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メールマガジン「週刊KU-MA」 第60号          [2009.8.26]

■目次

(1)YMコラム
     「韓国の衛星、軌道に乗らず失敗」

(2)ワンダフル宇宙
     「ある焼き肉屋の前で」

(3)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■YMコラム

 韓国の衛星、軌道に乗らず失敗

 韓国は、さる8月25日午後5時(現地時間)、ソウルの南485 km、全羅 南道にある羅老(ナロ)宇宙センター(図1)から、100 kgの衛星「羅老 1号」を搭載したKSLV-1(羅老1)ロケットを南に向けて打ち上げました (図2)。7回の延期を経た、待ちに待った打上げでした。ロシア製の1 段目エンジンRD-191(ケロシン/液体酸素)は順調に燃焼、10秒後に高度 約900 mに達したあたりで姿勢を変える「キックターン」を実施、沖縄近 海の上空を飛んで、ノーズフェアリングを分離(215秒、高度177 km、韓 国製)しました。しかし二つに割れたフェアリングのうちの一つがきちん とロケットから離れ切らず、以後ロケットはフェアリングをぶら下げたま ま飛翔を続行した模様です。そのまま1段目と2段目の分離が232秒、高度 196 kmで起き、韓国製の2段目モーター(固体燃料)に点火(395秒、303 km) されました。ここまでは恐らくすべてのシーケンスがタイマーでコントロ ールされていたのでしょう。そして分離した1段目はフィリピン近海に落下 しました。


図1 羅老宇宙センター鳥瞰図


図2 KSLV-1打上げ

 次の決定的なイベントは、発射後540秒、高度約306 kmにおける2段目か らの衛星分離だったのですが、これがうまく行かなかった模様で、やっと 高度約342 kmになって衛星分離がされたと発表されています。この辺の衛 星軌道投入のアルゴリズムは発表されていないので不明ですが、慣性誘導 でも電波誘導でも、速度がきちんと増加していかないと衛星分離のタイミ ングは遅れて行くわけです。フェアリングがずっとぶら下がっていたので 速度が上がらず、結局分離に許された時間のリミットまで飛んで、衛星が 切り離されたのではないでしょうか。その時は衛星になるための速度は達 成されていなかったのでしょう。衛星は速度不足のまま飛翔経路の頂点に 達した後、海に向かって落下を開始、途中で濃い大気によって燃え尽きた ものと思われます。もちろん2段目もフェアリングもろとも海に落ちたか、 燃え尽きたでしょう。

 当初の当局の発表は「目標の軌道に投入することには失敗した」という ものだったのですが、「では目標ではない軌道には投入されたのか」と言 えば、どうもマスコミの突っ込みもいま一つで、そこの肝腎のところは情 報がなかったのですね。因みに、目標としていた軌道は、近地点300 km、 遠地点1500 kmです。ただし、きちんと追跡していれば、「ともかく衛星 軌道には投入した」と発表するでしょうし、この原稿を書き始めた、打上 げから15時間の時点で「衛星の捕捉」について発表がなかったので、その 時には、衛星は「地球周回軌道に乗らなかった」か「軌道には乗ったが行 方不明になった」か、どちらかだろうと思っていました。もし「軌道には 乗ったが行方不明」というのであれば、そのうちアメリカのNORAD(北米 防空司令部)のレーダー網が捕まえてくれるだろうと考えていた矢先に、 ラジオ・オーストラリアのニュースから、上記のフェアリング分離失敗 のニュースが飛び込んできたというわけです。「羅老1号」スピン衛星で、 独自の推進装置を持っていないので、自分で軌道を修正できないことは分 かっていましたが、速度がもともと衛星になるには不十分だったのでは、 まあ話にならなかったわけですね。

 それにしても、フェアリングの分離が、なぜロケットに搭載した2台 のカメラ、あるいはテレメータの信号によって確認されなかったのか、 不思議ですね。当局から発表された速報では、「ノーズフェアリングは 無事分離された」と言っていたしね。フェアリングは韓国製と聞いてい ますし、今年パリで会った韓国の友人は、「フェアリングは何度もテス トを繰り返した」と言っていましたけど(図3)。


図3 羅老ロケット打上げ想像イラスト

 これまですでに10個の衛星を外国のロケットで外国の基地から打ち上 げている韓国の技術者たちは、さぞかし歯ぎしりをしているでしょう。 心中お察しいたします。もし軌道に入ってさえいれば、韓国は10番目の 衛星打上げ国になっていたんですが……(図4)。先行した9ヵ国を順 番に言いましょうか。ソ連でしょう、アメリカでしょう、フランスでし ょう、日本でしょう、それに、中国、イギリス、インド、イスラエル、 そして今年2月にイランが「サフィール2」というロケットで実験用通 信衛星を軌道に乗せて仲間に加わりました。


図4 ノーズフェアリングの開頭試験

 今回の打上げとしては現在のところこれ以上の情報がないので、い い機会ですから周辺情報を整理しておきましょう。韓国は、さる8月19 日(水)午後5時(ソウル時間)に、「羅老1号」を打ち上げる予定だっ た(図5)のですが、1段目の燃料タンクの内圧が異常に低下し、ヘリ ウムガスで作動する弁がうまく働かなくなるという不具合が生じたため、 打上げ予定時刻の8分(正確には7分56秒)前に秒読みを中止し発射を延 期しました。そのため1時間前に充填を終えたばかりの燃料(ケロシン) と酸化剤をタンクから抜き始めました。


図5 KSLV-1(8.17)

 1段目を製作したのはロシアなので、韓国の技術者が共同で原因の究 明に当たりました。とは言っても、この場合実質上は、ロシア側が主導 権を握っていたでしょう。目に見えるようです。その結果、タンクの圧 力自体は正常だったのですが、測定するセンサーないしソフトウェアが 「圧力が規定値以下」という報告をし、自動打上げシーケンスが打上げ 中止を指示したという流れが判明しました。韓国の技術者たちのボヤキ が聞こえてくるような気がしますね。その誤謬を修復してロケットを再 び組立棟に戻し(図6)、再注入して打上げ作業に再び入ったわけです。 その前日の火曜日に全体を通してのリハーサルを8時間かけてやったの ですが、このときは推進剤を注入していなかったために、このバルブのよ うな騒ぎは起きなかったのだと思われます。


図6 KSLV-1号機運搬(8.25)

 KSLV-1ロケットは、全長33 m、直径2.9 m、全備重量140トンで、ロシ アのクルニーチェフ宇宙研究生産センターが製作した液体燃料の1段目 は170トンの推力を出します。クルニーチェフは、現在世界をまたにか けて商業打上げを進めている「アンガラ・ロケット」のハードウェアを 製作している企業です。また衛星と結合している2段目は韓国製で固体 推進剤を用いており、推力8トンです。また韓国先進科学技術大学 (KAIST:Korean Advanced Institute of Science and Technology)が 製作した衛星「羅老1号」(1000万米ドル)には、STSAT2というマイク ロ波の電波計測器が搭載されており、地球大気中の放射線エネルギーを 計測する予定でした(図7,8)。もう一つ、地上局が衛星を精確に追 跡できるようにレーザー反射器も取り付けられています。


図7 チェック中の「羅老1号」衛星


図8 羅老1号衛星の外観

 さて、打上げに責任を持っている韓国航空宇宙研究院(KARI:Korean Aerospace Research Institute)は、現在ロシアのクルニーチェフの技 術者たちを交えて、懸命に今回のデータを解析中でしょう。もともとは、 今回の打上げが終わったら、2010年4月に1機、2011年にもう1機の打上 げを予定していました。韓国は、KSLV-1の開発には4億米ドル強をかけ ており、韓国としては、2018年までにすべてロケットを国産で作るよう になり、2025年に月へ探査機を送りたいとの意向を述べています。また 韓国は、昨年4月に韓国女性(イ・ソヨンさん)をロシアのソユーズロ ケットに乗せて国際宇宙ステーションに送り、11日間滞在させています (図9)。

図9 イ・ソヨン飛行士

YM

■ワンダフル宇宙

 ある焼き肉屋の前で

 木曜日のことです。家の近くの焼き肉屋の前を通りかかると、「キャーッ」 と声が聞こえたので、見ると女の子連れのお母さんが焼き肉屋の入り口で 立ちすくんでいます。足元を見ると、アブラゼミがいます。地面に這いつ くばっているそのセミは、そのノソノソした様子から見て、脱皮を遂げて 間もないセミに違いありません。そっと近寄ってつまみ上げ、投げ上げま した。

 ところが恐るべきことが起こりました。セミがそのあたりを飛び回った かと思うと、何を思ったか、そのお母さんの方へ飛んできて、お母さんの お尻にとまったのです。今度は「キャーッ」では済みませんでした―― 「ギャーッ!」

 善意でしたことながら、却ってそのお母さんにとってまずい事態を引き 起こしてしまい、謝りながらセミをとろうとしたのだけれど、とまってい る部位が部位だけに躊躇していると、そばにいた女の子がヒョイとセミを つまみました。「何だ、この子はお母さんに似ず、セミは大丈夫なんだ」 と思って見ていると、女の子は上手にセミを柔らかくつまみあげて、近く の樹に向かって歩き出しました。

 「いい子だな。投げるとまたお母さんの方へ行くかも知れないと思って るんだな。あの桜の樹にとまらせるつもりかな」――突然その子が「痛い ッ」と叫びました。驚いて駈け寄って「どうしたの?」って訊いたら、 「セミに咬まれたの」と女の子。でもその子はセミを手放さないで、その まま近くの桜の樹にそっととまらせてあげました。

 「よく我慢したね。セミはお譲ちゃんの手を樹と間違えたんだね、きっ と。大丈夫?」と声をかけたら、胸を突かれるようなセリフが、女の子の 口から洩れました――「うん、ちょっと痛いけど大丈夫。でも、樹の気持 ちがちょっぴり分かったような気がする。」

 小学校の3年生だということです。あたたかい気持に包まれながら、そ してなぜか金子みすずの詩の一節を思い起こしながら、私は家路を急ぎま した。

YM

■宇宙茫茫ヘッドライン

【090824-01】 Arianespace、Ariane 5によりJCSAT-12とOptus D3の打上げに成功
【090824-02】 JAXA、「きぼう」に搭載したMAXIでファーストライト画像取得に成功
【090824-03】 JAXA、「きぼう」に搭載した衛星間通信システムを使ったISSとの通信成功
【090824-04】 8/19の韓国の“羅老”の初打上げ、直前に中止され8/25に
【090824-05】 NASA、STS-128 Discoveryの打上げ日を8/25に決定
【090824-06】 種子島でHTV技術実証機の衛星フェアリングへの収納完了
【090824-07】 NASA、Spirit救出の地上試験に軽いローバによる試験を追加
【090824-08】 SS/L製のカナダのNimiq 5、9/18にILSのProton M/Breeze Mで打上げ予定
【090824-09】 NASAのOrionの打上げ時緊急離脱用システムの飛行試験、遅れて2010年に
【090824-10】 NASA、膨張型のヒートシールドの試験を弾道ロケットで実施
【090824-11】 NASA等の研究者、アルミ粉と水の氷でロケットを飛ばす実験に成功
【090824-12】 ESAとロシア連邦宇宙局、2つの火星探査ミッションに関する取り決めを交わす
【090824-13】 Excalibur Almaz、旧ソ連の宇宙機を利用して地球周回飛行を商業ベースで提供
【090824-14】 宇宙を売り物にした中学校“Jack Swigert Aerospace Academy”開校
【090824-15】 “NASA Images”で高解像度のファイルのダウンロードが可能に
【090824-16】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【090824-01】(関連記事:【090817-04】)
Arianespace、Ariane 5によりJCSAT-12とOptus D3の打上げに成功

8月21日、Arianespaceはギアナの射場からAriane 5により、日本のスカ パーJSAT(株)のJCSAT-12及びオーストラリアのOptus NetworksのOptus D3 の打上げを行い、所期の軌道への投入に成功した。

この打上げはAriane 5の46回目の打上げで、連続打上げ成功は32回とな った。

 http://www.arianespace.com/news-press-release/2009/08-21-09-mission-success.asp

【090824-02】(関連記事:【090727-01】)
JAXA、「きぼう」に搭載したMAXIでファーストライト画像取得に成功

8月18日、JAXAは「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームに7 月23日に設置した全天X線監視装置(MAXI:Monitor of All-sky X-ray Image) による最初の画像(ファーストライト画像)の取得に成功したことを明らか にした。

この画像は、X線カメラのうちの、ガススリットカメラ(GSC)を用いて8 月15日の15:00から16:30までの90分間(ISSの軌道1周分)に撮影したもの で、主要なX線天体を観測できており、カメラが正常に働き、期待通りの 性能であることが確認されたとしている。

MAXIはこの様な観測を繰り返すことによって、全天で1,000個を越える X線天体の1日から数ヶ月に亘るX線の強度変化を90分に1回の間隔で監視し、 X線による全天の動画を撮影する。

取得された画像及びGSCの説明等については、以下の源泉資料を参照方。

 http://www.jaxa.jp/press/2009/08/20090818_maxi_j.html

【090824-03】(関連記事:【090727-01】)
JAXA、「きぼう」に搭載した衛星間通信システムを使ったISSとの通信成功

8月21日、JAXAは「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームに7 月23日に設置した衛星間通信システム(ICS:Inter-orbit Communication System)による「きぼう」と筑波宇宙センタの「きぼう」運用管制室との 間の試験通信(「きぼう」からの試験画像ダウンリンク)に成功したことを 明らかにした。

この通信は、ICSから、JAXAのデータ中継技術衛星「こだま」(DRTS: Data Relay Test Satellite)を経由して行われたもの。

この通信手段の確保により日本は米露に継ぐ3番目のISSと直接通信が可 能な国となった。

 http://www.jaxa.jp/press/2009/08/20090821_kibo_j.html

【090824-04】(関連記事:【090817-03】)
8/19の韓国の“羅老”の初打上げ、直前に中止され8/25に

8月19日、韓国は初の人工衛星打上げ用ロケット“羅老”(KSLV-1)の打 上げに挑んだが、打上げ予定時刻の7分56秒前にカウントダウンの自動停 止が掛かり、そのまま打上げ中止となった。

自動チェックシステムが高圧ヘリウムタンクの圧力低下を検知したため のカウントダウン停止であったが、検討の結果ソフトウェアの不具合によ る誤認と判明し、ソフトウェアの入れ替えが行われ、21日には、打上げ予 定日を25日とするとの決定が下された。

25日の打上げ可能時間帯は16:40〜18:20とされている。

 http://www.koreatimes.co.kr/www/news/nation/2009/08/113_50490.html

【速報】
 8月25日午後5時に打ち上げられた羅老号は、衛星の切り離しには成功し たものの、予定していた軌道への投入に失敗した。

 http://japanese.yonhapnews.co.kr/itscience/2009/08/25/
 0600000000AJP20090825003800882.HTML


【090824-05】(関連記事:【090817-05】)
NASA、STS-128 Discoveryの打上げ日を8/25に決定

8月19日、NASAは前日に終わらずにこの日も継続して行われたSTS-128ミ ッションのトップレベルの飛行準備審査会(FRR)において、打上げ日時を 正式に8月25日01:36 EDTとする旨の決定が下されたことを明らかにした。

NASAでは打上げターゲット日を24日として作業を進めていたが、射点で 追加で行った外部推進薬タンクのタンク間部分の断熱材の健全性確認試験 のために24日の打上げは無理な状況となっていた。

18日から19日にかけて行われたFRRでは上記の試験結果及び、次号機の タンクで行われたice-frost ramp部分の健全性確認試験の結果が検討され、 Discoveryの外部推進薬タンクはそのまま打上げに供しても問題無いこと が確認され、打上げ日時の決定に至ったもの。

なお、このFRRで、前の週末に交換されたオービタの電力制御機器に関 する解析結果の確認が行えずに残された問題となっているが、これは23日 に開催されるミッション・マネージメント・チームの会合で確認されるこ ととなっている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/aug/HQ_09-191_STS-128_launch_date.html

【090824-06】
種子島でHTV技術実証機の衛星フェアリングへの収納完了

8月21日に、種子島宇宙センタの第2衛星フェアリング組立棟において、 打上げ準備が進められている宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機 のH-IIBロケット試験機のPayload Attach Fitting (PAF)への結合が行わ れ、23日にはPAFに結合されたHTV技術実証機を衛星フェアリングに格納 する作業が行われた。

9月11日の打上げに向けた作業が続けられ、今後、衛星フェアリングに 収納されたHTV技術実証機は大型ロケット組立棟(VAB)に運ばれ、H-IIBロ ケット試験機と結合される。

 http://www.jaxa.jp/countdown/h2bf1/index_j.html

【090824-07】(関連記事:【090817-06】)
NASA、Spirit救出の地上試験に軽いローバによる試験を追加

8月21日、NASAのジェット推進研究所(JPL)で、火星で砂地で動けなくな っているローバSpiritの救出のための試験を続けているチームは、地上で の試験に新たに観測装置及びロボットアームを搭載していないローバを使 用することを明らかにした。

これは、これまで使用してきたフル装備のローバでの試験は、火星より 重力が大きい(約3倍)の地球上では、Spiritの重量より大きな重量での試 験となってしまうことから、少しでも火星での重量に近い状態での試験を 行おうということで導入されるもの。

検討チームでは、実施を予定している長距離の移動試験の前に、2つの ローバの比較を行うとしている。

また、検討チームでは、Spiritの下にある岩とSpiritの重心位置の関係 を更に確認するとしている。これは重心が丁度岩に接している点の真上に 来てしまうと、動きが取れなくなる恐れがあるためである。

 http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2009-129

【090824-08】 SS/L製のカナダのNimiq 5、9/18にILSのProton M/Breeze Mで打上げ予定

8月18日、Space Systems/Loral (SS/L)は、カナダのTelesatから受注し た衛星Nimiq 5を打上げが行われるバイコヌールに向けて送り出したこと を明らかにした。

打上げは9月18日に、International Launch Services (ILS)のProton M /Breeze Mで行われる予定。

Nimiq 5はSS/Lの1300プラットフォームをベースとした衛星で、32本の 高出力のKuバンドのトランスポンダを搭載しており、北アメリカを対象と した衛星からの直接TV放送に用いられる。

 http://investor.loral.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=403794

【090824-09】
NASAのOrionの打上げ時緊急離脱用システムの飛行試験、遅れて2010年に

8月17日付けのAerospace Daily and Defense Reportが伝えるところに よると、NASAは19日に、次期有人カプセルOrionの初号機を打上げ時の緊 急離脱用システム(Launch Abort System:LAS)の試験に使用するためにニ ューメキシコ州のホワイトサンズ・ミサイル射場に搬送する。

NASAは、Orionの搬送を2月に行い、LASの最初の飛行試験であるPad Abort-1 Flight Testを4月には実施するとしていたが、LASの電気系の開 発の手間取り等で遅れており、現時点では2010年の初めになるとの見方 をしている。

ホワイトサンズでの試験は、5回予定されており、その内2回がロケット が射点にある状態での緊急離脱(Pad Abort)、3回が飛行の初期段階での緊 急離脱(Ascent Abort)の試験とされている。3回のAscent Abortは、最大 動圧時、音速突破時、ロケットの制御不能時(試験実施の順)の条件で行わ れる予定。

LASは射点での緊急事態発生時にOrionを高度1,500mまで上昇させダウン レンジに安全に着水させる機能を有しており、無事に上昇を続けた場合に は高度6,000mで切り離されることとなっている。

 http://www.aviationweek.com/aw/generic/story_channel.jsp?
 channel=space&id=news/orion08179.xml


【090824-10】
NASA、膨張型のヒートシールドの試験を弾道ロケットで実施

8月17日、NASAは宇宙機を地上に戻す際の減速と熱防御の機能を果たす 膨張型のヒートシールドの試験をワロップス飛行施設で実施したことを明 らかにした。

試験はInflatable Re-entry Vehicle Experiment (IRVE)と称され、膨 らむと直径3mになるシリコンでコーティングしたケブラー製のエアロシェ ルを直径380mmに折りたたんで2段式のロケットBlack Brant 9の頭部の収 納して打ち上げ、空中で膨らませたもの。

最高高度210kmに達した後ロケットから放出されたIRVEは高度約200km で窒素ガスを注入されて膨張を開始し高度約100kmで完全に膨らみ、大気 圏に突入して各種センサ及びカメラで取得した情報を地上に送りながら 落下し、最後は海中に没した。

従来のエアロシェルは直径が宇宙機の直径に限られてしまい、今後の 火星ミッション等を想定した場合に地球に戻ってくる機体の重量とのバ ランスで、充分な減速と熱防御を行えないと考えられており、大きな直 径のエアロシェルを形成できる膨張型に期待が寄せられている。

なお、この試験はNASAの航空部門の力を将来の宇宙機の開発に生かそ うというプログラムの一環として行われているもので、航空研究局のFu- ndamental Aeronautics Programの予算が充てられている。NASAでは、今 回は小さなサイズでの試験であったが、コンセプトの確認はできたとし ている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/aug/HQ_09-188_IRVE_launch.html

 http://www.nasa.gov/images/content/377623main_irve-01.jpg

【090824-11】
NASA等の研究者、アルミ粉と水の氷でロケットを飛ばす実験に成功

8月21日、NASAと米空軍のOffice of Scientific Research (AFOSR)は、 8月の初めに環境に優しい、安全なアルミニウムの粉と(水の)氷を組み合 わせた推進薬(ALICE)を用いたロケットの打上げに成功したことを明らか にした。

打上げはNASA、AFOSRの他にパーデュー大学、ペンシルバニア州立大学、 ジョージア工科大学のメンバーからなるチームによって、パーデュー大 学の敷地内で行われ、長さ約2.7mのロケットで高度約400mにまで到達した。

近年アルミニウムのナノ粒子と水を燃焼させる研究が進められてきたこ とが、新しいロケットの推進薬の開発に繋がったとされている。理論上は、 この推進薬の性能は現在の通常の推進薬を上回ると予測されている。

また、月や火星でもその場の資源を利用してALICEを製造することが可 能とされている。

 http://www.wpafb.af.mil/news/story.asp?id=123164277

【090824-12】
ESAとロシア連邦宇宙局、2つの火星探査ミッションに関する取り決めを交わす

8月19日、ESAとロシア連邦宇宙局(Roscosmos)は、2つの火星探査ミッシ ョンに関する取り決めを交わしたことを明らかにした。調印はモスクワ郊 外で開催されていた国際航空宇宙ショーの間に、両機関の長により行われ た。

一つはESAのExomarsに関する事項で、ESAはこの打上げにロシアのPro- tonを用いること及び火星ローバの電力供給システムの部品をロシアから 購入することを取り決めている。

もう一つはロシアが火星の衛星Phobosからのサンプルリターンを目指し ているPhobos- Gruntに関する事項で、このミッションの際のロシアによ るESAの地上の通信施設の利用を取り決めている。

 http://news.yahoo.com/s/afp/20090819/sc_afp/spacerussiaeuropemars

【090824-13】
Excalibur Almaz、旧ソ連の宇宙機を利用して地球周回飛行を商業ベースで提供

8月18日、モスクワ郊外で開催されていた国際航空宇宙ショーの場にお いて、Excalibur Almaz Limited (EA)は、1970年代の旧ソビエト時代に NPO Mashinostroyeniaによって軍事用に開発された大気圏再突入に耐え再 利用可能な宇宙機(RRV:Reusable Reentry Vehicle)である“Almaz”を利 用して、商業ベースでの地球周回飛行を提供することを明らかにした。

(真ん中の円錐部より右がRRV部)

オリジナルのAlmaz宇宙システムは3人乗りのRRVの部分と使い捨てのサ ービスモジュール(SM)から成っており、SMの部分は軌道上で長期滞在が可 能なステーションとして利用できる。EAでは既に何機かのAlmazシステム を購入しており、オリジナルのシステムを現代の技術を活用して改造し、 2013年から1回当たり2人の乗客に1週間程度の軌道飛行を提供するとして いる。

EAは2005年に宇宙及び知的財産関係の弁護士として活躍してきたArthur M. (“Art”) Dulaによって設立された会社で、本拠をマン島に置いており、 米国のUnited Space Alliance (USA)の子会社であるSpace Flight Opera- tions、欧州のEADS Astrium Space Transportation、日本の有人宇宙シス テム株式会社(JAMSS)と提携している。

また、顧問にロシアの宇宙飛行士であったVladimir Titov、技術担当の 副社長に3度の宇宙飛行を経験している米国のLeroy Chiaoが名を連ねる他、 経営陣にはNASAの多くのApolloお呼びスペースシャトルのプログラムマネ ージャや、前のジョンソン宇宙センタ所長も加わっている。

 http://excaliburalmaz.com/SP1/pdf/news/18aug09-EA-PR.pdf

【090824-14】
宇宙を売り物にした中学校“Jack Swigert Aerospace Academy”開校

8月18日、米国コロラド州のコロラドスプリングスで、“Jack Swigert Aerospace Academy”と名付けられた航空宇宙をテーマとした教育を行う 中学校がスタートした。

Space Foundationとコロラドスプリングスの第11学区(School District 11:D-11)の協力により設立されたもので、生徒数500、教員数42でスター トしている。運営には地元の各種機関(ホテル、軍の基地、建設業者等々) が協力している。

この学校の名前はコロラド州出身で、Apollo 7とApollo 13のクルーで、 1982年に米議会の下院議員に選ばれた直後に骨ガンで死亡したJohn L. “Jack” Swigertを記念したものである。

Space FoundationとD-11が一緒になって作成したこの学校のカリキュラ ムは、宇宙科学及び航空宇宙工学のテーマと原則を生徒達の科学、技術、 工学、芸術、数学(STEAM)の専門性向上に役立つ幅広い項目を教えること に用いて行くことを考えて作られている。

開校に先立って11人の教師が、Space Foundation開催のSpace Disco- very Instituteの中の各1週間のクラスEarth Systems ScienceとLunar/ Mars Exploration and Base Constructionで特別の訓練を受けている。

8月26日には、Space FoundationとD-11の主催で、Jack Swigert Aero- space AcademyとSpace Discovery Instituteの開校式が行われることと なっている。両校は一緒に以前のEmerson Middle Schoolのキャンパス内 にあり、前者がビル3棟に、後者が1棟に入っている。

 http://www.spacefoundation.org/news/story.php?id=802

【090824-15】(関連記事:【080728-13】)
“NASA Images”で高解像度のファイルのダウンロードが可能に

8月18日、非営利のデジタルライブラリ事業を展開するInternet Archive は2008年7月にスタートしたNASAの画像などを集めたWebサイト“NASA Images” で、高解像度のファイルのダウンロードが可能となったことを明らかにした。

 NASA Images:http://www.nasaimages.org/index.html

NASAの静止画像のファイルで高解像度の画面を選べる様になったもので、 画像は3,000ピクセルかそれ以上あり、A3サイズのプリントにも耐える画質 の画像が入手できる。

 http://www.businesswire.com/portal/site/google/?ndmViewId=news_
 view&newsId=20090818006215&newsLang=en


【090824-16】
JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

8/17BESS-Polar実験がNASA Group Achievement Awardを受賞
8/18「だいち」PALSARによる駿河湾を震源とする地震にともなう緊急観測(2)
8/18第8回LNG(液化天然ガス)実機型エンジン燃焼試験の結果について
8/18ISS・きぼうウィークリーニュース第350号
8/1820日缶サット甲子園の会場のようすを宇宙教育テレビで配信
8/18宇宙とつながる最前線基地 〜HTV運用管制室ツアー〜
8/19H-IIBロケット試験機の準備状況について
8/19第7回航空機による学生無重力実験コンテスト参加者募集のお知らせ
8/2027日20:00〜宇宙教育テレビで夏休み特集番組第2弾を生配信
8/20九州大学と宇宙航空研究開発機構との連携協力協定の締結について
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