コンテンツ
KU-MAについて
入会案内
リンク
会員向け

KU-MAの
おすすめ


超巨大ブラックホールに迫る
「はるか」が作った3万kmの瞳


自然の謎と
科学のロマン(上)

Newton編集長の実験と工作動くもの浮くものの不思議

Newton編集長の実験と工作─光や電気の不思議─


小惑星探査機「はやぶさ2」の大挑戦 太陽系と生命の起源を探る壮大なミッション


新しい宇宙のひみつQ&A


宇宙人に会いたい!: 天文学者が探る地球外生命のなぞ


宇宙の始まりはどこまで見えたか? 137億年、宇宙の旅

他にもおすすめがあります

YMコラム
3月22日「この危機をみんなの力を合わせて乗り切りましょう!」

 第二次大戦後最大の日本の危機を迎えている実感がします。KU-MA会員 のみなさんのうち、東北地方の方々は大丈夫との確認はしましたが、たぶ んご家族や友人の方々などが厳しい事態に立ち至っている人がいらっしゃ ることでしょう。どうかみなさん、心丈夫にこの危機を乗り切っていただ くよう、心から祈っております。

 あの3月11日15時前、私は中央線東青梅駅に近い青梅第二中学校の体育 館で、卒業式を1週間後に控えた卒業生たちを前に、卒業記念講演をして いました。変形性膝関節症の左膝、坐骨神経痛から来る右膝下の痛みを我 慢しながら、おそらくあと5分で講演が終わる見込みで、話も大団円を迎 えようとしていた時、突然中学生たちのざわめきが起きました。数秒前に 何か騒がしい物音が聞こえていたのですが、思えばそれが建物の揺れる音 だったらしいのです。そして振動は、立っている私がはっきりと分かるく らいになっていました。

 校長先生が、「椅子を頭の上に掲げろ」と指示されました。私は体育館 の天井を見上げました。どうも幼いころからすぐに腹をくくる性格の私は、 地震が来るとすぐにその揺れに身を任せる癖があります。天井を見上げて ゆらゆらと揺られながら、しばらく立ち尽くしていました。揺れがおさま りかけた時、校長先生がから校庭へ避難するよう命令が出て、中学生たち は整然と体育館を去って行きました。その直前に、男の子が「お礼の挨拶 をする予定だったのですが……」と言いながら、私にその原稿を手渡し、 女の子が「後で差し上げる予定だったものです」と言って花束をくれまし た。二人と握手をして応接室へ引き上げました。体育館の出口で、保護者 の方々が口々に「最後まで聴きたかったです」「せっかく盛り上がってい たのに」と口惜しそうに微笑んでいました。

 震度は5くらいだったらしいですが、私がこれまで出会った地震では最 大のものでしたが、あの中学生たちの冷静な対応は見事なものでした。さ すが地震国の子どもたち。怖かったでしょうに。そこから東青梅の駅に出 たら、電車は止まっていました。ちょっと様子を見てからまた駅の外へ出 たら、タクシーが1台いたので乗りこみました。とりあえず八王子まで行 くことにしました。八王子の近くまで行ったところ、駅前でタクシーを待 つ長蛇の列ができていましたので、これは電車は動いていないなと思い、 さらに遠くまでと思ったのですが、運転手さんが、「申し訳ないのですが、 私の家が心配なので帰らせて下さい」と言うので、そこで降ろされてしま いました。

 途方に暮れて周りを見回すと、ホテルがいくつかあります。もう泊まる しかないなと思って、痛い足を引きずりながら回りましたが、すべてすで に満杯です。みんな素早いですね。しょうがないので、あるホテルのレス トランに入って食事をし、お茶をゆっくり飲んでから気合いを入れ、タク シー待ちの行列に加わりました。あとはもう語るも涙の展開になったので すが、その後の東北地方を中心とした事態が、坐骨神経痛など吹っ飛んで しまう深刻な事態になっていることを知りました。もうみなさん十分にご 存知なので、くどくどと申し上げることはやめますが、福島原発の問題も 含め、日本という国が戦後最大の正念場を迎えていることは明らかです。

 人々の欲求不満を誘う議論に終始していた国会のことなど、一挙に吹き 飛んでしまいました。あの人たちは何を議論していたんだろう。私たちは、 この危機的な状況になって初めて、いかにきわどい時代を迎えているかに ついて、新鮮な問題意識を強制的に持たされた感じがします。それにして も、親を失い、子を失い、家族の不幸のただ中にあって、なおみんなで助 け合っている人々の尊い姿、町民を助けるために命を捨てた町長さん、家 族が行方不明になったままで人々の看護に当たっている病院勤務の人たち、 ……どうしてこの国の人たちはこれほど心やさしいのでしょう。

 現地で展開されていることにも、テレビで見聞きしていることにも、い ろいろな手違いはあるでしょうし、腹の立つこともあれこれあることはあ りますが、みんなが心を一つにしてこの危機を乗り越えることが、この国 をよみがえらせる最大の保証であることを、肝に銘じて頑張りましょう。 やれることを精一杯やって、悔いのない乗り越え方をしましょう。世界中 の人々が、援助もしつつ、大きな注目を以て見つめています。海外からの 報道を見ると、「惨禍の中で明るさと助け合いの精神を持ち続ける素晴ら しい人々」と絶賛の声を寄せるものを、たくさん発見できます。負けない でベクトルを合わせて、力を尽くしましょう。生きているかぎり、厳しい 状況に陥っている人たちに手を差し伸べることをつづけましょう。

(YM)

TOPKU-MAについて入会案内リンク会員向け

このサイトの内容の無断転載・複製を禁止します