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YMコラム
2月2日「宇宙ステーションと人工重力」

 ちょっと必要があって、地球を周回している宇宙ステーションの中で人工的に重力を発生させるアイディアについて考えてみました。この考えは、すでに100年以上も前からツィオルコフスキーなどによって提出されていました。宇宙ステーション全体をぐるぐる回せば、外向きに遠心力が働き、それを重力と同じように感じることができるという発想です。まあ今の国際宇宙ステーション(ISS)やスペースシャトルの内部のように、ふわふわと浮いて活動するのも一興ではありますが、日常的に生活を楽しむということになると、いずれは人工重力を作る時代が到来するのは必然と言えるでしょうね。

 この場合、宇宙ステーションの外向きの壁の方へ「重力」が働いているように感じるので、その壁を床と思えば、宇宙ステーション内で生活している人たちは、地上で暮らすのと同じような感覚で日常を過ごすことになりますね(図1)。地球重力と垂直に働いている人工重力ですがね。ではどうして現在のISSでは人工重力を作ろうとしないのでしょうか。それには、人工重力にまつわるいくつかの問題点があるからでしょう。


(図1)人工重力の発生

 基礎的な考察をすると、まず、その遠心力による人工重力は、式で書けば
    (回転半径)×(角速度)×(角速度)= 人工重力

ということになるので、回転半径と回転数が大きくなるほど大きくなります。ということは、宇宙ステーションが一体となって回転している場合を想定すると、壁についている足と、それより内側にある頭とは、回転半径が異なるわけですから、異なる「重力」を受けていることになりますね。回転半径が小さければ小さいほどその差が劇的になります。宇宙ステーションが小さいと人間は耐えきれないでしょう。下手をすれば足と頭が逆向きの方向に「重力」を受ける可能性もあります。

 また地上と同じ1Gという「重力」を作り出そうとすると、宇宙ステーションが小さいほど、速く回転させなければならないということになります。小さい宇宙ステーションにいて高速で回転しながら窓の外を覗くと、美しい地球をうっとりと眺めているというムードにはならないでしょうね。

 将来は、数kmにも及ぶうんと大きな宇宙ステーションを打ち上げて、落ち着いて生活できるくらいゆったりとした回転にすることができるでしょうが、それはまだまだ先のことになるでしょうね。そうすれば、足と頭が感じている重力の違いも無視できるくらいになるだろうし、窓の外を覗いても、めまぐるしい回転に出会わなくてもいいから快適でしょう。それはいつのことやら。

 こんなに大きな宇宙ステーションが実現すると、いちばん外側の壁は1Gでも、宇宙ステーションの中心に近づくにつれて回転半径が小さくなりますから、発生している重力が小さくなります。すると、一つの宇宙ステーションの中で、火星や月にいる時の重力も楽しめるし、宇宙ステーションの真ん中に近いところでは無重力みたいになるから、フワフワと浮くこともできて楽しいかもしれないですね。フォン・ブラウンが1952年に構想していた宇宙ステーションは図2のようなものですが、このドーナッツを何重にもして、一番外側のリングの壁に木星重力、その内側に土星、次に地球→金星→火星→月などとリングのステーションを作って行くと、楽しい滞在ができそうですねえ。


(図2)1952年にフォン・ブラウンが構想した宇宙ステーション。遠心力により人工重力を発生させる。

(YM)

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