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YMコラム
8月18日「「はやぶさ2」の全容が姿を現した」

 先日、宇宙開発委員会において「はやぶさ2」についての提案がJAXAか らあった。「はやぶさ」と同じく、地球近傍型小惑星への着陸とサンプル リターンを骨子とする計画である。ターゲットには、「はやぶさ」がS型 小惑星イトカワだったのに対し、今度はC型小惑星1999JU3が選定されてい る。

 打上げ予定の目標は2014年(H-2A)なので、もう4年もない。だから基 本設計を変えるわけにはいかない。「はやぶさ」の経験を通じて明らかに なったいくつかの改良点に時間が許す限り手を加えて、“Touch and Go” 方式でサンプルを持ち帰ろうというもの。

 注目すべき違いは、「はやぶさ2」では、目標天体に接近して衝突体を 地表に突入させ、爆発によってクレーターを作って、表面がえぐりとられ て深部から露出したサンプルを持ち帰りたいところである、また、もう一 つ興味をそそるのは、「はやぶさ」で涙を呑んだ「ミネルバ」の雪辱戦で あろう。

 「はやぶさ」からの主な改良点は以下の通り。いずれ詳述することがあ ろう。

1 ハイゲインアンテナ:パラボラからアレイアンテナへ。

2 姿勢制御:ガスジェットのスラスタ配管の見直しとリアクションホイールの改良。

3 イオンエンジン:推力をアップする。

4 サンプリング:サンプラーホーンの方式は踏襲されようが、挑戦されるのは、
            ・シーケンスの再検討
            ・サンプリングの際のカメラ撮影
            ・舞い上がった粒子の光学観測。

5 衝突体:本体から分離後に起爆、爆発で変形した 金属の塊を地表に突入させる。

 2014年の打上げの場合、到着するのは2018年、地球へ帰還するのは2020 年となる。

 「はやぶさ」の後継機については、「はやぶさ」打上げの翌年あたりか ら詳細な検討が開始されている。当時は、探査機を複数の小惑星に送り込 む「マルチランデブー」と「サンプルリターン」を組み合わせたミッショ ンなど、いろいろと考えられていた。しかし、「はやぶさ」が小惑星との 往復飛行の技術とイトカワの精密な科学観測においてめざましい成果をあ げたことを受けて、その成果を早急に受け継ぐ本格的な探査計画が浮上し てきた。

 「はやぶさ」は、ミッションの途上にあっても、さまざまな障害に直面 し、地球へ帰還できる可能性は決して高くはなかった。しかも、アメリカ で現在「ニューフロンティア計画」の一環として提案され、最終選考に残 っている「オシリス・レックス計画」などのライバルの猛追もある中で、 小惑星探査の分野での世界トップを維持しようという意気込みが生まれ、 この太陽系探査で後発の日本が、「あかつき」「イカロス」などの進行も あって、かつてない盛り上がりを見せているという事情もある。

 「はやぶさ」についての世論の未曾有の沸騰もあって、ワーキンググル ープから順番に数年をかけながら昇格していく方法ではなく、2007年6月 にはプリプロジェクトとなり、最近になって直接宇宙開発委員会に提案さ れ、「開発移行」の「お墨付き」を獲得した。しかし、既存の計画の間に 後から入ることの難しさはまた格別であろう。これからの関係者の奮闘に 期待したいものである。

 ここで一応、ライバルと目されているNASAの「オシリス・レックス」計 画について述べておこう。このミッションは、1999 RQ36と名付けられた 小惑星をターゲットとしている。この小惑星は、7月下旬に「2182年に地 球に衝突する可能性がある」と取り沙汰されて有名になった。とすれば、 そのサンプルを地球に持ち帰れば、従来から話題を呼んでいる小惑星の地 球衝突の問題に関連して、衝突の予測精度を上げたり、衝突を回避する手 段を研究したりするのに、非常に資するところがあるに違いない。現在は、 月ミッションと金星ミッションをライバルとして最終選考が11月に行われ ると聞いているが、もし「オシリス・レックス」にゴーサインが出ると、 探査機は2016年に打ち上げられ、小惑星表面のマッピングとサンプル採取 が行われる。「はやぶさ2」の2014年打上げが実現しないで、「オシリス」 が海の向こうで認可されると、「はやぶさ」の頑張りは「めでたさも中く らい」にならないか。

(YM)

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