressが行い、1段をMakeev Rocket De- sign Bureauが担当し、有人打上げに適用するバージョンをRSC Energiaが 担当する体制となっており、予備設計を2010年9月に完了し、無人の初号 機を2015年、有人の初号機を2018年に打ち上げる計画となっている。

 新しいロケットはロシアでは“中型”に分類される大きさで、Vostoch- nyの射場からの打上げを前提としており、無人ミッションの場合は高度20 0kmの軌道に23.8トン、有人ミッションの場合には最低でも135km×440km の軌道に18.8トンの打上げ能力が求められている。(大型は低軌道に35ト ン以上)

 1段にはLOX/ケロシンを推進薬とするRD-180エンジンを3基、2段はLOX/ LH2を推進薬とするRD-01214エンジンを4基装備する構想となっている。い ずれも打上げ実績のあるエンジンである。

 新しいロケットの構想検討に際しては、ロシアの現存及び開発に着手済 みのロケットである、Soyuz、Proton、Zenit及びAngaraの比較が行われて いる。

 その中で、Soyuzは打上げ能力が7トンしかなく、発展を考えるには基本 構成及びシステムが旧式であること、Protonは使用している推進薬に毒性 があり、フェーズアウトさせようとしているロケットであること、Zenitは、 ウクライナで製造されるロケットであること、Angaraは軍用及び商業用の 衛星をPlesetskの射場から打ち上げることを目的としており、新たに有人 対応が必要なことと、もしこれを採用するとロシアの全ての打上げ手段が Khrunichev 1社に集中してしまうこと、が考慮されて、何れにも基づかな い新しい構想のロケットとすることが決定された。

 http://www.russianspaceweb.com/ppts_lv.html

【090413-13】
米国政府、新たな偵察衛星の調達と画像データ購入量増大にGO

 4月6日、米国政府は新たな偵察衛星(地表の光学画像を取得する衛星)の 調達及び民間からの地表の画像データの購入量の増大を認める決定を下し たことを明らかにした。

 偵察衛星に関しては2005年9月にNegroponte国家情報長官(Director of National Intelligence)が、大幅予算超過とスケジュール遅れを理由に、 1999年以来Boeingに担当させてきたFuture Imagery Architecture(FIA) プログラムでの衛星開発の中止を決めたことにより、新しい衛星の開発が 行われていない状況が続き、現用衛星の寿命との関係で、情報収集にギャ ップが生じることが危惧されていた。

 今回の決定では、新規に調達する衛星は、現用の衛星と同レベルの機能 ・性能の衛星とする方向とされている。調達数は2基となると考えられて おり、現用の衛星を製造したLockheed Martinが競争無しで受注するもの と見られている。

 民間からの画像の購入は、現在DigitalGlobeとGeoEyeの2社から合わせ て月に2,500万ドル分の画像を購入しているが、これを大幅に増大するこ とを認めている。金額は明確にされていないが、政府の購入量の増大によ って、両社はそれぞれ1基の新しい衛星を打ち上げて運用することが可能 となると見られている。

 なお、議会による予算の承認はまだ行われていないが、政府筋では承認 されることに間違いはないとしている。また、民間からの画像購入量の増 大に関しては、近々契約交渉に入るとされている。

 http://news.yahoo.com/s/ap/20090407/ap_on_go_ot/us_spy_satellites;_ylt=AtJBhmOQlTQqwuC.Ekw2QUKHgsgF)

【090413-14】(関連記事:【081027-09】)
韓国、KSLV-1の打上げに向けてGTVによる試験開始

 4月10日から韓国の全羅南道高興(チョンラナムド・コフン)の羅老(ナ ロ)宇宙センタで、初の国産の人工衛星打上げ用ロケットKSLV-1の地上試 験のための機体(Ground Test Vehicle:GTV)を用いた試験が開始された。

 3月末までに、1段の供給と技術支援を行っているロシアが要求した384 項目に及ぶ射点設備の性能試験を全てクリアし、追跡管制の試験のための 模擬飛行実験も13回行われた。

 GTVの試験は6月23日まで行われるとされており、KSLV-1の1段のロシア からの搬入は6月中旬頃に予定されていて、初号機による科学衛星2号の打 上げは7月末頃とされている。なお、韓国ではロシアとの間でKSLV-1を3機 打ち上げることで合意しており既に打ち上げる3基の衛星は羅老宇宙セン タに搬入されている。

 韓国では独自開発のKSLV-2の打上げを2017年には行い、真の韓国宇宙時 代を切り開きたいとしている。

 http://www.chosunonline.com/news/20090409000046

 http://www.chosunonline.com/news/20090409000047

 http://www.chosunonline.com/news/20090409000048

【090413-15】
南京で中国宇宙開発史上最大規模となる航空宇宙展開催

 4月8日、中国南京市は4月25日から5月24日まで中国宇宙開発史上最大規 模となる航空宇宙展“中国首次太空漫?航天展(第1回中国宇宙遊泳航空宇 宙展)”を“飛天壮歌”のタイトルの下で南京科技館で開催することを明 らかにした。

 この航空宇宙展では、中国初の船外活動を成功させた神舟7号の帰還カ プセル、搭乗クルーが着た宇宙服、?志剛宇宙飛行士が船外活動で振った 中国国旗などの実物が展示される。また、29mを超える長征2号Fロケット の模型、神舟の実物大模型、宇宙で撮影した写真、関連資料なども展示さ れる。

 http://www.sorae.jp/030599/2943.html

【090413-16】
Pete Conrad Spirit of Innovation Awardの最終審査終了

 4月6日、Conrad Foundationは、2008/2009のPete Conrad Spirit of Innovation Awardの最終審査の結果を発表した。

 このコンテストは高校生を対象にして、優れた新しい製品等のアイデア とその実現のためのビジネスプランを競うもので、今回の対象分野は、個 人の宇宙飛行に用いる革新的な製品の提案、月探査を行う企業の提案、ク リーンなカーボンフリーの再生可能なエネルギーの創出に関する提案の3 分野であり、合わせて21のチームが4月2日から4日にNASAのエイムズ研究 センタで開催されたInnovation Summitでの最終審査に参加した。

 最終審査に向けて各チームは技術レポート、ビジネスプランの資料を提 出し、更に画像を用いたプレゼンテーション資料を用意して発表を行った。

 1位から3位のチームにはそれぞれ10,000ドル、6,000ドル、4,000ドルの 教育資金が与えられた。また、1位のチームは“Conrad Laureates”のメ ンバーとして迎えられ、高校を卒業した時点で、Conrad Foundationのア ドバイサリーボードのメンバーとなる。

 各分野別の1位から3位の提案タイトルは以下の通り(個人宇宙飛行は3位 無し)

個人宇宙飛行

1位:The X-Suit・・・人の活動を助ける宇宙服

2位:MRVE Growing Chamber・・・植物の空中栽培装置

 月探査

1位:Advanced Lunar Greenhouse Air Exchange・・・バイオリアクタによる月面での酸素製造

2位:HEX Lunar Rover・・・月面でのヘリウム3の採取と地球への移送

3位:RAILGUN FOR MOON LAUNCHES・・・太陽光エネルギーを利用した月へ向けてのレールガン

 エネルギー

1位:MOTGEN (MOTIONLESS THERMAL GENERATOR)・・・動く部分が無い熱エネルギーから電気エネルギーへの変換

2位:BACTERIAL PRODUCTION OF HYDROGEN・・・遺伝子操作で水素を発生するバクテリアを用いた燃料電池

3位:The (Re)Cycler・・・固定自転車による発電

 http://www.conradawards.org/restricted/tinymce/jscripts/tiny_mce/plugins/filemanager/files/The_Conrad_Foundation_Announces_Winners%20FINAL%204-6-09.pdf

【090413-17】
JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

4/4若田宇宙飛行士による軌道上遠隔医療の技術実証の実施について
4/6若田宇宙飛行士ウィークリーレポート:ISS第18次/第19次長期滞在クルー交代、船内実験室での実験運用など
4/6「かぐや」プロジェクトチーム「平成21年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」受賞
4/7ISS・きぼうウィークリーニュース第336号
4/7日本人宇宙飛行士による最初の「きぼう」有償利用の実施について
4/7温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の研究公募(第2回)について
4/8宇宙飛行士候補者のJAXA基礎訓練開講式を開催
4/8独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の平成21年度年度計画について
4/8国際宇宙ステーション利用の成果 国際シンポジウム〜これまでの成果とこれからの期待〜開催について
4/8「ひので」による太陽の新しい磁場生成機構の発見
4/9「きぼう」日本実験棟での結晶成長実験(FACET実験)の開始について
4/10「だいち」による桜島噴火における緊急観測結果
4/10若田宇宙飛行士による“宇宙からの始球式”実施について
4/10H-IIBロケット試験機用LE-7Aエンジン領収燃焼試験の実施について
4/10宇宙連詩:第3期宇宙連詩が完成しました
イベント
4/18「科学技術週間」筑波宇宙センター特別公開
4/19調布航空宇宙センター一般公開
4/19角田宇宙センター「科学技術週間」一般公開
4/26春のキッズデー2009
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