「今後、宇宙教育を進める上で得るものが多かったPTA活動」

 私は山梨県甲州市塩山のKU-MA会員・宮川 広といいます。

 私は3年間の塩山中学校のPTA本部役員として、1年目は監査、翌年・副会長となり昨年4月から今年3月までPTA会長職を務めさせて頂きました。

ひかり輝いている子供達に一年を通して事あるごとにPTA会長としてメッセージを送り続けました。その中から、昨年4月の入学式と今年3月の卒業式での子供達へのメッセージを紹介させて頂きます。

塩山中学校での3年間のPTA活動はより多くの学ぶ機会を与えてくれました。

<入学式>

前略・・・。

「夢と希望」いっぱいの新入生のみなさん、入学おめでとうございます。

皆さんは今日から中学生となりました。 君たちのお父さんお母さんの仕事は働くことですね。 会社で働いたり、家庭の中で働いたり、お店で働いたり、人によって働く場所はそれぞれ違いますが働くのが仕事です。 では君たちの仕事はなんでしょう? 君たちの仕事は勉強することです。君たちは学校で勉強が出来ます。その上、君たちがやろうとさえすれば家に帰っても、いつでもどこでも勉強が出来ます。なんと勉強し放題です。 こんな贅沢が出来るのは長い人生の中でほんの一瞬の事です。学生の間だけできる特権です。とても大切な時なのにたいていの人は大人になってから「ああもっと勉強しておけば良かった」と後悔するのです。何をかくそう私もそうでした。多分君たちのお父さんお母さんの中にも私と同じ思いをした人が沢山おられると思います。

私が皆さんの年のころは、まだまだ生活が貧しくて、子供達に十分な勉強をさせてあげることが出来ない家庭が沢山ありました。私も私の友達も多くの子供たちが通学前に新聞配達をしたり、牛乳配達をして家計の手助けをしていました。 アルバイトをして自分の小遣いにするのではありません。アルバイトをして親の手助けをしていたのです。

そんな頃から比べたら、今の皆さんは本当に幸せですよね。勉強をしようとさえすれば、いつでも出来る環境に君たちはいるのですから。

では、一生懸命勉強するとどんな良い事があるのでしょう。私は私の体験上のお話しか出来ませんが、一生懸命勉強すると、皆さんの持っている夢への選択肢がとても広く大きくなることを上げたいとおもいます。 皆さんは今現在も色々な夢を持っているでしょう。夢ってとても大切な宝物ですよね。ところが夢って思い描いているだけでは手に入りません。夢に近づくためには努力しなくてはいけません。その夢に欠かせない手段のひとつが勉強なんです。君たち一人一人が持っている可能性を花開かすためにも、勉強は欠かせない一つの手段です。そうは言っても勉強も分からなければ楽しくもなんともありません。そこで登場するのが塩山中学校の総勢約40名の先生方です。先生方は君たちの良きアドバイザーとなって君たちを教え導いてくださいます。先生方は君たちが果敢にアタックしてくるのを待ち受けています。分からないことを分からないままで終わらせないで下さい。何度でも何度でも先生方にアタックしてみて下さい。そして沢山の知識を身につけてください。 中学校の生活は、小学校の半分。たった3年間しかありません。これまで以上に一日一日を大切にして、色々なことに興味・関心をもち、果敢に挑戦して欲しいと思います。

中略・・・。 

 最後に、あす以降、元気な挨拶で登校し、楽しい学校生活を送れるように心から応援しています。 以上、簡単ではございますが、PTAを代表してご入学のお祝いのご挨拶と代えさせて頂きます。本日は誠におめでとうございます。

<卒業式>

 三年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは、三年前、この塩山中学校に入学した日のことを覚えていますか。皆さんと私は、中学生とPTA役員と言う立場の違いこそはありましたが、同じ日に塩山中学校の門をくぐった、同窓生でもあります。 あの時の皆さんの、緊張した、初々しい制服姿を、きのうの事の様に思い出します。 あれから三年が経ち、今日、この良き日に、皆さんの姿をこうして見渡すと、本当に大きく成長してくれたなあと、思わずにはいられません。

 長いようでいて短かった三年間、皆さん一人一人の胸の奥には、楽しかったこと、苦しかったこと、感激したこと、後悔したことなど、さまざまな思い出がよみがえっている事と思います。  そして何より日本一の学校目指し、挨拶運動をはじめとする、先生方と生徒が一丸となった数々の取り組みが、今年は最高の形で花開いた事を本当にうれしく、ほこらしく思わせてもらっています。  実にいろいろな人達から「塩中生がいいねえ」、「挨拶が気持ちいいね」、「態度がすがすがしい」などのおほめの言葉を何度となくちょうだいしましたが、これは先生方の努力と皆さんの頑張りが実を結んだあかしです。本当によく頑張ってくれました。

 さて皆さんは今日、この良き日に、今日を限りとして、義務教育の過程を終了し、この学びやを巣立ちます。

 ここから先は、自らの力で、自らの未来を切り開き、大人への大事な一歩を踏み出していく、大切な出発点に立つのです。

 私は皆さんに、人よりいい学校に入り、人よりいい会社に就職して、人よりいい生活をするなどという、ちっぽけな夢や、自分さえよければいいなどという心を持つ人間には、なって欲しくないと思っています。

 人として立派な人間、例え損をしても人の為につくせる人間、人の為に涙を流せる人間、人のこころの痛みの分かる人間に成長して欲しいと心から願っているのです。

 その上で、それぞれの夢や目標に向かって突き進んでいって欲しいのです。

 皆さんの顔や性格が、一人一人違う様に歩む道筋も一人一人違います。 夢や目標に全力疾走でかけ登ってたどり着くもの、一歩一歩休まずに歩み続けてたどり着くもの、遠回りしながらも、寄り道しながらも、時間をかけてゆっくりたどり着くもの、人それぞれに違う、色々な道筋を色々な方法でたどって行って下さい。そして、ここにいる全員がいつの日かそれぞれの夢や目標にたどり着けるよう、一日一日を大切に、努力していってくれる事を心から願っています。

 家族を大切に、友達を大切に、この学び舎で出会った全てのものに感謝を忘れずに、大切な一歩をあゆみ出して下さい!

 校長先生をはじめとする先生方そして職員の皆さん、三年間に渡り愛情溢れるご指導をたまわり有り難うございました。保護者を代表しまして心よりお礼申し上げます。

 さらには、今日のこの良き日に、お忙しい中、ご臨席たまわりました、ご来賓の皆様、三年間子供達をお見守り頂きました事を、深く感謝申し上げます。

 終わりに卒業されます百六十名の皆さんの門出と今後の活躍を願い、さらには塩山中学校の益々の発展をご祈願しまして、お礼とお祝いの言葉とさせて頂きます。

塩山中学校PTA会長・宮川 広