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メールマガジン「週刊KU-MA」 第54号          [2009.7.15]

■目次

(1)YMコラム
     「日食ワークショップ」

(2)ワンダフル宇宙
     「神話と日本史の中の日食メモ」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム(54) 2009年7月15日

 日食ワークショップ

 地下鉄東陽町から歩いてすぐのところにある竹中工務店の建物にあるA 4(エークワッド)ギャラリーで、不肖「的川泰宣展」が開催されていま す。その関連で、さる7月12日(日)に、日食ワークショップを行いまし た。約100人くらいの参加者(ほとんどが親子)でした。日食の入門的な 解説を私が45分くらいお話しした後、A4のみなさんが準備してくれた工 夫に沿って、

1 まず、「太陽が月の400倍もあるのに、なぜそのちっぽけな月が太陽 を隠してしまえるのか」を体感してもらいました。会場の後ろの壁に3m くらいの真っ赤な太陽が描かれており、それを真珠くらいの月をスライド 式に前後に動かせるようになっている板の上を滑らせて、自分の目で太陽 が月によって隠れるのを確認してもらいました。みんな驚きの声とともに 納得したようでした。

2 次に、部屋の外の長い廊下に出ました。廊下のはるか向こうの突き当 たりに赤い太陽の28億分の1の模型が置いてあります。こちらに同じ縮尺 の4ミリくらいの地球があり、そのそばに鼻くそみたいな月が距離も大き さも縮尺を合わせて吊るされていました。そこから太陽に向かって歩いて 行くと、途中に金星と水星の模型が置いてあります。参加者のみなさんに は、親子でその長い廊下を歩いて、大きさや距離の比率を実感してもらっ たのです。これも大成功でした。みなさん、歓声をあげながら、親子で手 をつないで歩く様子が、嬉しかったですね。

3 それからすぐに部屋に戻って、木漏れ日の不思議を部屋の蛍光灯と厚 紙に空けたいろいろな形の穴を使って感じ取る実験をやりました。穴の形 にかかわらず、天井にある蛍光灯の長細い影がテーブルに映る様子を、ま たまた歓声とともに楽しみました。

4 最後は7月22日の当日に使う「日食メガネ」の製作です。これは型 紙から鋏を使って箱を作り、一面に日食グラスを貼り付けるもので、日食 グラスは、科学ジャーナリストの青木満さんがプレゼントしてくださいま した。親子で楽しそうに交錯している姿はとても魅力的で、KU−MAの 「宇宙の学校」のひとコマを見ているようでした。

 終始このワークショップをリードしていただいた岡部三千代さん、さま ざまなアイディアを出しながら彼女を親身になって支えてくださったA4 の川北館長、事前の準備はもちろん、たくさんの親子の間を忙しく縫って 歩いて汗だくだくになりながらワークショップを盛り上げてくれたスタッ フの方々、・・・まことに有難うございました。はしゃぎながら帰途につ く多くの親子の生き生きとした姿に救われましたね。私も先週以来、つく ば→名古屋と回って直接このワークショップに駆け付けたのでしたが、充 実した1日を過ごさせていただきました。

 なお、「的川泰宣展」の方は8月7日までやっていますから、ぜひ一度 行って見ていただければ幸いです。以下をクリックしてみてください。

 http://www.kenchiku.co.jp/event/detail.php?id=1154

(YM)

■ワンダフル宇宙(54) 2009年7月15日

 神話と日本史の中の日食メモ

1 悪いことばかりする弟スサノオの乱行に耐えかねて、アマテラスが天 の岩戸に隠れる。何しろ太陽の神であるから世の中が真っ暗になる。困っ た神様たちは天の安の河原で会議を開いて戦術を練る。やがて飲めや歌え の乱痴気騒ぎ、アメノウズメのストリップショーまで飛び出して、岩戸の 中のアマテラスの耳に入ったらしい。何だろうとそっと岩の隙間から顔を 覗けたアマテラス。この瞬間を逃すものかとタヂカラオが岩戸を力いっぱ いこじ開け、アマテラスは引っ張り出されたのであった。

 アマテラスの岩戸入りを皆既日食、アマテラスが現れる前にそっと顔を 覗けたのをダイアモンドリング、引っ張り出されて日食終了という一連の 解釈は、どうしようもなく当を得ていると思うがいかがであろうか。荻生 徂徠の随筆『南留別志(なるべし)』には、「日の神の天磐戸にこもりた まひしといふは、日食の事なり。諸神の神楽を奏せしといふは、日食を救 ふわざなるべし」と書いている。

 とはいえ、この高天原の物語が、歴史に残るどの皆既日食の記憶から導 かれたのか、これは誰も知る由がない。斎藤国治先生などによれば、代表 的なものとしては、次のような皆既日食の記録が残されている:

  ア BC728年3月3日 九州〜北海道(列島縦断)
イ BC138年11月1日 近畿
ウ AD158年7月13日 近畿(山陰から紀伊半島北部を横切って太平洋へぬけた)
エ AD248年9月5日  北陸〜東北(能登半島から福島に欠けて本州横断)
オ AD454年8月19日 九州
カ AD522年6月10日 九州〜北海道(列島縦断)
キ AD628年4月10日 午前9時過ぎに太平洋上を列島に沿って北上
ク AD975年8月10日 広島・神戸・大阪・京都・名古屋・横浜・東京・水戸を総なめ

2 上記のエ、AD248年9月の皆既日食の際には、北九州では三日月のよ うに見事に欠けた鋭い太陽が東の空に昇った。そして、午後6時40分過ぎ に京都から三重にかけて皆既が1分くらいつづき、欠けたままの太陽が西 に沈んだという。しかもその前年、AD247年3月24日には、西からやって きた皆既日食が九州の西の海域で終わりを告げた。そのため、九州からは ほぼ皆既の太陽が西の空に不吉に沈んでいく現象が目撃されている。時あ たかも、邪馬台国の女王卑弥呼の政権末期であった。

3 上記キ、AD628年(推古36年)の『日本書紀』には、「日蝕(は) え尽きたること有り」と記されている。これが日本最古の日食の記録とな っている。陸では見られなかったこの皆既の4日前に推古天皇は重い病に 臥せ、皆既の5日後に世を去った。

4 上記ク、975年の皆既における平安京。東山から昇った太陽は、午前6 時43分から欠け始め、7時45分から皆既が始まって3分24秒つづいた。都の 人々の目を奪ったであろう。平安末期の歴史書『日本紀略』は記している ――「卯辰の刻(午前7時)に皆虧(か)く、墨色のごとくして光なし。 群鳥飛来し、衆星ことごとく見(あらは)る。」

 この年、清少納言は高めに見積もっても9歳、紫式部に至っては高々4歳、 下手をすれば生まれていない(彼女たちの生年は不詳なのである)。975 年の皆既は、残念ながら彼女たちの筆によって鮮やかに書かれることはな かった。

 もっともっと面白い話もあろう。いずれにしろ、皆既日蝕のような非日 常的な現象が、古代の人々に大きな印象とか感動を与えたことは疑いない。 調べ始めるときりがなく、夜が明けて来たのでこれでやめる。

■宇宙茫茫ヘッドライン

【090713-01】 STS-127ミッションEndeavourの打上げ、天候の影響で再々遅れ15日に
【090713-02】 ロシア、プレセツクからRokotにより3基の軍事目的衛星の打上げ成功
【090713-03】 NASA、Orion打上げ時の緊急離脱用システムMLASの実験実施
【090713-04】 NASA、JPLでSpiritの砂からの脱出法を探る地上での試験開始
【090713-05】 JAXAとMHI、H-IIB試験機によるHTV技術実証機の打上げを9/11に
【090713-06】 NASAとコロラド大学ボルダー校、“惑星間インターネット”の構築を目指す
【090713-07】 SSTL製の災害モニタ用の衛星群の新衛星2基、7/25にDneprで打上げ
【090713-08】 ナイジェリア、2010年に2基目の衛星Nigeriasat-2の打上げを予定
【090713-09】 ESAとNASA、火星での活動計画立案で協力関係構築
【090713-10】 ESA、ATVをベースとした回収可能な宇宙機のフィージビリティスタディ開始
【090713-11】 NASAとワシントン大学、北極海の氷の経年変化を明確化・・・大きく減少
【090713-12】 Orbital Sciences、NASAからX線の偏光観測目的の衛星GEMSを受注
【090713-13】 JAXA、Cadence Design SystemsのカスタムIC設計用ソフトを採用
【090713-14】 米国国家アカデミー、非軍事宇宙開発の方向性を示すレポートを公表
【090713-15】 NASAの2008年の発明賞、複合材製造用の樹脂に決定
【090713-16】 NASA、博物館・プラネタリウム等を対象として教育プログラムの提案募集
【090713-17】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【090713-01】(関連記事:【090706-03】)
STS-127ミッションEndeavourの打上げ、天候の影響で再々遅れ15日に

 7月11日にNASAはSTS-127ミッションEndeavourの打上げを行う予定であ ったが、前日の午後に射点周りに11回の落雷があったので、機体が何らか の悪影響を受けていないかを確認するために1日遅らせることが決定され た。

 確認の結果機体には問題がないことが判ったので、12日の19:13EDTを 打上げ時刻としてカウントダウンが再開され、打上げ寸前の各系準備状況 確認まで進んだが、気象条件が満足されていないことから、打上げ中止の 判断が下された。問題となった気象条件は、打上げ直後の異常事態発生の 際の緊急着陸用の滑走路から37km以内に雷雲があることであった。

 この時点で、打上げ予定日時は翌13日の18:51EDTと設定されたが、13 日には、前日と同じく気象条件がクリアできないことから、打上げ予定時 刻の30分ほど前に打上げは中止された。

 その後、気象予測に配慮して、新しい打上げ予定日時は15日の18:03EDT (16日07:03JST)に設定された。14日に天候に関する打上げ条件をクリア する確率が40%であるのに対し、15日は60%に好転するとの予測に基づく 決定である。

 なお、15日に打上げを行うためには、24日にロシアが打ち上げる予定の 物資補給船Progressとの関係で、ミッション期間を短くする等の調整が必 要になるとされている。(注:ISSにスペースシャトルがドッキングしてい る状態でのProgressのドッキングは禁じられている。)

 http://www.spaceflightnow.com/shuttle/sts127/090713scrub/

【090713-02】
ロシア、プレセツクからRokotにより3基の軍事目的衛星の打上げ成功

 7月6日、ロシアはプレセツクからRokotにより3基のCosmosシリーズの軍 事目的の衛星の打上げを行い、所期の軌道への投入に成功した。

 衛星の種類、質量、軌道等に関する情報は明らかにされていないが、ロ シアでOko(目)と称されている軌道上からミサイル発射を監視する早期警 戒衛星であろうとされている。

 Rokotは旧ソ連の大陸間弾道ミサイルRS-18を流用した打上げロケットで 1段、2段にICBMを用い、上段にはBreeze-KMを搭載している。

 http://en.rian.ru/russia/20090706/155440769.html

【090713-03】(関連記事:【090615-10】)
NASA、Orion打上げ時の緊急離脱用システムMLASの実験実施

 7月8日、NASAはワロップス飛行施設からMax Launch Abort System(MLAS) の試験のためのロケット打上げを行い、無事に次期の有人カプセルOrion (模擬機)のパラシュートによる回収に成功し、所期の目的を達成した。当 初6月20日に試験を行う予定であったが、天候不順等により遅れていたも の。

 MLASはConstellation Programにおける有人カプセルOrionの打上げ時の 緊急離脱用システムの開発に並行して全く独立でラングレイ研究センタ内 にあるNASA Engineering and Safety Center (NESC)が開発を進めている 代替のシステムで、4基の固体ロケットモータを弾頭の形をした複合材製 のフェアリングの中に収めた形となっている。写真の最上部の丸い部分が 4基のロケットモータを収納したフェアリング、その下の筒状の部分の中 にカプセルがある。

 今回の試験では、打上げ用のロケットの上部にカプセル、フェアリング、 ロケットモータのダミーを搭載し、高度約1.6km迄打ち上げ、ロケットで の加速が終わった後の慣性飛行中のMLASの姿勢と安定性の確認、有人カプ セルのMLASフェアリングからの分離とその後のパラシュートでの回収が目 的とされており、クイックルックでは何れも問題無く終了した。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jul/HQ09_156_MLAS_launch_successful.html

 http://www.nasa.gov/exploration/multimedia/galleries/mlas-gallery.html

【090713-04】
NASA、JPLでSpiritの砂からの脱出法を探る地上での試験開始

 7月6日、NASAのジェット推進研究所(JPL)で、砂に埋もれている火星ロ ーバSpiritの脱出方法を探るための実験が始まった。

 JPLで用意したSpiritが立ち往生している現場の状況を模擬した砂場の 中で、先ず単純に前進することが試みられ、車輪を数10m進むに足るだけ 回転させたが、僅かな前進と傾斜に沿っての横滑りが発生しただけであっ た。

 砂場の状況を元の状態に戻した後、8日には真っ直ぐ後退させる試みを した。この動きに関しては、状況打開にかなり役に立つのではないかとの 感触が得られている。

 10日には、4つの操舵できる車輪を同じ方向に向けてカニの様な動きを 試み、この日までに計画している11種類の動きの内の4種類の動きを追え た。

 今後更に残りの動きを行ってその結果を分析してSpiritへ送る最良のコ マンドの内容を決めたいとしている。

 http://www.jpl.nasa.gov/freespirit/

【090713-05】
JAXAとMHI、H-IIB試験機によるHTV技術実証機の打上げを9/11に

 7月8日、JAXAと三菱重工業(MHI)は、H-IIBロケット試験機による宇宙ス テーション補給機(HTV)技術実証機の打上げ計画を明らかにした。同日開 催された宇宙開発委員会で報告を行ったもの。なお、JAXAは宇宙開発委員 会においてHTV技術実証機の運用管制計画についての報告も行っている。

 この打上げはH-IIBロケットの初めての打上げであるが、ISSへの補給物 資を実際に搭載したHTV技術実証機を種子島宇宙センタから打ち上げてISS に向かわせるために、200km×300km、軌道傾斜51.7度の軌道に投入するこ とを目的としている。

 打上げ予定日は2009年9月11日で打上げ予定時刻は02:04JSTで(但しISS の軌道の状況による変更あり)、打上げ予備日は9月12日から9月30日まで となっている。

 上記の軌道に投入されたHTV技術実証機は、その後、予め登録しておい たコマンドシーケンスや姿勢制御系の自動シーケンスなどによって高度350 〜460kmのISSに接近し、打上げから約5日後に所定の位置で相対停止した 後にISSのロボットアームに把持されてISSに結合され、ISSに長期滞在中 のクルーによる補給物資のISSへの移送が行われる。

 その後、HTV技術実証機にはISSで不要となった廃棄物品が積み込まれ、 約1ヶ月後にISSから離脱し、再突入軌道へ移行する。大気圏への再突人に より破壊し、殆どが燃え尽きるが、最終的には残留物が南太平洋の予め指 定した海域に着水することとなる。

 http://www.jaxa.jp/press/2009/07/20090708_sac_htv_h2b_j.html

 なお、7月11日に行われたH-IIBロケットの地上総合試験(GTV)はロケッ トの他、地上設備や作業手順の確認も含めて良好に終了している。

 この試験では、打上げ本番と同じ手順でH-IIBロケットを大型ロケット 発射場第2射点に移動し、エンジン点火直前までのカウントダウン作業が 行われたもの。なお、試験時のロケットには衛星フェアリングは装着され ていない。

 http://www.jaxa.jp/press/2009/07/20090711_gtv_j.html

【090713-06】
NASAとコロラド大学ボルダー校、“惑星間インターネット”の構築を目指す

 7月6日、コロラド大学ボルダー校はNASAに協力して、ISSと地上との間 で新しい通信ネットワークシステムの実験を開始したことを明らかにした。

 地上におけるインターネットと同じ様な“惑星間インターネット”の構 築を目指しているプロジェクトで、同校のBioServe Space Technologies で開発している“Disruption Tolerant Networking”(DTN)と称される新 しい通信プロトコルを用いた実験である。

 現在の宇宙との通信はどのデータをいつどこに送るかを人が介在して全 てスケジューリングして行う方式であり効率が悪いが、常時接続を前提と している地上のインターネット方式は、遠距離且つ種々の条件で通信が途 絶えることが避けられない宇宙との通信には適用できない。

 DTNプロトコルでは、情報を“束”として扱い、発信元や中継点でスト アし、送ることができる状態になった時に次に向けて発信するという考え 方(バスケットボールのゲームでボールをパスしてシューターに届ける動 きに例えられている)により、人の介在無しで的確に情報を届ける方式で、 将来の月や火星でのロボット及び有人のミッションのリスクとコストの 軽減、安全性の確保には欠かせない技術と位置付けられている。

 なお、DTNプロトコルを用いた最初のデータ伝送の実験は、NASAのジェ ット推進研究所で2008年11月に行われ、地球から3,200万km離れていたEP- OXIからの大量の画像データがNASAのDeep Space Networkに送られている。

 http://www.colorado.edu/news/r/fc2791d60f1469b60cd846b779a9dc56.html

【090713-07】
SSTL製の災害モニタ用の衛星群の新衛星2基、7/25にDneprで打上げ

 7月10日、英国の小型衛星の開発製造メーカSurrey Satellite Techno- logy Ltd.(SSTL)は災害モニタ用の衛星群(Disastar Monitoring Conste- llation:DMC)に加わる2基の衛星の7月25日の打上げに向けての準備をバ イコヌールで進めていることを明らかにした。

 打上げは、韓国製のDubaisat-1(関連記事:【090615-07】)等と一緒に Dneprによって行われる。DMCの衛星は何れも100kgクラスのSSTL-100小型 衛星プラットフォームをベースとした衛星で1つはスペインのDeimos Spa- ceのDeimos-1、他の1つは、SSTLが自社費用で製造しているUK-DMC2である。

 これらの衛星には、従来のDMCの衛星に比して高性能のカメラを搭載す ると共に、衛星上のデータ蓄積容量の増強、データのダウンリンク速度の 向上が図られており、5年前の初期のDMC衛星と同じ制作費で10倍の機能を 発揮するとされている。

 http://www.ballard.co.uk/press_releases/company_releases.aspx?lang=English(uk)&story=1410

【090713-08】
ナイジェリア、2010年に2基目の衛星Nigeriasat-2の打上げを予定

 7月9日、ナイジェリアの宇宙機関(National Space Research and Deve- lopment Agency:NASRDA)の長官は同国として2番目の衛星となる地球観測 衛星Nigeriasat-2の打上げを2010年には行う予定であることを明らかにし た。

 Nigeriasat-2は2003年に災害モニタ用の衛星群(Disastar Monitoring Constellation:DMC)の中の1基として打ち上げられたNigeriasat-1の後継 機と位置付けられているもので、Nigeriasat-1と共にSurrey Satellite Technology Ltd. (SSTL)製である。

 新しい衛星は、自然環境のモニタに加え、ニジェール・デルタの油田施 設における不法行為や沿岸海域での密漁の監視にも役立つとの期待が持た れている。

 http://www.ngrguardiannews.com/news/article03/indexn2_html?pdate=100709
 &ptitle=Nigeria%20to%20launch%20second%20satellite%20next%20year


【090713-09】
ESAとNASA、火星での活動計画立案で協力関係構築

 7月8日、ESAは6月29日、30日の両日英国において、ESAとNASAの宇宙科 学分野の責任者の会談が持たれ、“Mars Exploration Joint Initiative” (MEJI)を創始するとの合意に達したことを明らかにした。

 MEJIは両機関が、火星での活動の目標を明確化するための枠組みを与え るもので、今後、これの下で2016年、2018年、2020年の打上げ機会(注: 火星への効率的な探査機の打上げ機会は2年毎に1回)に向けて、最も効果 的な共同ミッションの構成を考えて行くこととなる。

 また、両機関は各機関内で検討したミッション計画について評価する共 同のチームを設けることにも合意している。計画の認可を得るには、ESA のメンバー国の評価及び米国科学アカデミー(National Academy of Sci- ences)の評価を受けることになる。

 http://www.esa.int/esaCP/SEMH1J6CTWF_index_0.html

【090713-10】
ESA、ATVをベースとした回収可能な宇宙機のフィージビリティスタディ開始

 7月7日、ドイツのブレーメンでESAは、“Johannes Kepler”と命名した ISSへの物資補給船Automated Transfer Vehicle (ATV)の2号機を一般公開 し、正式の命名セレモニーを行った。

 この場でESAはEADS Astriumとの間で、将来の有人宇宙機開発に繋がる フィージビリティスタディの契約を締結した。契約額は2,100万ユーロと されている。

 2008年11月のESA加盟国の大臣級会合で、ESAとして有人宇宙プログラム を推進することは合意を得ているが、その具体的な進め方について次回の 大臣級会合での承認獲得に向けての検討を行うもの。

 ESAではATVをベースとして地上への回収を可能とするカプセルを追加し た“Advanced Re-entry Vehicle”(ARV)を開発することの合意は得られて おり、今回の契約はこの開発のフェーズAと位置付けられている。

 ARVは最初は無人で、ISSからの物資の持ち帰りを目指し、その後4人が 搭乗できる有人宇宙機に発展させることが考えられている。

 http://www.dlr.de/en/desktopdefault.aspx/tabid-1/86_read-18294

【090713-11】
NASAとワシントン大学、北極海の氷の経年変化を明確化・・・大きく減少

 7月7日、NASAはワシントン大学と共同で行った2004年の冬から2008年の 冬にかけての北極の氷の研究結果についてその概要を明らかにした。詳細 は同日付の科学誌“Journal of Geophysical Research-Oceans”に論文と して掲載されている。

 NASAが2003年に打ち上げた観測衛星ICESatによる観測データをもとに、 北極海の氷の厚さと容積の経年変化を測定したもので、氷の厚さは毎年約 18cm減少し、4回の冬を経て67cm薄くなっている。

 更に、夏を2回以上経た厚くて古い氷が、この期間に42%減少している ことが明らかにされている。この古い氷の面積の減少量は米国のアラスカ 州の面積に匹敵する。多年性の氷と1年性の氷の割合が2003年に62:38で あったのが、2008年には32:68に変わっている。研究チームは、こうした 氷の厚さや容量の変化の原因は、近年の温暖化や海氷のいびつな循環パタ ーンにあると考えている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jul/HQ_09-155_Thin_Sea_Ice.html

【090713-12】(関連記事:【090629-10】)
Orbital Sciences、NASAからX線の偏光観測目的の衛星GEMSを受注

 7月8日、Orbital Sciences Corporationは、NASAから、X線の偏光を観 測する目的の衛星Gravity and Extreme Magnetism SMEX (GEMS)の設計・ 製造・試験の契約を得たことを明らかにした。契約額は4,000万ドルとさ れている。

 GMESは、NASAのSmall Explorer (SMEX) Programの1つとしてゴダード宇 宙飛行センタが提案をしていたミッションで、去る6月19日に新しいミッ ションとして選定されたものであり、打上げは2015年に予定されている。

 GMESはOrbital SciencesのLEOStar-2衛星バスをベースとする衛星で、 LEOStar-2を用いた衛星としては8基目となる。

 http://www.orbital.com/NewsInfo/release.asp?prid=700

【090713-13】
JAXA、Cadence Design SystemsのカスタムIC設計用ソフトを採用

 7月7日、米国のCadence Design Systems, Inc.はJAXAが同社のカスタム IC設計用EDA (Electronic Design Automation)である“Virtuoso IC 6.1” と回路シミュレータの“Virtuoso Spectre Simulator”を採用したことを 明らかにした。

 JAXAの研究開発本部では、従前から研究・開発部門での回路設計に各種 EDA製品を使用しているが、対象とする回路は、厳しい宇宙放射線環境に さらされ、誤動作に結びつくランダムなノイズパルスが生じることを想定 しなければならないものであり、この影響を予測し、対処するためには寄 生素子の正確な取扱いが欠かせない要素であったが、これまではなかなか 満足な結果を得ることができない状況であり、この打開が可能であるとの 判断から、Cadenceの製品の導入を決めたもの。

 今回、採用されたVirtuoso IC6.1は、回路設計、レイアウト設計、シミ ュレーション環境が一体になっており、設計・検証のサイクルを効率よく 回すことができるもので、この採用により宇宙環境でチップが受けるさま ざまな影響を高精度かつ短期間で検証可能になるとしている。

 更に、JAXAは、設計ルールに合致したLSIを効率よく設計するために必 要な性能や精度を実現するための配置ツール、“Virtuoso Layout Suit XL”を採用している。これは、トランジスタ、セル、およびブロックレベ ルでデジタル回路、デジタル・アナログ混合回路、アナログ回路の設計を 支援するもの。

 http://www.cadence.com/cadence/newsroom/press_releases/Pages/pr.aspx?xml=070709_jaxa

【090713-14】
米国国家アカデミー、非軍事宇宙開発の方向性を示すレポートを公表

 7月7日、米国のNational Research Councilは、“America's Future in Space:Aligning the Civil Space Program with National Needs”と題 するレポートを公表した。

 このレポートは米国の科学、工学、医学のアカデミーからなる国家アカ デミーの要請により、National Research Councilの中に設けられた委員 会によりまとめられたもので、米国の非軍事の宇宙開発の進む方向につい て述べたものである。

 レポートでは、NASA及びその他の国防関係以外の省庁並びに学会と民間 企業が取り進める宇宙開発は“Earth Stewardess”ということに焦点を合 わせ、米国が抱える環境、経済等の諸問題の解決に繋がる活動に力を注ぐ べきだとしている。

 その一方で、2004年1月に当時のブッシュ大統領が宣言をし、月や火星 に人を送ることを目指している“Vision for Space Exploration”につい て多くは触れず、有人ミッションの将来に関しては慎重な対応が必要とし ている。

 また、NASAの中に、国防総省の国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency:DARPA)の様な機能を持った部署を設けて、先 進的な技術の開発に当たらせるべきだとしている。

 http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=12701

【090713-15】
NASAの2008年の発明賞、複合材製造用の樹脂に決定

 7月8日、NASAは“2008 NASA Commercial Invention of the Year”の対 象として、高温に耐える複合材構造を廉価に製造することに役立つ新しい 樹脂を選定したことを明らかにした。

 この賞は毎年、NASAのInventions and Contributions Boardの助言をに 基づいて、NASAの法務担当責任者が選ぶ賞で、特許を取得していることが 選定の前提とされている。

 選定されたのは、ラングレイ研究センタの研究者が開発した“PETI-330” という樹脂で、NASAにおける最新の複合材製造技術の開発に生かされてい る。(注:PETI-330の特許の名称はComposition of and Method for Making High Performance Resins for Infusion and Transfer Molding Processes である。)

 1980年代からNASAではHigh-Speed Research Programが始まり、高速飛 行時の高温に耐える構造材としての複合材の製造技術の開発が進められ、 その中でPETI-5と称する樹脂が開発された。PETI-330は、その後、製造費 を安く抑えるための研究が進められた結果生まれたもので、初の商業ベー スでの取引の対象となり得る樹脂である。

 現在、宇部興産(株)の米国現地法人Ube AmericaがNASAと実施権のライ センス契約を結んでいる。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jul/HQ_09-157_Invention_of_Year.html

【090713-16】
NASA、博物館・プラネタリウム等を対象として教育プログラムの提案募集

 7月10日、NASAは、博物館、科学技術センタ、プラネタリウム等を対象 として、宇宙探査、航空宇宙工学、宇宙科学、地球科学、微小重力等のプ ログラムの質向上のための提案の募集を開始することを明らかにした。

 “Competitive Program for Science Museums and Planetariums” (CP4SMP)と称するプログラムで、教育の現場以外の場所で、NASAが持って 居るリソースを活用して上記の様な範囲のインフォーマルな教育を行う提 案を求めるもので、今回が2回目の募集となる。提出期限は9月10日とされ ている。また、今回の資金総額は600万ドルとされている。

 NASAの各センタ、他の国家機関、公的資金で運用されている研究機関、 教育関係の起業等の専門機関は、一般の博物館、科学技術センタ、プラネ タリウム等と組めば提案をすることができる。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/jul/HQ_09-158_Education_Funding.html

【090713-17】
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