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メールマガジン「週刊KU-MA」 第81号          [2010.1.27]


■目次

(1)ワンダフル宇宙
     「オバマの宇宙新戦略予告」

(2)宇宙関連ニュース「宇宙茫茫」

■ワンダフル宇宙

オバマの宇宙新戦略予告
 月曜日にオバマ大統領の予算教書が発表になります。その先駆けとして、 要点だけを前触れするといったことがよくやられます。今週の火曜日に 「オーランドー・センティネル」紙に掲載された「来週の予算教書で、月 への飛行士の帰還とそのための大型ロケット開発がキャンセルされる」と いう記事をめくって、フロリダの新聞2紙のインタビューに答える形で、 政府の関係者、NASAの当局者およびサリー・ライド元飛行士の3人がその 役割を果たしたようです。20世紀前半の世界の宇宙活動に大きな影響を持 つオバマの宇宙戦略は、一言でいえば、当面はミッション先導型で月へ行 くよりもアメリカの宇宙活動の足腰を強化することを、長期的な観点から 選んだということのようです。

 宇宙予算を、2001年度からの5年間で60億ドル増加するそうです。年間 13億ドルなにがしですね。その増額の目的の中核を成すのは、ISS(国際 宇宙ステーション)の運用期限を2015年から2020年まで延長するための研 究開発、そして有人輸送も含めて商業用ロケットの開発費への援助、ケネ ディ宇宙センターの施設設備の充実の三つにあるとされています。民間の ロケット開発に向けた予算を重点的に増やすという狙いは、オバマ大統領 が昨日の一般教書で現在のアメリカの最大の課題として挙げた「雇用」の 問題と関係が深いと思われます。

 スペースシャトルが引退すると、その関係で7000ぐらいの仕事が消失す ると言われています。今回の宇宙予算では、これからの5年間にNASAに与 えられる予算は1000億ドルに上る見通しなので、これにより、スペースシ ャトル引退によって消え去った仕事を何とか回復したいと考えているので しょう。何しろあらゆる分野の予算が軒並み削られる中にあって、宇宙予 算だけは増額されるという点に、ある意味ではオバマ大統領の宇宙重視の 姿勢が見て取れるわけではありますが、(月曜日に発表される予算教書を 見ないと何とも言えませんが)それは、「月へ火星へ」という「行け行け どんどん」の姿勢ではなく、とりあえずアメリカの宇宙への挑戦の足腰を 鍛えるという問題意識に貫かれるものになりそうですね。

 今までに明らかにされているサリー・ライド元飛行士と政府・NASA当局 者の前触れ情報に基づくいくつかのジャーナリズムの分析では、──開発 途上にあった「アレースT」も「アレースX」もキャンセルされ、人間を 運ぶロケットは民間のロケット(たとえばアトラスV)になる。このたび の予算増加が商業用ロケット開発に当てられるというのはそのためである。 ──この分析を受けて、ある議員は、「何年もかけて蓄積してきたNASAの コンステレーション計画は挫折した。これで、当分は月を目指す努力は中 断し、1960年代から続いた宇宙でのアメリカのリーダーシップは去る。し かも国が保有する有人輸送のための大型ロケットが見えてこない。民間の ロケットがISSに人間を送ることのできる2017年か2018年までは、ロシア の輸送機に全面的に頼らざるを得ない」と慨嘆しています。

 しかし他方で、遠くへ遠くへというスローガンで国内の生活を逼迫させ るよりは、数年は着実に国内整備をしたほうがいいという意見も多く、ア メリカ議会でのこれからの議論を待つことにしましょう。来週のYMコラ ムでは、予算教書を踏まえて、もう少し具体的なご報告ができるでしょう。 ホームページをそのときにはご覧ください。

(YM)


■宇宙茫茫ヘッドライン

【100125-01】 ISSでSoyuz TMA-16のドッキング位置変更及び軌道高度上昇を実施
【100125-02】 Spirit、後退コマンドで若干動くもその後に左中の車輪停止
【100125-03】 Mars Odyssey、Phoenix Mars Landerからの信号受信できず
【100125-04】 NASAのWISE、全天観測開始前に新しい地球近傍小惑星を発見
【100125-05】 ESA、次期中規模宇宙科学ミッションの候補3件選定
【100125-06】 ロシア、Progress M-04M、Intelsat 16、CryoSat-2の打上げを2月に予定
【100125-07】 ULA、2010年に10回の打上げを予定…前年比6回減
【100125-08】 Globalstar、第2世代の衛星群の最初の6基打上げへ
【100125-09】 中国、東方紅4号ベースの衛星と長征3号の組み合わせに自信
【100125-10】 ESAが開発中のVegaの初打上げ、2011年へのずれ込みも
【100125-11】 Orbital SciencesのTaurus 2の初打上げ遅れる可能性含み
【100125-12】 カナダのMDA、Orbital SciencesのCygnusにISSとのインターフェイス供給
【100125-13】 NASA、ISSのクルーの個人的なインターネットアクセス可能に
【100125-14】 NASA、高校生対象に気球での実験のアイデア募集
【100125-15】 NASA、シャトル等の記念となる品物の博物館等への放出の第2弾開始
【100125-16】 カナダの宇宙飛行士Robert Thirsk、長期滞在の犠牲は大きいと語る
【100125-17】 インド、GSLV Mk-III用の大型固体ロケットモータの燃焼試験に成功
【100125-18】 JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

【100125-01】
ISSでSoyuz TMA-16のドッキング位置変更及び軌道高度上昇を実施

 1月21日、ISSではMaxim SuraevとJeff Williamsがロシアのサービスモ ジュールであるZvezdaの後方のドッキングポートにドッキングしていたSo- yuz TMA-16に乗り移り、一旦ISSとの結合を解いて、Suraevが操縦して後 方に約30m離れ、そこからZvezdaの天頂方向に取り付けられた新しいロシ アのモジュールPoiskのドッキングポートに移動させた。移動作業の所要 時間は21分間であった。

 これにより空いたZvezdaの後方のドッキングポートには、2月3日に打ち 上げられるロシアの無人物資補給船Progress M-04Mがドッキングする予定 となっている。Soyuz TMA-16は3月18日頃に今回移乗した2人が地球に帰還 するためにISSを離れるまで、今回ドッキングした位置に留まることとな る。

 23日には、WilliamsとTimothy Creamerが船内からロボットアームを用 いて、米国製の第1結合部Unityの左舷側に取り付けられていた与圧結合ア ダプタ(Pressurized Mating Adapter:PMA-3)を同じく米国製の第2結合部 Harmonyの天頂部分へ移動した。これは2月7日に打ち上げられる予定のス ペースシャトルEndeavourによるSTS-130ミッションで運ばれる第3結合部 TranquilityをUnityに取り付けるための作業空間を確保するための処置で ある。Tranquilityが取り付けられた後、PMA-3はTranquilityに移設され ることとなっている。

 http://www.spaceflightnow.com/station/exp22/100121soyuz/

 また、22日と24日にはモスクワからのコマンドによってロシアのZvezda モジュールのスラスタを作動させてISSの高度を上げる処置が行われた。2 回のコマンドにより、ISSの平均高度は約5km高くなり344kmとなった。こ れでProgress M-04M及びEndeavourのランデブ・ドッキングに支障の無い 高度となったが、米国側の要請により、ISSは通常よりも低い高度を保っ ている。これは、ここのところ、スペースシャトルに搭載しなければなら ないペイロードが重たいことから到達高度に制限が生じてしまっているた めである。

 http://www.itar-tass.com/eng/level2.html?NewsID=14749532&PageNum=0

【100125-02】
Spirit、後退コマンドで若干動くもその後に左中の車輪停止

 1月20日、NASAのジェット推進研究所(JPL)は火星で砂に埋もれている Spiritについて19日までに行った救出への試みの結果を明らかにした。

 14日と16日にこれまでとは逆に後退方向に車輪を回転させるコマンドを 送った結果、合計で6.5cm後退させることができたが、コマンドは両日と も5mの移動に相当する回転を6回送っておりトータル30mのコマンドに対し て、14日に3cm、16日に3.5cm動いたということになっている。

 今回は単に車輪を回転させるだけではなく、各ステップの前に車輪を左 右に振る操舵コマンドを送っている。これは、この動きによって車輪の前 の砂をどかし、車輪の溝から砂を落とすことができると考えられると共に、 平らな車輪の側面で砂を押すことによって僅かながら推進力を得ることが できると考えられて採用されたもの。

 19日に更に後退のコマンドを送ったところ、途中で左の真ん中の車輪が 動かなくなり、それ以降のコマンドの送信は中止され、動かなくなった車 輪の状況確認の手段の検討に入っている。

 なお、今回の後退の動きに併せてロボットアームで地面を押すことが検 討されたが、ロボットアームが華奢であることから、ほんの僅かの力しか 発生できないこと、ロボットアームが壊れてしまったら、動けない状態で も続けている探査もできなくなること等を勘案して、その案は採用されな かった。

 動きが取れない状況に改善が見られない中で、冬に向かって少しでも太 陽光を多く受けられる様に探査機全体を北に傾ける試みも行われているが、 効果は上がっていない。

 http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2010-022

【100125-03】(関連記事:【100118-08】)
Mars Odyssey、Phoenix Mars Landerからの信号受信できず

 1月21日、NASAのジェット推進研究所は火星着陸機Phoenix Mars Lander から信号が発信されているとの確認は得られなかったことを明らかにした。

 長く火星の冬に耐えてきたPhoenixがもしかしたら機能を回復している かも知れないということで、18日から21日にかけてMars OdysseyがPhoenix の上空を通過する度に受信を試みたが都合30回の通過で何も受信できなか ったもの。

 今後、太陽が高くなっていく2月と3月にも引き続いて受信を試みること としている。

 http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2010-024

【100125-04】(関連記事:【091214-04】)
NASAのWISE、全天観測開始前に新しい地球近傍小惑星を発見

 1月22日、NASAはWide-field Infrared Survey Explorer (WISE)の観測 によって、新しい地球近傍小惑星が発見されたことを明らかにした。

 この地球近傍小惑星は“2010 AB78”と名付けられており、1月12日に WISEによって発見され、その後、ハワイのマウナケア山頂のハワイ大学の 口径2.2メートルの望遠鏡でも確認されている。

 2010 AB78の直径は約1kmで、現在地球から約1億5,800万km離れている。 太陽を周回する楕円軌道上にあるが、地球の軌道面とは角度を持った軌道 なので、地球に接近することはないと見られている。

 WISEは太陽同期軌道から赤外線を用いて観測を行う衛星で2009年12月に 打ち上げられ、キャリブレーションを行った後1月14日から全天観測を開 始している。この観測によって、地球近傍天体(NEO)や褐色矮星の発見、 遠方銀河の観測などの成果が期待されている。

 http://www.jpl.nasa.gov/news/features.cfm?feature=2459

【100125-05】
ESA、次期中規模宇宙科学ミッションの候補3件選定

 1月19日、ESAのSpace Science Advisory Committee (SSAC)は、次の宇 宙科学ミッションの候補として次の3件を選定したことを明らかにした。

* Euclid:ダークエネルギーをマッピングするミッション

* Solar Orbiter:NASAと共同の太陽科学ミッション

* Plato:太陽系に近いところでの地球に似た惑星探査のミッション

 なお、今回選定されたのは、ESAのCosmic Visionと称する科学プログラ ムの中で、Mクラスミッションと呼ばれる規模のミッションで、予算の上 限が4億7,500万ユーロに制限されており、選考過程で、小惑星からのサン プルリターンミッション(Marco Polo)と7基の衛星による地球のプラズマ 層の探査ミッションはプログラムが想定している予算規模を大幅に上回る との判断で、対象から除外されている。

 また、日本と共同で進めようとしている赤外線宇宙望遠鏡のミッション Space Infrared Telescope for Cosmology and Astrophysics (SPICA)に ついても取り組みを認めたことを明らかにしている。なお、このミッショ ンは別に予算を確保しているので、今回選定された3件とは別扱いとされ ている。

 今回の選定結果は2月18日に開催される予定のScience Program Commi- tteeにおいて審議され、最終的に決定されるとそれぞれ別個のフェーズA の契約に入り、2011年の終わりには本格的な開発に着手し、途中2012年の 半ばに予算が大幅に拡大していないことを確認する審査を経て、開発継続 が認められれば2017年から2018年に打ち上げられることとなる。

 http://www.spacenews.com/civil/100119-finalists-esa-cosmic-vision-mclass-missions.html

【100125-06】
ロシア、Progress M-04M、Intelsat 16、CryoSat-2の打上げを2月に予定

 1月18日、ロシア連邦宇宙庁は2月の打上げ予定を明らかにした。ISSへ の物資補給船及び、2基の外国の衛星を何れもバイコヌールから打ち上げ る。

 2月3日にSoyuz-Uにより、ISSへの無人の物資補給船Progress M-04M (ISS建設ミッション上の番号は36P)を打ち上げる。ISSとのドッキングは 5日に予定されている。

 2月12日にはProton-Mにより、Orbital Sciences製のIntelsat 16を打ち 上げる。

 2月25日にはDnepr (RS-20)により、ESAの地球観測衛星CryoSat-2を打ち 上げる。この衛星は2005年10月に同じくロシアのRockotで打ち上げられた が、2段燃焼終期の不具合で軌道に投入されずに終わったCryoSatを再製作 したものである。

 http://en.rian.ru/science/20100118/157600964.html

【100125-07】
ULA、2010年に10回の打上げを予定…前年比6回減

 1月19日United Launch Alliance (ULA)は2010年の打上げ予定を明らか にした。ケープカナベラルから7回、バンデンバーグから3回の合計10回の 打上げを予定している。

 この回数は2009年の16回から大きく落ち込んでいるが、大きな要因は20 09年に8回あったDelta 2の打上げが2010年は1回だけとなっていることに ある。

 Atlas 5とDelta 4については、年の最後の打上げがどちらになるか流動 的であるが、いずれにしても、どちらかが5回、他が4回となっている(そ の内Delta 4-Heavyは2回)

 予定されている打上げは以下の通り(特記以外ケープカナベラルから)

* 2月9日にAtlas 5でNASAのSolar Dynamics Observatory

* 3月1日にDelta 4でNASAとNOAの気象衛星GOES P

* 4月19日にAtlas 5で空軍の実験機(Orbital Test Vehicle) X-37B

* 5月13日にDelta 4で次世代GPS衛星の最初の衛星

* 第3四半期にAtlas 5で空軍のAdvanced Extremely High Frequency通信衛星

* 9月にDelta 2でイタリアのレーダ偵察衛星COSMO-SkyMed (バンデンバーグから)

* 10月にDelta 4-Heavy でNational Reconnaissance Officeの偵察衛星

* 10月にAtlas 5で米政府の機密の衛星 (バンデンバーグから)

* 12月1日にDelta 4-Heavyで最新のスパイ衛星の初号機(バンデンバーグから)

* 12月にDelta 4でGPS衛星かAtlas 5で早期警戒衛星SBIRSの初号機

 http://www.spaceflightnow.com/news/n1001/19eelv/

【100125-08】
Globalstar、第2世代の衛星群の最初の6基打上げへ

 1月19日、Globalstar, Inc.は、同社の移動体通信サービス用の第2世代 の衛星群の打上げの最初となる6基の衛星の打上げ可能期間が2010年7月5 日から90日間と決まったことを明らかにした。打上げはArianespaceとの 契約の下で6基一度にバイコヌールからSoyuzにより行われる。

 Globalstarの第2世代の衛星群の打上げに関する契約は2007年9月にAri- anespaceとの間で結ばれており、その時には打上げは2009年夏から6基ず つ4回に亘って、ギアナの射場からSoyuzによって行われることになってい たが、必要な場合にはバイコヌールから打ち上げることも条件に入ってお り、今回はギアナでの射場の建設遅れがあり、完成まで待てないというこ とでバイコヌールで打上げ枠が確保されたもの。

http://www.globalstar.com/en/news/pressreleases/press_display.php?pressId=582

【100125-09】
中国、東方紅4号ベースの衛星と長征3号の組み合わせに自信

 1月19日、中国長城工業公司は17日の長征3号丙(Long March 3C)による 北斗3号の打上げ成功により、2009年8月にインドネシアの通信衛星Palapa -Dの打上げに失敗した長征3号乙で発生した問題への対策の妥当性が確認 されたと語った。

 長征3号乙では、3段目の液酸/液水エンジンの再着火後の燃焼が正常に 終わらずに衛星を所期の軌道に投入できなかったが、その原因は氷か他の 異物によってガスジェネレータの吹き抜けが生じたためとされ、フィルタ ーの追加と打上げ前のパージの徹底が必要とされていた。

 また、2006年、2008年に中国製の衛星SinoSat-2及びNigComSat-1が相継 いで太陽電池パネルに不具合を生じて機能停止に陥ったことから、それら に用いられた衛星プラットフォーム東方紅4号(DFH-4)の信頼性に疑問が持 たれ、軌道上衛星に対する保険の付与の条件が厳しくなっていたが、2008 年10月に打ち上げたVenesat-1が15ヶ月余り正常に機能していることから、 信頼を回復し、国際的な保険引き受け機関での評価も徐々に良くなって来 ているとされている。

 今回ロケットの信頼も回復できたということで、中国は東方紅4号をベ ースとした衛星を長征3号で打ち上げるというパッケージでの売り込みに 自信を持つ様になっており、パキスタン、ボリビア、ラオスの衛星及びナ イジェリアのNigComSat-1を補う衛星の打上げ等の契約が成立したか或い は成立間近となっている。

http://www.spacenews.com/launch/100120-china-praised-hardware-troubleshooting.html

【100125-10】
ESAが開発中のVegaの初打上げ、2011年へのずれ込みも

 1月18日付けのSpaceflightnow.comは、ESAのJean-Jacques Dordain長官 が、開発中の小型の打上げロケットVegaの初打上げが行われるのは2010年 12月31日前後となり、前か後かは2010年4月にははっきりするであろうと 語ったと報じている。

 Vegaの初打上げについては、2009年6月のパリエアショーの時点で、早 くとも2010年10月になると語られていたが、それよりも更に遅れ、2011年 にずれ込む可能性も生じているということになる。

 この原因は、主として地上側の施設・設備の建設と試験にあるとされて おり、2010年4月には、地上システムとロケットの組み合わせ試験が開始 されることとなっているが、それに間に合うか否かが問題とされている。

http://www.spaceflightnow.com/news/n1001/18vega/

【100125-11】
Orbital SciencesのTaurus 2の初打上げ遅れる可能性含み

 1月20日付けのSpaceflightnow.comは、Orbital Sciences Corporation の上級副社長のFrank Culbertsonが同社がNASAとの契約の下で開発中のISS への物資補給用の宇宙船Cygnusの打上げ用に開発しているロケットTaurus 2の開発の状況について語った内容を報じている。

 OrbitalではTaurus 2の初打上げのターゲット日を2011年3月31日として いるが、それを満足できるのは今後の開発作業が全て予定通り進んだ場合 だけだとして、幾つかの問題点を挙げ、遅れる可能性の示唆をしている。

 Taurus 2の1段エンジンは旧ソビエト時代に製造されたNK-33をAerojet Corp.が輸入し、追加の偽装をしてAJ26として納めるもので、この4月か5 月にはNASAのステニス宇宙センタで燃焼試験を行う段階となっているが、 40年近く前に製造されたものであるので、2009年10月にロシアで燃焼試験 を行って健全性の確認を行ったが、2度目の試験で液体酸素系統に不具合 が発生して早期燃焼終了となり、現在未だ問題の解決には至っていない。

 現在Aerojetには37台のNK-33があり、AJ26として生まれ変わったエンジ ンはワロップスの射場に送られる前に全てステニス宇宙センタで受入試験 の位置付けで短秒時の燃焼試験を行うことになるが、現在このエンジンの 長秒時の燃焼試験を行うスタンドは米国内には無く、ロシアでの試験を待 たなくてはいけない。この試験が遅れていることが、一つの懸念材料であ る。

 2段は固体ロケットモータCastor 30が用いられるが、これに関しては20 09年12月に2分半の地上燃焼試験を無事終えており、開発上の問題はない。 しかしながら、Orbitalでは、NASAとの契約で行う8回のISSへの物資輸送 の3回目から2段を新しい液体燃料のロケットに変える計画を持っており、 現在調達先を決めようとしている段階である。

 ワロップスの射場での地上設備の建設は始まっているが、想定している ロケットとの組み合わせ機能確認試験の開始時期までの完成にはかなり無 理があるのではないかと見られている。

htttp://www.spaceflightnow.com/news/n1001/20taurus2/

【100125-12】
カナダのMDA、Orbital SciencesのCygnusにISSとのインターフェイス供給

 1月19日、カナダのMacDonald, Dettwiler and Associates Ltd.(MDA)は、 米国のOrbital Sciences Corporationに対して、OrbitalがNASAとの契約 の下で開発中のISSへの物資補給用の宇宙船Cygnusに関して、ISSにドッキ ングするために必要となるインターフェイス部分を提供する契約を結んだ ことを明らかにした。

 契約額は開発段階をカバーする最初の契約が240万ドルで、その後の運 用段階については最低でも400万ドルとされている。

 自動操縦でISSに接近するCygnusをISSのMDA製のロボットアームCanada- rm2で把持してドッキングさせる際に必要となるインターフェイス部分を 提供するもの。

 Cygnusの開発はCommercial Orbital Transportation Services (COTS) 契約で行われており、その後8回のISSへの物資輸送がCommercial Resu- pply Services (CRS)契約の下で行われることとなっている。

http://www.newswire.ca/en/releases/archive/January2010/19/c9649.html

【100125-13】
NASA、ISSのクルーの個人的なインターネットアクセス可能に

 1月22日、NASAはISSに滞在中の宇宙飛行士に対し個人用のインターネッ ト回線が用意されたことを明らかにした。

 このインターネット回線は“Crew Support LAN”と呼ばれており、宇宙 飛行士たちはウェブブラウジングを含め、プライベートな通信を行うこと が可能になり、宇宙から直接Twitterの“つぶやき”を開始している。

 技術的には、Kuバンドの無線高速通信回線を使用してISSと地上との通 信が行われている間に、地上のコンピュータを経由して、インターネット に接続できるようになっている。

 宇宙飛行士たちは、地上の米国の公務員と同じガイドラインに従ってコ ンピュータを使用することになる。なお、職務に関する部分では、これま でと同様に公式メールアカウント、IP電話、ビデオ会議システムが用意さ れている。

 現在、ISSにはNASAとJAXAの宇宙飛行士3人が滞在しており(他にロシア の宇宙飛行士2人滞在)、Twitterアカウントを通して“つぶやき”を配信 している。これまでは、一旦地上にメールで送ってから、地上要員が宇宙 飛行士のTwitterアカウントを通して代理投稿する方法をとっていたが、 今回の個人用回線により、直接投稿できる様になった。

http://www.nasa.gov/home/hqnews/2010/jan/HQ_M10-011_Hawaii221169.html

【100125-14】
NASA、高校生対象に気球での実験のアイデア募集

 1月22日、NASAは高校生を対象に高度30kmに達する大型の気球に搭載す る実験機器或いは技術実証供試体の設計、製作のコンテストを行うことを 明らかにした。

 “Balloonsat High Altitude Flight”と称するイベントで、5月25日か ら27日にかけてクリーブランドのグレン研究センタの気象観測用の気球に 優秀なアイデアによる機器等を吊り下げて放球するもの。

 4人以上のチームでの提案を受け付けるとしており、提案の提出期限は2 月19日で、審査結果の発表は3月5日に行われるとされている。

 優秀な提案4件に1,000ドルの資金、グレン研究センタへの往復旅費が支 給され、3日間の放球期間中に自作の機器を打ち上げて回収し、実験の成 果を同センタで開催されるBalloonsatシンポジウムで発表する機会が与え られる。なお、グレン研究センタへの立入は米国市民に限られている。

 このコンテストはTeaching From Space、ジョンソン宇宙センタのNASA Education Office、 グレン研究センタのEducational Programs Office及 びOhio Space Grant Consortiumがスポンサーとなっている。

http://www.nasa.gov/home/hqnews/2010/jan/HQ_10-018_Balloonsat.html

【100125-15】(関連記事:【090921-08】)
NASA、シャトル等の記念となる品物の博物館等への放出の第2弾開始

 1月19日、NASAは先に行うこととしたスペースシャトルプログラムの記 念となる品物(artifacts)の、教育機関や博物館への展示のために放出に 加えて、その他のプログラムの記念となる品物も放出することを明らかに した。

 前回と同じに、この日からウェブサイト上に90日の期限付きで公開され る約2,500点の品目について、取得希望を申し出ることができる。今回の 放出品にはシャトルの他、ハッブル宇宙望遠鏡、アポロ、マーキュリー、 ジェミニが含まれている。このウェブサイトの運用には前回同様General Services Administrationが協力する。

 90日の公開が終わったところで、行き先を決めるための審議が行われ、 希望者への引き渡しは、その品物がプログラム遂行上不要となった時点で 順次行っていくとしている。

 品物は無償で引き渡されるが、輸送コスト及び展示コストは受け取り側 の負担であり、展示に際しては、機微な技術又は製造上の情報へのアクセ スの制限が課せられ、また、全ての品物が輸出管理令の制約を受ける。

 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2010/jan/HQ_10_013_Space_Artifacts.html

【100125-16】
カナダの宇宙飛行士Robert Thirsk、長期滞在の犠牲は大きいと語る

 1月19日、ISSに6ヶ月の長期滞在をして、2009年12月1日に地球に戻って 来ていたカナダの宇宙飛行士Robert Thirskが、帰還後初めてカナダに戻 り、カナダ宇宙庁への表敬訪問等をこなすと共に、CTV News Channelに出 演しインタビューに答えている。

 インタビューの中で、もう一度ISSに戻りたいかと尋ねられたThirskは、 「一言で言えば、ノーだと思う」と答えている。6ヶ月の滞在は素晴らし い冒険ではあり、それを成し遂げ成功を収めたと思っているが、反面、6 ヶ月は長く、自らと家族にかなりの犠牲を強いるもので、直ちに再び経験 したいと思うことではないと語っている。

 更に、肉体的にも6ヶ月間ベッドに寝ていたみたいだとして、筋力の衰 え、筋肉の減少、骨のカルシウムの減少、心臓の虚弱化等かなり厳しい犠 牲を払っているとしている。

 http://www.ctv.ca/servlet/ArticleNews/story/CTVNews/20100119/thirsk_home_100119/20100119?hub=SciTech

【100125-17】
インド、GSLV Mk-III用の大型固体ロケットモータの燃焼試験に成功

 1月24日、インド宇宙研究機関(ISRO)は、静止衛星打上げ用ロケットの 増強型として開発中のGSLV Mk-IIIに用いる大型の固体ロケットモータの 地上燃焼試験を実施した。

 200トンの固体燃料が充填されている直径3.2m、長さ22mのS-200と称さ れているモータで、燃焼試験はSatish Dhawan Space Centre (SDSC)で行 われ、130秒間の燃焼で最高推力は500トンを記録した。性能は全て予測通 りで、燃焼試験は成功であったとしている。

 ISROではこの試験の成功で2011年末のGSLV Mk-IIIの初打上げに向けて 大きなマイルストンをクリアしたとしている。

 なお、S-200は、米国のスペースシャトルの固体ロケットモータ、フラ ンスのAriane 5の固体ロケットブースタに次ぐ、世界で3番目に大きい固 体ロケットモータである。

 http://beta.thehindu.com/sci-tech/article94375.ece

【100125-18】
JAXAのウェブサイト内の注目記事へのリンク

1/18平成22年1月理事長定例記者会見
1/18JAXAスペースアカデミー〜1年宙組〜:第2話「きぼうとHTV」
1/19ISS・きぼうウィークリーニュース第370号
1/19「だいち」PALSARによるハイチ地震にともなう緊急観測(2)
1/20宇宙空間研究委員会(COSPAR2010)学生派遣プログラム参加者募集
1/20シーズンレポート2009年10月−12月
1/20準天頂衛星初号機の愛称募集結果について
1/20K&C50mオルソモザイクプロダクト
1/21タイ・バンコクで「APRSAF-16(第16回アジア太平洋地域宇宙機関会議)」開催
1/21「はやぶさ」地球帰還へ順調。残り2ヶ月間のエンジン運転
1/22「だいち」PALSARによるマヨン山火山活動にともなう観測結果
1/22H-IIBロケット2号機用LE-7Aエンジン領収燃焼試験の実施について
1/22平成22年度宇宙科学本部特別共同利用研究員募集
1/22防災科学技術研究所による「だいち」のハイチ大地震に対する緊急観測画像の配信
1/22宇宙オープンラボ研究開発成果がリュージュオリンピック日本代表を応援
1/22開催中!!「バンクーバー冬季五輪出場氷上最速リュージュ」展
1/22コズミックカレッジアドバンストコースの開催および参加者募集について
1/22種子島宇宙センタースペーススクールの開催および参加者募集について
1/22副理事長、理事の公募を開始しました
 イベント            
1/26第16回アジア太平洋地域宇宙機関会議 (APRSAF-16)(タイ・バンコク) [〜29日]
2/4超高速インターネット衛星「きずな」国際シンポジウム(科学技術館)
2/4第16回宇宙を教育に利用するためのワークショップ(アメリカ・ヒューストン) [〜6日] http://www.spacecenter.org/TeachersSEEC.html
http://www.jaxa.jp/press/2009/10/20091016_seec_j.html (日本からの発表者)
2/14「国際宇宙ステーション『きぼう』が拓く有人宇宙活動」シンポジウム(東京国際交流館)
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