「旬な話題を話のネタに」

 宇宙の学校に関わらず本職の校長の仕事に学校行事の式辞やあいさつをしたり、 新聞等に原稿を書いたりする機会が数多くあります。そんな時のネタに困らないよ うにテレビやラジオの放送、新聞や雑誌の記事、他人との会話などアンテナを高く して気を配っています。特に学校で生徒たちに話をするときには、できるだけ旬な 話題を旬なうちに話をするように心掛けています。

 私の学校では今日(4月7日)、入学式・始業式を行いました。入学式で生徒たち に話す式辞の原稿を校長室で春休みに考えているときに、ふと校長室の壁に掛けて あるJAXAカレンダーが目にとまりました。3月のカレンダーには宇宙飛行士の 山崎直子さんがアップで載っていました。山崎さんの乗り込むスペースシャトルが 4月5日に打ち上げられるので、山崎さんに関わる内容を式辞のネタにしてみよう と考えました。そこで、インターネットを利用し山崎さんに関する情報を調べてみ ました。そうして次のような入学式の式辞を作成しました。

 小牧山では桜の花が盛りを向かえ、まさに春爛漫になっています。

 このよき日に、255名の新入生をお迎えいたしました。新入生の皆さん、そし て保護者の皆様、本日はご入学おめでとうございます。心からお祝いを申し上げま す。

 新入生の皆さんは中学校生活に期待と不安を感じながら、今日を迎えたことと思 いますが心配はいりません。この小牧中学校には、素晴らしい先輩や同級生、先生、 保護者、地域の方々等がいっぱいいます。これらの人との関わりの中で、充実した 3年間の中学校生活を送ってほしいと思います。

 一昨日、スペースシャトル・ディスカバリー号で宇宙へ向かった山崎直子宇宙飛 行士は小学生のころ、プラネタリウムや惑星探査機ボイジャーが送ってきた画像を みて、宇宙に興味を持ちはじめ、「宇宙戦艦ヤマト」のアニメに影響を受けたそう です。 しかし、そのころは宇宙へのあこがれはあるものの、大きくなったら「先生」 や「ディズニーランドのお姉さん」になりたいと思う少女でした。

 ところが中学生のとき、スペースシャトル・チャレンジャー号の打上げをテレビ で見て、人間は宇宙に行けるんだ、私も行きたいと強く思いました。 しかし、こ のときのチャレンジャー号は打上げ後に爆発し、乗っていた宇宙飛行士全員がなく なってしまいました。そして山崎宇宙飛行士は、このなくなった宇宙飛行士の意思 を引きついで、多くの子どもたちに宇宙のすばらしさを教えたいと思ったそうです。

 中学校生活三年間には、山崎飛行士のように将来の希望について思いつくこと が何度か出てくると思います。その思いつきを意義あるものにできるよう、毎日の 生活を送ってほしいと思います。それが小牧中学校の生活信条「たくましいからだ と心 より強くより美しく 若い願いにあすを信じて さあ今日もがんばろう」に つながると思います。

 以上、入学式の式辞といたします。

 宇宙の学校に関わるまで宇宙を話題にしたネタはまったく考えませんでした。 一昨年度から的川先生を始めKU-MA関係者の方たちとのネットワークが広がり、私の 思考回路のネットワークも広がったように思います。今後も新しい刺激を求めて生 活していこうと考えています。

小牧市「宇宙の学校」  清 水  豊