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メールマガジン「週刊KU-MA」 第76号          [2009.12.16]

■目次

(1)ワンダフル宇宙
     「日本が宇宙をめざす意味」


(2)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■ワンダフル宇宙

 日本が宇宙をめざす意味

 先月、ドイツのオーバーハウゼンという町に会議で出かけた時に、近く にたまたまあったネアンデルタールまで出かけたのですが、その時からし ばらく気にかかっていたことを話します。若いころ人類学をやりたかった ことがあって、前々から心に出ては消え、出ては消えしていたことですが、 少しかたちをなし始めています。今日はその未成熟なままの姿をさらけ出 すことにします。

 ネアンデルタールはわれわれクロマニョンと呼ばれるヒトとは区別され ています。もちろんネアンデルタールも石器を使っていましたが、クロマ ニョンになって石器も長足の進歩を遂げ、ずいぶんと時間はかかったが、 青銅器、鉄器と使う材料にも磨きがかかっていきました。今ではアルミも 使えばプラスティックなどというものも出現しています。

 どのようにそれがなしとげられたかは不明ながら、ネアンデルタールか らクロマニョンへの変貌は、脳髄の変化と深いつながりがあるであろうこ とはうなずけますね。クロマニョンよりも大きな脳容積を持っていたらし いネアンデルタールは、学習とか社会性とか言語などと関係のある額やこ めかみの部分があまり発達していなかったらしいのです。ネアンデルター ルの眼の上が大きく張り出しているのは、その額の部分のふくらみがなか ったからなのでしょう。

 クロマニョンはやがて芸術も生み出し、そして技術を、さらにその確固 たる基盤となる科学を生んできたわけですが、あのいにしえの素晴らしい 壁画と比べて、現代の絵画がどれだけ「進歩」したのかと問われると、私 などにはよく分からないのですね。いろいろと時代によって絵画の歴史も 確然とした「進歩」はあるのでしょうが、絵画における1000年の差は、あ まり気になりません。ところが、技術における1000年の差は、あまりに大 きくて、竹取物語の頃の火箭の技術と、「かぐや」と同時代のアポロの技 術とは、格段の違いを認めざるを得ないような気がします。

 そしてその科学技術の進歩を作りだしたのは、クロマニョンよりもわず かに3パーセントだけ大きい脳容積なのですね。クロマニョンに至るまで の「ヒト」の脳容積は、猿人→原人→旧人→新人と数十パーセントくらい ずつの伸び率を示してきたのですが、その数十パーセントの伸びがもたら した技術の飛躍は、決して大したことはなかったと思われます。まあクロ マニョンになったからと言って、すぐに技術が現代の水準に達したわけで はないにしても、これ以上の技術の飛躍を達成するために、脳容積を増大 させる必要はないように思えます。

 この地球に生命が誕生したと言われる約40億年前から、この星の舞台で 進化の劇を演じてきた生き物たちの、その他ならぬ「進化」の源泉は、何 と言っても「生きること」でしょう。生きるためにこそ必死で演技を続け ながら、しかし時代に合わない者たちは、どんな名優であっても敢えない 最期をとげていったでしょう。

 人智の及ばない種類の環境の変化、たとえば地軸の変動とか、太陽活動 の消長とか、小惑星の衝突とか、……そうした桁外れにスケールの大きい 現象に伴って、その条件下で生きて行こうとする努力が進化を生み出して きたことで言えば、その果てに現生人類が出現したことは、極めて大きな 事件だったと言わざるをえません。だって、この「種」は、「自然を克服」 して自分たちの生活に最も都合がいいように「自然を変えて行こう」と決 心し、壮大な規模で実践してきたからです。

 この後に私たちはクロマニョンよりもすぐれた進化の道を歩めるのだろ うか。それは、技術的な議論を積み重ねても出てくる結論はなさそうです。 技術的な知能は、もう伸びてもたかが知れていると思うのですが、いかが ですか。これ以後の進化の道を私たちが選択しようとするとき、技術的な 進化だけの努力でそれが達成できると信じるならば、それは無理だと言わ ざるを得ません。

 核兵器を生み出し、地球環境を悪化させた、まさに同じ基盤に立って私 たちが進化をたどろうとすれば、そのために最強のパワーを持っている現 代の国家的な集団は、アメリカとロシアと、おそらくは中国です。彼らの 考え方を中心にして現代の危機を脱しようという努力は、これからもまだ まだ相当根強く続けられて行くと思いますが、多分それは大きな希望を生 み出さないだろうと考えています。しからばどうするか。

 技術のイニシャティヴでない、また経済力のイニシャティヴでない考え 方を、現代の超大国に属さない人びとの考えに基づいて追求する以外には ないではありませんか。技術に代わる概念、いや正確には「技術開発の底 に敷くべき概念」というべきでしょうが、それはどういうものでしょうか。 それが何かをみんなで真剣に議論する時代がとっくに来ているのだと思い ます。そして、人類の宇宙への進出は、そういう立場でその意義を確認し なければ、単なる技術的進出に堕してしまうと思われます。

 技術に代わって中心に座るべき概念を求めるためには、私たち人類が何 者であるかを認識するために、もっと時間をかけるべきです。それはきっ と、私たちや私たちに先行する生き物たちがこの星で歩んできた道を、い まじっくりと振り返ってみることなのだと思います。それは地球という星 の宇宙での位置を認識することでもあり、そのためにはやはりアポロの冒 険が必須だったのだと思います。宇宙へ出て初めて私たちは、私たちの立 っている場所が分かったのです。そしてあのボイジャーのPale, Blue Dot が雄弁に見せてくれたように、私たちは、宇宙にあっては一つの青い点に すぎない美しい星を、壊してはいけないとみんなで想ったのではなかった のでしょうか。

 そして私たちのこれまでの歩みを見つめようと思えば、私たちよりも前 に生きてきた無数の生き物たちのノンフィクションの歩みを、研究する必 要があります。威儀を正して見つめる必要があります。それらはすべて文 字通り「いのちをかけて演じられた」舞台だったのですから。おそらくは 超大国とはちょっと異なる考え方、感じ方を育んできた私たちが、自分の 力で宇宙へ出て、この地球や生き物について独自の考えをめぐらすこと、 そしてこれまでの私たちの星に生きてきた生き物たちについても、そうし た観点から総括してみること――この二つのことをやった暁には、私たち がクロマニョンを超えて進化する新たな方向が発見できるかもしれません ね。

 憧れを実現するための宇宙進出、あるいは世界を支配するための宇宙進 出などは、一応すでに踏まれて来た道です。その後を追っても、人類史に 新しい一歩は生まれないでしょう。この列島で人びとが営々と作り上げて きた「自然と共存していく知恵、いのちを何よりも大切に育んで行く心」 を全世界の進化の大道にするためにこそ、日本は宇宙へ行くのだと、私は 感じているのですが、いかがでしょうか。粗っぽく感じたままを綴りまし た。これから考えを練り、仕上げて行きます。みなさんと議論をしながら。

(YM)

■宇宙茫茫ヘッドライン
【091214-01】 中国、長征2号丁によるリモセン衛星“遥感7号”の打上げに成功
【091214-02】 NASAの火星周回探査機Mars Reconnaissance Orbiter、通常状態に戻る
【091214-03】 Spiritの状況に改善見られず
【091214-04】 ULA、一旦延期後にDelta IIによるNASAのWISEの打上げに成功
【091214-05】 Arianespace、Ariane 5 GSによるHelios 2Bの打上げ延期
【091214-06】 英国に初めての宇宙機関誕生
【091214-07】 NASAの2010年度予算、ほぼ要求通りの187億ドルで議会通過
【091214-08】 ISSの中で舞う蝶のビデオ撮影に成功
【091214-09】 NASA、小型低コストの衛星FASTSATの初号機の環境試験を無事終了
【091214-10】 NASAの宇宙飛行士、SpaceXのDragonカプセルの運用訓練を開始
【091214-11】 DARPA、Orbital SciencesにSystem F6のフェーズ2を発注
【091214-12】 「まいど1号」の後継機、エジプトの学生による開発構想浮上
【091214-13】 NASA、UAEの学生をNASAに受け入れるプログラムを立ち上げ
【091214-14】 ATK、上段用固体ロケットモータCASTOR 30の地上燃焼試験成功
【091214-15】 Virgin Galactic、宇宙観光用の宇宙機SpaceShipTwoを初公開
【091214-16】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【091214-01】
中国、長征2号丁によるリモセン衛星“遥感7号”の打上げに成功

 12月9日、中国国家航天局(CNSA)は、甘粛省の酒泉衛星発射センタか ら長征2号丁(Long March 2D)によるリモートセンシング衛星“遥感7号” (Yaogan-7)の打上げを行い、所期の軌道への投入に成功した。

 遥感7号は中国航天科技集団公司傘下の中国空間技術研究院が開発した 新型のリモートセンシング衛星で、主に科学実験、資源調査、農作物の作 況調査、災害予防などに使用されるが、軍用目的利用もあるとされている。 投入された軌道は公表されていないが高度640kmの太陽同期軌道と考えら れる。

 今回の打ち上げは長征ロケットシリーズにとって120回目の打ち上げで、 遥感シリーズの衛星は2009年4月の遥感6号に続き7基目となった。

 http://news.xinhuanet.com/english/2009-12/09/content_12619464.htm

【091214-02】(関連記事:【091109-07】)
NASAの火星周回探査機Mars Reconnaissance Orbiter、通常状態に戻る

 12月8日、NASAは8月26日以来セーフモードに入ったままとなっていた火 星周回探査機Mars Reconnaissance Orbiter (MRO)が通常の状態に戻った ことを明らかにした。

 2009年に入って、2月、6月そして8月に2回の計4回自動でのセーフモー ドへの切り替わりが生じ、更なる致命的な事態を招く可能性があることか ら、それを取り除く方法が確立されるまでということで、セーフモードか らの復帰に時間を要していたものであるが、11月30日から新しいソフトウ ェアのアップロードを行い、それにより、メインとバックアップのコンピ ュータが次々とリセットされてしまう可能性を消すことができたので、通 常状態に戻したもの。

 高解像度の画像取得等の探査運用に戻るまでには数日掛かるとされてい る。

 http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2009-186

【091214-03】(関連記事:【091207-05】)
Spiritの状況に改善見られず

 12月10日にNASAのジェット推進研究所(JPL)が明らかにしたところによ ると、11月28日に右の後輪が動かなくなってしまった火星ローバSpiritの 状況は改善されていない。

 12月3日と4日にモータの電気抵抗のチェック及び1ラジアン(約57度)分 だけ車輪を前進方向に回転させる試験を行った。

 電気抵抗は3つの異なる温度条件の下で計測したが、最初の計測の初め の時点で急速な抵抗増加があった他はずっと高い抵抗値を示した。前進の コマンドに対しては右後輪は全く動きを見せなかった。

 8日には、右後輪と共通のモータ・コントローラが使用されている他の 機器のチェック、右後輪の逆電圧を掛けての抵抗計測、右後輪への後退・ 前進のコマンド、他の動いている車輪の抵抗計測等が行われたが、原因究 明或いは解決策に繋がる結果は得られていない。今後更に診断のための各 種チェックを行うことが検討されている。

 また、現在のSpiritの傾き具合、周囲の環境条件、太陽電池パネルへの 塵の堆積等を勘案すると、このまま火星の南半球の冬の時期に入ってしま うと、電力が足りなくなるリスクを抱えている。このため、少なくとも傾 きを変えて、太陽光線の入射角を大きくすることができないかということ も検討されている。

 http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2009-191

【091214-04】(関連記事:【091207-04】)
ULA、一旦延期後にDelta IIによるNASAのWISEの打上げに成功

 12月9日、NASAはバンデンバーグにおいてWide-field Infrared Survey Explorer (WISE)の打上げ準備を行っていたDelta IIの機体に不具合が発 生し、11日の予定であった打上げが14日に延期されたことを明らかにした。

 ブースタの操舵系の動きに異常が見られたもので、交換が行われること になり、打上げ日は当初12日、その後余裕を見て14日に延期と決まったも の。

 http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2009-192

 打上げは、現地時間の14日06:09に行われ、WISEは無事高度525kmの太 陽同期軌道に投入された。打上げはUnited Launch Alliance (ULA)が行っ た。

 WISEは全天空をこれまでの500倍以上の感度の赤外望遠鏡でサーベイし ようという衛星でこれまでに観測されていない物体、例えば最も冷たい星、 宇宙で最も輝かしい銀河、最も暗い地球近傍小惑星或いは彗星等を観測す ることが期待されている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/dec/HQ_09-286_WISE_launch.html

【091214-05】
Arianespace、Ariane 5 GSによるHelios 2Bの打上げ延期

 12月9日、Arianespaceはギアナの射場からAriane 5 GSによりフランス の偵察衛星Helios 2Bを打ち上げる予定であったが、ヘリウムガスの加圧 系に漏れが発見され、予定時刻の7時間前に打上げは中止され、原因と考 えられるバルブの交換と再試験を行うために、打上げは14日以降に延期さ れた。

 Helios 2Bはフランス国防省がベルギー、スペインと協力して構築しよ うとしている第2世代の偵察衛星の2号機であり、Astrium製で、質量は4, 200kg、高度680kmの太陽同期軌道に投入される予定となっている。初号 機であるHelios 2Aは2004年12月に打ち上げられている。

 なお、打上げに使用されるAriane 5 GSは、1段に初代のVulcain 1エン ジンを用いている旧バージョンの機体であり、今回が最後の打上げとな る。

 http://www.spacenews.com/launch/091209-arianespace-scrubs-launch-helios.html

【091214-06】
英国に初めての宇宙機関誕生

 12月10日、英国政府は、国としての宇宙機関を設立することを明らかに した。新しい機関の活動が開始されるのは2010年後半となるとされている。

 これまで英国の宇宙開発事業は幾つも独立の機関の計画を国立宇宙セン ター(British National Space Centre:BNSC)が調整をする形で進められ おり、BNSCとしては独自の事業推進のための予算を持っていなかった。

 このため、ESAの開発プログラムに充分な投資ができず、出資額が多い 国の企業が主契約者になるという状況の中で、英国企業が不利な立場に立 たされることもあった。

 そこでBNSCを独立した予算を持った機関に置き換えて、これまで宇宙開 発に関わって来た6つの省、2つの研究委員会及び他の2つの機関を統合す る形とするもの。

 これにより、国際的な場での発言力の強化、国内宇宙産業の発展、宇宙 関連研究分野の明確な方向付け等を行うとしている。

 関連の6つの省は

国防省: Ministry of Defence (MoD)
外務省: Foreign and Commonwealth Office (FCO)
交通省: Department for Transport (DfT)
環境食糧省:Department for Environment, Food and Rural Affairs (DEFRA)
ビジネス・イノベーション・技能省:Department for Business, Innovation and Skills (BIS)
児童・学校・家庭省:Department for Children, Schools and Families (DCSF)

 2つの研究委員会及び他の2つの機関は;

自然環境研究委員会:Natural Environment Research Council (NERC)
科学技術設備委員会:Science and Technology Facilities Council(STFC)
気象局:Meteorological Office (Met.Office)
技術戦略委員会:Technology Strategy Board (TSB)

 http://www.google.com/hostednews/ukpress/article/ALeqM5h4-pDhJm8YOJlGUpaeFAtKj5BVAQ

【091214-07】(関連記事:【091109-12】)
NASAの2010年度予算、ほぼ要求通りの187億ドルで議会通過

 12月13日、米議会上院は187億ドルのNASA予算を含む2010年度の商務・ 司法・科学歳出法案を可決し大統領に送った。

 これより先12月8日にNASAの予算に関する上下両院の議決結果が異なっ ていたことから持たれていた両院協議会で、2010年度のNASA予算を2009年 度を9億4,200万ドル上回る187億ドルとすることが決まり、下院ではこの 最終案を10日に可決していた。

 この額は2月に大統領から出された予算教書の額とほぼ同額であり、大 統領の指示により米国の有人宇宙飛行計画の評価・見直しを行うこととな った通称Augustine委員会の結論を受けて、現在進められている次期有人 打上げロケット開発プログラムであるConstellationプログラムの中止も あり得るという状況の中で、議会としては同プログラムを進めるための予 算を認めた形であり、その上で、同プログラムの中止や新しいプログラム の導入には事前に議会の承認が必要であるとしている。

 なお、この歳出法案の中で、2月にTaurus XLによる打上げに失敗した温 室効果ガス観測技術衛星(Orbiting Carbon Observatory:OCO)の代替機の 製作への着手が認められている。

 http://www.spaceflightnow.com/news/n0912/13budget/

【091214-08】(関連記事:【091116-13】)
ISSの中で舞う蝶のビデオ撮影に成功

 12月8日、NASAはISSの中で羽化した蝶が飛んでいる様子のビデオ撮影に 成功したことを明らかにした。

 11月に打ち上げられたスペースシャトルAtlantisによってISSに運ばれ たヒメアカタテハ(Painted Lady)とオオカバマダラ(Monarch)の幼虫が羽 化したもので、撮影されたのは、羽化したばかりのMonarchが羽を乾かす ために開いたり閉じたりしながら空中を浮遊している様子である。

 蝶をISSに送り込んだのは、NASAの教育プログラムの一環で、地上では 幼稚園から中学生まで17万人以上の児童・生徒と約2,800人の先生が見守 り、宇宙での成長具合と地上での成長具合をリアルタイムで比較するキャ ンペーンに参加している。

 これまでに明らかになった地上と宇宙の違いの一つは、羽化直後の羽の 乾燥に掛かる時間で、地上では3分乃至5分なのが宇宙では15分必要となっ ていることである。

 http://www.space.com/scienceastronomy/091208-space-monarch-butterflies.html

【091214-09】
NASA、小型低コストの衛星FASTSATの初号機の環境試験を無事終了

 12月9日、NASAはマーシャル宇宙飛行センタで開発してきた小型で低コ ストの衛星であるFast, Affordable, Science and Technology SATellite (FASTSAT)の初号機となるFASTSAT-HSV01の環境試験が無事終了したことを 明らかにした。

 打上げ時の環境に耐えることを実証するための振動試験、電磁干渉試験、 熱真空試験を終えたもので、2010年5月に予定されている空軍のSTP-S26ミ ッションでの打上げを待つばかりの状態となった。打上げは他の衛星との 相乗りでMinotaur 4で行われる。

 FASTSATは様々な研究者に低軌道への打上げ機会を提供するために開発 された衛星プラットフォームでHSV01では3種の技術実験と3種の大気観測 機器を搭載している。

 主要なコンセプトとして、短期間で安価にということを目指しており、 HSV01の製作は10ヶ月半、約400万ドルを要しただけとされている。

 また、特徴的なことは、姿勢制御を磁気トルカによっていることで、衛 星には推進系は勿論、フライホイールの様な動く部分が一切無いことであ る。

 http://blog.al.com/space-news/2009/12/marshall_space_flight_center_d.html

【091214-10】
NASAの宇宙飛行士、SpaceXのDragonカプセルの運用訓練を開始

 12月の初めに、NASAの関係者がカリフォルニア州ホーソーン(Hawthorne) のSpace Exploration Technologies (SpaceX)の本社工場を訪れ、2010年 後半にISSに向けての打上げが予定されているSpaceXのDragonカプセルを 見学した。

 今回の見学者の中にはISSの第24次/25次長期滞在クルーとして、無人で 打ち上げられるDragonのISSでの受入を行う3人の宇宙飛行士も含まれてお り、見学は3人に対するDragonの運用に関する地上での訓練の最初のステ ップの位置付けでもあった。

 SpaceXでは、NASAからCommercial Orbital Transportation System (CO- TS)プログラムの下で契約を受け、ISSへの物資補給用にDragonの開発を行 っており、3回予定されているデモンストレーション飛行の最後にISSのロ ボットアームに掴まえて貰ってISSとのドッキングを行う計画となってい る。

 その後、SpaceXではNASAからCommercial Resupply Services (CRS)契約 で12回の物資輸送のためのDragonの打上げを行うことが予定されている。

 http://www.aviationweek.com/aw/generic/story.jsp?id=news/SpaceX120709.xml&headline=3%20ISS%20Astronauts%20Get%20Look%20At%20SpaceX%20Dragon&channel=space

【091214-11】
DARPA、Orbital SciencesにSystem F6のフェーズ2を発注

 12月4日に米国の政府関係契約情報のサイトに掲載されたところによる と、国防総省の先端研究機関であるDefense Advanced Research Projects Agency (DARPA)は、Orbital Sciences Corporationを唯一の調達可能先と して、将来の軍事用のインフォメーションシステムとして、単独の衛星で はなく、ワイヤレスでお互いに繋がっている衛星群を用いるシステムの開 発の継続契約を結んだ。契約期間は1年で契約額は7,460万ドルである。

 System F6 (Future Fast, Flexible, Fractionated, Free-Flying Spa- cecraft united by Information eXchange)と称されているシステムで、 Orbitalは、2008年2月からフェーズ1の概念設計の契約を受けており、今 回はフェーズ2として、更にコンセプトの詰めを行い、衛星構成の詳細設 計審査(Critical Design Review:CDR)までを行う。  フェーズ1では、Boeing、Lockheed Martin、Northrop Grummanにも契約 が出ていたが、今回はOrbitalを唯一の調達可能先として競争無しでの契 約締結となっている。

 http://www.fbo.gov/index?s=opportunity&mode=form&id=f3b33c1167b44d25ea94a62e4bd1b97b&tab=core&_cview=0

【091214-12】
「まいど1号」の後継機、エジプトの学生による開発構想浮上

 12月11日付けのasahi.comは、大阪の町工場がつくりあげた人工衛星 「まいど1号」の後継機を、エジプトの大学生達の手でつくる構想が、大 阪大学と大阪の中小企業の間で浮上していると報じている。

 エジプトと日本政府が共同で設立し、2010年2月に正式開校する「エジ プト日本科学技術大学」の電気工学系の教育アドバイザーを務める阪大大 学院の河崎善一郎教授が日本の先端技術を現地の学生たちに学ばせる教材 として人工衛星を選び、自ら開発に関わった「まいど1号」より一回り大 きい約60cm角、質量50〜100kg程度の小型衛星を、2015年を目処にエジプ トの大学院生や学生に開発させる構想を持っている。

 現地の学生を東大阪に招き、衛星造りに必要な日本の中小企業の切削加 工技術を教えることも計画している。

 http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200912110037.html

【091214-13】
NASA、UAEの学生をNASAに受け入れるプログラムを立ち上げ

 12月7日、NASAはアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国にあるArab Yo- uth Venture Foundationと共に、3人から12人のUAEの工学系の学生をNASA のミッションに受け入れるプログラムを立ち上げたことを明らかにした。

 NASAのエイムズ研究センタのEducation Associates Programが管理して いる研究プロジェクトに米国の学生達と一緒に参加するもので、米国の学 生にも外国の学生と共に働く機会を与えることとなる。

 UAEの企業及び政府がスポンサーとなっており、学生の渡米に関する全 ての費用はそれらのスポンサーからの資金提供を受けて、全てArab Youth Venture Foundationが負担する形となる。NASAでは最初の学生を2010年1 月には受け入れる予定としている。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/dec/HQ_09-271_Edu_Arab_Youth_SAA.html

【091214-14】
ATK、上段用固体ロケットモータCASTOR 30の地上燃焼試験成功

 12月10日、Alliant Techsystems (ATK)は、自社資金で開発している上 段用の固体ロケットモータCASTOR 30の地上燃焼試験を行い、良好な結果 を得たことを明らかにした。

 試験は高空での燃焼を模擬するために空軍のArnold Engineering Deve- lopment Centerの真空チャンバ-の中で行われた。

 このモータはATKの固体ロケットモータの製品系列の中の重要な位置を 占めるもので、様々なプログラムでの採用が予定されている。

 一つはNASAのCommercial Orbital Transportation Services (COTS)プ ログラムの下でISSへの物資補給船Cygnusを開発しているOrbital Scie- nces Corporationが打上げロケットであるTaurus IIの上段に採用するこ とを決めている。また、米空軍にはLarge Class Stageと称するプログラ ムで3段目のベースとする構想がある。

 このモータにはMoog Inc.製の新しいノズルの操舵システム(Electro- magnetic Thrust Vector Control:EM TVC)のプロトタイプが採用されて おり、これは完成すれば他の固体ロケットモータでも適用することがで きるものである。

 http://finance.yahoo.com/news/ATK-Successfully-Ground-Tests-prnews-722137320.html?x=0&.v=1

【091214-15】
Virgin Galactic、宇宙観光用の宇宙機SpaceShipTwoを初公開

 12月7日、宇宙観光飛行の実現を目指しているVirgin Galacticは、カリ フォルニア州モハーベ(Mojave)のMojave Air and Space Portにおいて、 開発中の宇宙機SpaceShipTwoを初めて公開した。

 開発に当たっているScaled Compositesの格納庫から、双胴の母機Whi- teKnightTwoにに抱かれてロールアウトしたSpaceShipTwoは招待された搭 乗予約客及び多くの招待客や報道陣に迎えられ、“VSS Enterprise”と命 名された(VSS:Virgin Space Ship)。

 招待客の中にはカリフォルニア州知事Arnold Schwarzeneggerと宇宙へ の出発地となるSpaceport Americaがあるニューメキシコ州の知事Bill Richardsonが含まれており、挨拶ではそれぞれに宇宙観光ビジネスへの期 待を述べた。

 SpaceShipTwoは、2人の乗務員と6人の乗客を乗せて高度100kmまでの弾 道飛行を行うハイブリッドロケットエンジンを装備した機体で、地上から 高度15,240mまで母機に懸架されて運ばれ、そこで切り離された後、ロケ ットで加速し高度100kmへ向かう。なお、母機は2008年8月に公開されてお り、設計者の母親の名前を取って“VMS Eve”と命名されている(VMS:Vi- rgin Mother Ship)。

 SpaceShipTwo及びWhiteKnightTwoは、Scaled Compositesの創設者で著 名な航空機設計家のBurt Rutanが設計・開発したもの。

 Burt Rutanは、今回のSpaceShipTwo/WhiteKnightTwoの組合せのプロト タイプとなるSpaceShipOne/ WhiteKnightの組合せで、2004年10月に民間 資金の下で民間によって開発されたロケットによる初の高度100kmへの飛 行に成功し、Ansari X Prizeを獲得している。

     http://www.ku-ma.or.jp/img/CHR091214-01.jpg

 http://www.virgingalactic.com/news/item/spaceshiptwo-roll-out

【091214-16】
JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

12/7小惑星ウスダ誕生!
12/8衛星通信カードに第2弾登場!!
12/8ISS・きぼうウィークリーニュース第365号
12/9小型ソーラー電力セイル実証機(IKAROS)およびライトセイル1の相互応援キャンペーンの実施について(案
12/9金星探査機「あかつき」(PLANET-C)キャンペーンの実施についての報告
12/9地球が見える:東京の2つのタワー
12/10野口宇宙飛行士ら、バイコヌール宇宙基地に到着
12/11「きぼう」で何を探るのか!「第46回JAXAタウンミーティング」 in 仙台
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